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美大卒、いまさら絵を習う【ふと、秋山教授を思い出す】

こんにちは。
オーストラリアに住んでいるフミです🍇


最近、週に30時間ほどしか働いていないので、
自由な時間が非常〜〜〜に多いです。
それでいて、大して娯楽がないのでお金は貯まる。


何か始めたいなと思い、
オンラインのイラスト講座を申し込みました。

友人には
「美大出てんだから、絵習う必要ないでしょ🙄!」
なんて言われましたが、そんなこと全然ないんです。

美大を卒業後に絵を習っている友人、実はいます。
わたしももっといろんな絵を描いてみたいし、
自分のこと絵が上手いなんてちっとも思っていない。

人の絵から学ぶことは山ほどある。
自分が使ったことのないタッチや色彩表現。
絵って実は過去に見たものの真似ばかりなんだ。

習っている理由を聞かれてそう答えているうちに、
ふと思い出した人がいます。


故・秋山孝教授。
多摩美術大学グラフィックデザイン学科の教授で、
わたしも大学1,2年の担任をしていただきました。
わたしのことなんか覚えていなかったと思うけど。

この時代に大丈夫かと思うほどの毒舌で、
当時のクラスメイトで彼を忘れた人はいないはず。


わたしたちが1,2年の頃、彼の担当課題は基本的に、
歴史に名を残す天才画家の絵画研究と模倣。

「未熟でセンスもない君たちに画風もクソもない。
 過去の天才の真似から始めなさい。」

秋山教授はいつも言っていました。

「ここにいるほとんどの人は全く才能がなく、
 一部の才ある人を磨くための石に過ぎない。」

いちおう入試倍率12倍だったけど🤪ひどすぎる😂笑

提出された絵を上から上手い順に並べ替え、
「この下段にいる人は美大に入った意味がない。
 大学やめた方がいいですよ。」

「美大の女の子なんて、全員ろくでもない。
 男の子たち、間違っても付き合ったりするな。」

あんた、奥さんも娘も美大じゃないか。


学生の作品でやる気のないものを見ると、
絵を蹴ったり、窓から投げ捨てたりしました。

入学した時にはすでに癌を患っていて、
僕はもうそろそろ死にます、というのが口癖。

当時はとにかく強烈なインパクトだったけれど、
今思うと、どれももっともな言い分なんですよね。
美大を出た後、絵を描き続けている人の割合の低さ。
そして、ネガティブでもなんでもなくわたしは凡才。
真似して練習するしか、上手くなっていく方法はない。


そんな秋山教授の周りには
彼を慕う人が常にたくさんいました。

とんでもない暴言をしれっと吐かれながら、
それでもなんだか嫌いにはなれない。
そんな不思議な魅力のある人でした。
秋山教授の教えはどこかずっと心に残っています。


またいろんな人から絵を教えてもらって、
少しずつ上手になればいいなあ。
いつか再会したら、めちゃくちゃ罵ってもらおう。
「誰だか覚えてないけど、君、まるで才能がないね」
って。


TOPは今日お散歩していて見かけた、
Bakers Knot Bakeryのエクレアを描いてみました。

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