国会議員の皆さんに届きますように――!


2022年12月6日開催「国連勧告実施を求める院内集会」で3分ほどお時間を頂き、当事者保護者として発言させていただきました。
まずはこのような機会を頂けたことに感謝です。
これが良いきっかけになることを心から願っています。


3分間という限られた時間の中で(超過しましたが^^;)
かなり端折った部分もあり、、、
言いたかったことが全部伝えられたかというと正直わかりません。

「インクルーシブ教育」というと
ただ障害のある子どもを通常学級に入れてとにかく同じ場で、
というところだけが強調されがちです。
もちろん、同じ場で学ぶ、共に学ぶということはとても大切なのですが
それをするには準備が必要です。
通常学級がいっぱいいっぱいの現状を何とかする、ということも含まれていると思います。

また、障害のある子どもだけに焦点を当てるのではないということも
理解すべきところかと思います。
障害のある子ども、無い子どもと分けることがそもそもナンセンスであって
どの子どもも(大人も)みんなが多様であるというのが大前提です。
「普通」は存在しない。
障害が無いとされていても、一人で生きることはできず、その時々で手助けが必要になります。
その手助けの程度も種類もタイミングも、千差万別。
手助けをされることもあれば、することもある。これは、障害の有無に関わらずみんな同じです。
だからこそ、分けるのではなく共に学ぶことが大切なのだと思います。

支援学校や支援学級が必要であることもよくわかります。
うちの子にとっても、支援学級はホッとする場でもあるようで、頑張る気力がない時は「しえん、しえん」と言って支援学級に行きたがります。
本当なら、通常学級が頑張らなくても居られる場であったら良いのに、とも思います。
ただこれも、障害の有無に関わらず、どの子にも言えることですが
ホッとする居場所や逃げ場があることはとても大切です。
一時的に場所を分けることも必要です。
ただその場が
「障がいがある子だけが利用できる」
とか
「障がいのある子はずっと(今回の通知では週の半分以上)そこに居なければいけない」
といったように決められてしまうのでは
本当に必要な人が必要な時に利用できなくなってしまう。

障害のある子を通常教室に入れ込む!というのではなく
通常教室にもともといる子も含めてみんなに手厚い支援と学習環境を、というのがインクルーシブ教育なのではないでしょうか。

「インクルーシブ教育」と聞くだけで反射的に拒否反応を示す人が一部存在するのは分離教育が続けられてきたからだとも思います。
自分より下と思える誰かを切り捨てることは一時的には楽になるかもしれない。
だけどそれは、いずれ自分の首を絞めることになります。
このまま分離教育、分離社会が進めば、どんどんみんなが暮らしにくくなるのではないか…
みんなが理解し合い、助け合えるやさしい世の中を作っていくために、、、
それに向けての法的整備、環境整備を行っていきましょうね、というのが
国連権利委員会の勧告
なのだと私は捉えています。


ということで
前置きが長くなってしまいましたが
以下が、院内集会での私の発言内容です。

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本日はこのような機会を頂きありがとうございます。大阪府枚方市在住の支援学級在籍児童の保護者で、---と申します。4月27日付文科省通知を発端とし、これまで守られてきた我が子の学ぶ権利が脅かされることに危機を感じ、10月末に大阪弁護士会に人権侵害救済の申し立てを行った当事者です。
 
枚方市では、支援学級に在籍するのであれば週の半分以上を支援学級で過ごし、それ以下であれば通常学級に籍を移すように、と、一律の基準で切り分けた学びの場の選択を求められました。
支援が必要であるから支援学級に在籍していたにもかかわらず、時間数のみを基準として通常学級に放り出されてしまうことになります。
 
時間数に限らず区分を細かくすると、その区分に認定されなければ支援が受けられない、など、融通が利きにくくなります。在籍学級に関わらず、ちょっとした支援を必要としている子どもはたくさんいます。すべての子どもが必要な時に必要な手助けを得られる、個別のニーズに合わせた対応を目指すのであれば、一律の区分は不要です。
 
しかも今回の通知で求められたのは選びようのない選択です。
知的障害のある我が子がもしも通常学級在籍を選んだ場合、どうなるのでしょうか。
 
現在小学2年生。同級生の学習内容についていけるわけではありませんが、学習意欲はあり、漢字、九九なども本人のできる範囲で、支援担任のサポートのもと、取り組んでいます。また、集団での指示が理解しにくいときには、適宜、個別での声掛けなどもしていただきます。身体能力的にも見守りが必要ですが、周りの手を借りながら、学校生活を楽しんでいます。
もし通常学級に在籍を変えれば、現在の我が子に最も必要な「大人のちょっとした手助け」は一切なくなります。「合理的配慮」を求めたとしても、予算や人員確保の都合上、人的配置は難しい。ただでさえ忙しい学級担任をさらに苦しめることになる選択です。
 
もう一つの選択肢は「支援学級」。しかし、ここに入ると週の半分以上、という時間規定が設けられます。うちの子は、クラスの友だちと過ごしたいと話しているのに、強制的に切り離されてしまう。これまではクラスの一員として、日直や給食当番などの役割を担い、本人なりに人間関係を築きながら楽しい学校生活を送ってきたのに、本人の、学びたいという意思も、必要な支援ニーズもすべてを無視し、制度に合わせて強制的に選ばされる「学びの場」。これは分離を進めるだけでなく、等しく教育を受ける権利を損なうものではないでしょうか?
通知が発表されてからの半年以上、来年度から我が子の居場所がなくなってしまうのではないかと不安な毎日を過ごしてきました。保護者としては、我が子も、そして、周りの子どもたちも、みんなが安心して楽しく通える学校であってほしいと切に願っています。1年生の時は「学校楽しいね」と親子でのほほんと過ごしてきました。ただそのまま過ごしたい、それだけなのです。
今後、誰も取りこぼさない教育を…と思っているのに、逆に分離を進める方針がとられてしまうとしたら、これほど悲しいことはありません。4月27日付文科省通知の撤回を早急に求めます。
 
国会議員の皆様にこの現状をご理解いただき、ぜひそのお力をお貸しいただきたいです。


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