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私の会社で働き方を考えてみました

第149回(2024年2月28日)
ほぼ定年同世代、同感するところが多い渥美敬之さんからのバトンを受け取り、久々のぷろぴの広場の投稿です。

約1年半ぶりの投稿になります。
前回は定年になって、少しずつ定年というものが分かってきたころだったと思います。
あれから1年半の月日が流れました。
残念ながら、私の働き方は大きくは変わっていません。
現実の会社は、それどころではありません。
最近は、人手不足がじりじりと顕著になってきています。
今回は私の視点で、社会の変化とそれに伴う働き方を考えてみました。
中小企業で働く、定年おやじの目線ですが、目指すところは、若年層からミドル・シニアまでワクワク働くことです。
 
私の働いている会社は、社員数が130人の中小企業です。
創業70年を越える、いわゆる老舗の会社です。
最新の情報では、企業の平均寿命は、23.3年なので、70年を越えるということは、業績も働き方も悪い会社では無いと思われます。
職種は、今は「システム専門商社」と名乗っていますが、以前でいうと、「事務機屋さん」とか「コピー屋さん」です。会社内で使っているすべてのものが扱える会社です。
営業と機器のメンテナンスをする、販売とサービスの両方が出来る会社です。
営業が民間と公共に分かれていて、特に公共の文教分野、いわゆる、小中学校のパソコンやネットワーク構築に強いということがあります。
そんな会社1社で定年を迎え、会社の状況を約40年見てきました。
 
数年前に、大きな変化がありました。
強みの文教分野で、GIGAスクール構想(すべての小中学校で一人一台タブレット端末を使用できるようにする)が始まったのです。各市町村で順次、導入される予定が、コロナ禍になり、在宅での対応をする為に、各市町村が一斉に前倒しの導入が始まったのです。
それまでの社員数は、90人前後を行ったり来たりする状態でしたが、GIGAスクール構想前倒しの対応の為に、社員数が約130人まで増えました。
社員が増えただけでは無く、働き方にも大きな変化がありました。それまではいなかった、派遣社員の方が多く入ってきました。
社員が100人以下だと、全社員の顔と名前が一致するのがあたりまでした。しかし、100人を超えると名前も顔も分からない社員が出てきたのです。コロナ禍で全社の対面行事が出来なくなったこともありますが、それまで全員が分かっていた自分にとっては、驚きの事実でした。
また、派遣社員の扱いも違和感がありました。
同じ仕事をしているのに、正社員と派遣社員では、扱いが全く違うということです。
与えられるのは、作業のみです。
大企業で多様な働き方の方が多く存在する会社で、働いていれば感じないかもしれませんが、私にとっては大きな違和感でした。但し、この慣れていなかったことからくる、杓子定規のような切り分けが、人手不足に拍車をかけることになったと思っています。
会社の業績の方は、GIGAスクール構想の恩恵で、素晴らしいものとなりました。
 
そして、新型コロナウィルスが5類感染症になり、インフルエンザと同等の扱いに変わり、世の中はコロナ以前に戻りました。それに呼応するように、社会も急速に動き出しました。
コロナ禍で一番大きく変わった働き方は、テレワークが認知されたことです。
私の会社は、システム専門商社なので、コロナ禍以前から、テレワークが出来るインフラはすでにありましたが、実際に使うことはありませんでしたし、使うという発想な無かったと思います。
しかし、感染症対策の為に使わざるを得ない状態になりましたが、実際にテレワークで働いていたのは、一部の社員に過ぎませんでした。
現実は、誰もテレワークという新しい働き方を認めることが出来ませんでした。
都市部では、今も普通に出来ている、テレワークという働き方が、地方都市の私の会社では、根付くことはありませんでした。
しかし、若年層は敏感に感じていたのではないでしょうか。
働き方の選択肢が増えたことを。
 
そんな状況のなかで、じわじわと始まっていたのが、人の移動、すなわち転職者が多くなってきました。
WithコロナからAfterコロナへ社会は大きな転換を図ることにより、コロナ前の働き方へと戻り、一旦、止まっていた人の動きも堰を切ったように、流れ出しました。
但し、唯一違っていたのは、コロナ禍を経験して働き方の多様性が出来ていたのです。
 
私が会社に入って40年になろうとしています。販売する商品も大きく変わりました。
コピー機を中心に販売をする会社から、時流に上手くのり、システム商品を販売する会社へと大きく転換をしました。
システム商品を販売するということは、会社の財務から工場の生産管理まで多くを知る必要があります。
また、営業の行動や顧客情報もシステマティックに管理が出来る時代です。
特に若年・中堅層の社員は、会社のこの変革によって、どこへ行っても活かせるスキルを習得していたのです。そして、これからの自分のキャリアの可能性を実感していたのではないでしょうか。
しかし、会社という器に関しては、テレワークさえもスタンダードにすることは出来ませんでした。
 
