[MTGA]ヒストリックパウパーのアーキタイプメモ

MTGMagic: The Gathering)のフォーマットの一つであるヒストリックパウパー。2022年5月(~ニューカペナの街角)時点での主要アーキタイプをまとめます。

前提

  • 本記事は2022年5月現在のカードプール(~ニューカペナの街角)を想定しています。

  • 本記事における「主要アーキタイプ」は執筆者がこれまでMTGA上のイベントにおいて遭遇率が高いと感じた、あるいはデッキリストをネット上でよくみると感じたアーキタイプです(主観的な判断に基づきます)。

    • ヒストリックパウパーはMTGA上でしかプレイできない一方で、ランクマッチや勝利数を競う競技イベントが開かれていないためです。

    • 競技シーンにおいて使用率の高い、あるいは勝率の高いアーキタイプであることは保証されません。

白単ライフゲイン・白黒ライフゲイン

概要

魂の管理人月皇の古参兵によりライフを何回も得ることで天界のユニコーンのサイズを上げて盤面を制圧する構築。黒を入れる場合は各種除去の他に略奪する破戒僧血の美食家といった脅威が追加される。
天界のユニコーンさえ早期に場に出ればそれだけでダメージレースで圧倒できる爆発力がある。

すさまじい勢いでライフを回復する人々
コモン界のアジャニの群れ仲間

得意

ライフを継続的に得る、1体の巨大な生物を場に出すという構造からバーン系に強い。
魂の管理人は相手のクリーチャーでも誘発するため横並べ系デッキにも有利に立ち回りやすい。
システムクリーチャーを並べる必要があるもののヒストリックパウパー環境では全体除去に乏しく一対多交換をされにくい点もヒストリックパウパー特有。

苦手

・天界のユニコーン以外はマナレシオが並以下でありユニコーンを封じられた際の盤面制圧はかなり難しい。
・サイズに優れたクリーチャー+少量の除去で盤面を取る相手の場合、ライフゲインで延命はできるものの相手のライフを減らすことは難しくなりやすい。

緑白オーラ

概要

優秀な低マナ域キーワード能力持ちである癒し手の鷹戦場の猛禽のサイズを祖先の仮面を始めとしたオーラで強化する構築。

ライフレースと盤面が壊れる

ヒストリックでないパウパーではぬめるボーグルなど軽量呪禁生物がオーラの付与先として定番であるが、ヒストリックパウパーでは最軽量呪禁生物は3マナのジャングル生まれの開拓者(のトークン)とやや重い。
そのため、タミヨウの保管ケイラメトラの恩恵で相手の除去に対応して呪禁を付与する形が多く感じる。

タミヨウの保管はオーラ破壊も防げる点がグッド

得意

祖先の仮面以外にも結束のカルトーシュによる展開や平和な心系の疑似除去オーラ、戦茨の恩恵、活力のカルトーシュで格闘など意外とエンチャントだけでも幅広い動きが可能。
相手の除去を捌ききれるなら屈指の速度で相手のライフを詰めることができる。癒し手の鷹のサイズを上げることができれば後は殴るだけで勝てる、という状況も多い。
オーラというテーマだけ見てもヘリオッドの巡礼者によるサーチや卓絶した特使によるコスト軽減などオーラシナジーも存在しデッキパワーが高くなりやすい。

特使は2マナ飛行でオーラ付与先としても優秀

苦手

・打点の形成にオーラの付け先+オーラ(+呪禁付与手段)とかなり多くの手札を消費
 ・にもかかわらず手札の補充手段に乏しい。
 ・祖先の仮面に貢献しながら手札を増やす手段は神憑く相棒、防護の太枝などキャントリップ付きのエンチャントが精々である。
→この欠点を補うため歩哨の目や野生林の鉤爪が採用される傾向にある。(ニューカペナからラフィーンの導きも入るかも?)
・単体除去を躱しきれなかったときが即ち敗北のタイミング
・必要なカードが必要になるタイミングがはっきり分かれるため引きムラが大きく出やすい。(除去をサボっているデッキ相手にめっぽう強いが他でもない緑白オーラも除去は乏しくなりがちなのは面白いなあって。)

赤系バーン

概要

熱錬金術師火付け射手ケッシグの炎吹きなどを並べた状態で軽量火力を連打する。

スペルに1点バーン追加3兄弟

よく使用される呪文としては以下が挙げられるか。

  • プレイヤーへの火力

    • 乱動噴火

    • 批判家刺殺

  • 除去

    • 霜噛み

    • 邪悪な熱気

    • (絞殺?)

