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息子のおしりを拭くのは誰だ

長男が産まれてから4年が経った。
この4年という月日は、オムツとおしりについた「うんこ」を毎日処理する日々でもあった。
そんな長男も今では、大人と同じようにトイレで用を足すことができるようになった。
長男の成長とともに、うんこ処理という重労働からようやく開放された。

だが、まだ1つ問題が残っている。

それは、長男はまだおしりを自分で拭くことが出来ないのだ。
長男がうんこをする時は、我々夫婦のいずれかがトイレ横で待機せねばならない。

 * * *

あれは寝かしつけをしている夜のことだった。
長男から「うんこをしたい」との申し出があった。
私達夫婦は2人共疲れていた。

「そっち(妻)の方で対応してくれ」

「そっち(夫)の方で対応してよね」

それぞれが、相手が立ち上がるのを期待したがどちらも起きてこない。
そこで、寝転がったままじゃんけんで勝負をすることになった。

「じゃんけん、ぽん」

私はグーを、妻はパーを出し、妻が勝利を収めた。

「よろしくー」と、妻がそのまま寝室で寝転がっていると、長男が「どちらが勝ったの?」と聞いてきた。

妻が「お母さんが勝ったよ」と言うと、長男は「じゃあ、お母さん行こうか」と妻の手を取った。

妻は「えぇぇぇぇ…」と言いながらも、息子に起こされトイレへと連れて行かれた。

そう、負けた方が行くなんておかしい。
妻は息子のおしりを拭ける栄誉を手にしたのだ。

息子のおしりを拭く期間は限られている。
今だけの貴重な時間を過ごしていることを、息子が教えてくれた。

私は負けた悔しさを胸に、すやすやと眠りについた。

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