この数年、中堅社員の退職が目立って来ていましたが、コロナ禍が明けて、最近はそれに拍車がかかっているように思われます。また、忙しい時期を支えてきた、派遣社員も長続きしていません。
あくまでも、私見ですが、個人の成長に会社の成長が追い付いていないように思われます。
また、派遣社員の判断も大切だと思います。どうしても作業要員という扱いになりがちですが、クールに仕事を選ぶことが出来ます。そんな派遣社員が長続きするような働き方を目指せばいいのではないでしょうか。
時流の後押しや販売する商品の時代への適応は、間違ってはいません。
それ以上に、若年層の時代を見る目が養ってきたのかもしれません。
おじさん世代は、時々こんな言葉を発します。「最近の若い者は・・・」を枕言葉に。
昨年から今年にかけて、自分らしく働く為に、対人支援の講座に多く参加をしましたが、従来のコミュニティとの大きな違いは、20代、30代が多いことです。
参加してみての感想は、「若いやつらは思いのほかしっかりしている」ということです。考え方も行動も本当に素晴らしいと思いました。
自分らしいキャリアを実現する為に、転職をする。もうこの流れをとめることは出来ません。
これからは、これがスタンダードになるでしょう。
 
では、もう始まっている人手不足の問題をどう解決していくか。
あくまでも、視点は地方の中小企業で、今の所属で感じることから、組織と人材について私なりに考えてみました。
 
●マネージャーの視野と視座
マネージャーといっても、中間管理職です。気持ちは分かりますが、常に上位に向いているように感じます。
上長と部下の面談でもそうですが、普段の社内から聞こえてくるのは、マネージャーの声ばかりです。
聴くことより、話すことがまだまだ優先されています。
部下に伝わるのは、情熱のみで、内容はほぼ伝わっていません。悲しいかな、マネージャーの声は耳の左から右に抜けています。視野と視座を、部下の方に向けて、聴くことを意識してみませんか。話すことは、必要最低限で十分に伝わります。
その為のツールとしては、1on1ミーティングが必須です。
転職の流れを止めることは、難しいとは思いますが、流れをゆるくする効果は十分にあると思います。
キャリアを学んでいると1on1ミーティングの情報は意識をするので、多くを知ることが出来ます。但し、普通は、1on1というワードだけが独り歩きをします。
そこで行われるのは、普段と同じ面談、業績の進捗確認やマネージャーのアドバイスが中心になり、マネージャーの声ばかりが聞こえてくるものになってしまいます。
部下の話しを聴くことに注力して下さい。話しをしたくなると思いますが、そこは我慢です。
それ以前に、まだまだ社内で上司と部下の面談が出来ていません。
通常の業務報告は、面談ではありません。話す時間を確保して、聴いて下さい。
 
●今こそ多様な働き方を
コミュニティのメンバーとの雑談の中でも、採用がとても難しいという話しはよく聞きます。
採用の仕事をやっていたこともあるので、その業務の大変さも理解が出来ます。
それに、採用に関わる費用は非常に高いものになります。もちろん、ハローワークなど費用が掛からないものもありますが、現実そこでは、良い人材の確保は難しいです。
人の流動が激しくなると、業績にも影響が出てくるでしょう。そこで費用が非常に高い採用に注力することは、避ける必要があります。
もちろん、現状のメンバーで生産性を上げることは最優先です。システムを利用して合理化を図ることも、出来るでしょう。但し、すぐに効果は出ません。その間に、メンバーは疲弊して、さらに人の流動に拍車がかかってしまいます。
そこで、まず注目していただきたいのが、「シニア人材」です。
大企業では、一部でシニアのスキルを活かして、定年後も同じ給料で雇用をする働き方も始まっていますが、中小企業での定年後の働き方は、「福祉的雇用」です。
年金の支給に合わせて、それまで働けるという実績が最優先なのです。
杓子定規で、給料が少なくなり、仕事も少なくなります。
それでは、モチベーションも上がりません。現実の定年おやじはまだまだ元気です。気力も体力もあります。
それを活用しないなんて、もったいないと思いませんか。
シニア人材の経験とスキルを活かせば、十分に急場をしのげるのはもとより、若年層社員の話しを聴くことだけでも、社内の活性化に繋がるのではないでしょうか。
おやじのおせっかいは、会社を救うことが出来る可能性は十分にあります。
それと、もう一つ注目するべきなのは、「複業人材」です。
正社員や派遣社員の採用は難しくなっていますが、それよりも柔軟性は高くないでしょうか。
副業では無くて、複業です。パラレルな働き方ということです。
現状の複業人材は、お金を稼ぐためというよりも、自分のスキルを高めたいとか、自分らしい働き方を実現したいために、複業をしている方が多いと思います。
会社の体力がつくまでの中継ぎだけでは無くて、新しい活力を与える存在になる可能性も十分にあります。
 
社会はこれからも大きく変化します。それに合わせて、働き方も会社も人も大きく変わるでしょう。
それを柔軟に受け入れれば、ワクワクした働き方を実現できると思います。

次回は、リアルでも、お会いしたことがある、三輪謙介さんにバトンを渡したいと思います。
オンラインスタートで始まった、My 3rd PLACEの繋がり、コロナが終息してリアルで会うことも増えてきました。
ワクワクは止まりません。

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