得意

アドバンテージ源として2マナになった舞台照らしこと無謀なる衝動やヒストリックパウパーではまだ禁止になっていない電位式リレーがあり意外と息切れもしにくい。有効牌を大勝ち火の予言で探しに行くこともできる点も見過ごせない。

苦手

・ライフゲインが一定数環境に居ることが逆風。
・オーラなどで一定以上のサイズになったクリーチャーは止める術がない。
・クリーチャーだけを引き続けてしまうと打点が上がらず火力だけを引いてしまうと除去だけでリソースを使い切ってしまうため引きムラもやや出やすい。
 ・この点については魔力変などのマナフィルター系スペルがほぼ存在しないため爆発力が出ないことも逆風。

赤系果敢(赤系ゼロックス)

概要

窯の悪鬼燃え立つ預言者ほか果敢系の能力を持ったクリーチャーを大将軍の憤怒・突破などの軽量キャントリップ呪文で後押しする構築。ぶん回り時の速度は随一で相手のゲームスピードによってはワンサイドも望める。
赤系のコンバットトリックを用いることの恩恵も大きく結果的に盤面の奪い合いもこなすことができ、なおかつ攻撃を通せれば一撃必殺級の大ダメージが発生しかねないため圧をかけやすい。

呪文を唱える度にサイズが上がる
定期的に追加されるキャントリップ付きバフ

得意

キャントリップ呪文を大量に使用するためドローカードを平均化しやすく引きムラを抑えやすい。脱出やスレッショルドなど墓地にカードが溜まることとシナジーを形成する要素も一定数存在し相性がいいカードが意外と豊富。赤系のパワーアップ系インスタントは数も多く構築ごとに調整しやすい。

執筆時点では未知だが期待大の赤サイズアップ

苦手

1ドローによる引きムラの抑制ができるとはいえスペルとシナジーを形成する生物が場に出ている前提で採用された呪文を空打ちすると普通にアド損。「土地(生物)がないから仕方なくキャントリ目当てに唱える」は屈指の弱行動になってしまう。この裏目はオーラなどでも同様だがこちらは
①意外とクリーチャーの選択肢が少ない(デルバーが使用不可なのも逆風)
②クリーチャー間でシナジーを形成しにくい
といった理由から採用数が自然と減りがちになる都合上発生しやすい。

リスストーム

概要

ヒストリックでないパウパーで禁止になった(マナ加速・マナフィルター呪文)+授業初日騒鳴の嵐のコンボデッキ。ストームを稼ぎ授業初日を唱えたのちに騒乱の嵐で2/2速攻リストークンで盤面を埋め尽くす。ストームはゴブリンの壊乱術士探検や(授業初日後の)ラノワールのエルフ季節の儀式で稼ぐことが多い。

2/2速攻量産コンボ
ストーム稼ぎ


得意

・パウパーでもよく見られた電位式リレーもヒストリックパウパーに存在するため騒乱の嵐にアクセスできなかった場合もフォローができる。
・全体除去が少ないためコンボ成立ターンに勝てなくともそのまま押していける

アクセス手段

苦手

・本家と違いストームを稼ぐのが難しいため実際には授業初日+騒鳴の嵐が揃っていてもコンボ始動にこぎつけられない場合がある。
・除去枠が狭いためコンボ成立前、後いずれも盤面の維持が厳しい
(ちなみに魔力変や睡蓮の花びらや暗黒の儀式などがないヒストリックパウパーでは色は赤緑が主流。)

おまけ

無限頑強コンボ

すみません野良で当たったことないです。
授業初日を唱えたターンにスカークの探鉱者朽ちゆくゴブリンから赤マナを出し続ける3枚無限マナコンボ。無限に赤マナが出れば後は電光映えのドラゴンなりなんなりでフィニッシュができる。谷の商人によりフィニッシャーを探しに行くこともできる、らしい。怖い。

→2022/06/01 追記
ご指摘いただきました。かつてはサクリ台なしでも無限に朽ちゆくゴブリンを死亡させることができましたが現在はテキスト変更によりできなくなっています。サクリ台をちゃんと用意しましょう。
https://t.co/Wxx6PCOlbK

しつこい請願者LO

最初期のヒストリックパウパーイベントでかなり見たが最近は環境の高速化もあってか見かけなくなった。しつこい請願者だけでデッキを組みLO勝利を狙う構築。単一カード構築を後押しする残響する復活や屈指の時間稼ぎカードである根の罠を併用する型も見かける。

→2022/06/03追記
ヒストリックパウパーではしつこい請願者は禁止になっています。
イベントごとにレギュレーションが変わるため次は禁止かわかりませんが基本的には使えないものとして考えた方が良さそうです。


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