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神秘的な醸造方法

こんにちは。
オーストラリアのワイナリーで働いているフミです🍇


収穫が始まってすぐの頃、
一部のブドウを樽に詰めた話をしました。

黒ぶどうを房ごと密閉容器に入れて、
二酸化炭素気流中に数日置き、
果皮の細胞内で酵素反応を起こす、
マセラシオンカルボニックという醸造法。


どう変化してるんだろう〜
と、気になって気になって👀
鍋でお米を炊いている時の気持ちですよ。

詰めてから20〜30日ほど経ちまして、
ようやくオープン!

しっかりと閉められた栓を引きます
勢いよく果汁が飛び出します
手や長い棒で中身を出していきます
窓が透明の樽
樽の中の様子が見られて便利

すこし甘さが残るものの、
だいぶドライなワインになっています!

そして、香りの良いこと…
凝縮感がありながらもフレッシュなベリーの香り。
バナナのような香りが特徴と習っていたけど、
今の段階では?全然バナナじゃない…🍌


枝付きのブドウなので、
枝を取り、プレスにかけて果汁を取り出したら、
液体だけを樽に詰め直して熟成させます。

除梗・破砕
発酵ほぼ完了、プレス前のぶどう🍇


2014年、ここのワイナリーでは面白い試みを。
フレッシュのブドウを樽に入れ、
そのまま開けることなく300日以上眠らせたのです。

ブドウの房を買ってきて、木の箱に入れて、
300日冷暗所に放置する想像をしてみてください。

傷まないの?!
と思いませんか?

ぶどうが自分自身の持つ酵母で発酵を起こし、
腐敗せずに熟成されていくのですね。


でも、これは、賭けのようなもの。

2014年から2017年まで毎年やってみたものの、
うまくいく年も、
全く売り物にならない年もあったそう。

今では基本的には20〜30日の密閉で、
300日などの長期間樽に保管するという
ハイリスクなことはしていないのですが、

300日経って最高のワインに仕上がっていた時の感動、
きっと堪らないものなのでしょう。


ぶどうの持つ、
不思議なチカラに日々感動します。

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