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ここに来てTHE HIGHLOWSにハマっている

ここに来てTHE HIGHLOWSにハマっている。↑↓がついたりつかなかったり、THEがついたりつかなかったりしている。

ハイロウズといえばヒロトとマーシーがTHE BLUE HEARTSの後に結成したバンドであるが自分は長い間ブルーハーツこそ原点にして頂点でありハイロウズ以降はブルーハーツの紛いものみたいな考え方をしていた。ずいぶんと失礼な話であるがブルーハーツをリアルタイムで知らないどころか解散後5年以上経って生まれた自分にもブルーハーツというのは衝撃的だった。ストレートな歌詞とロックなサウンドは子どもの時にリンダリンダを聞いてから先数十年自分が聞く音楽の方向性を決定づけた。というか「ドブネズミみたいに美しくなりたい 写真には写らない美しさがあるから」という詩とそれを歌うヒロトの声は人の心を掴むには充分すぎた。

そんなこんなでブルーハーツの虜になった自分は以来15年近くブルーハーツを聞き続けた。その道中で当然「青春」や「日曜日よりの使者」と言ったハイロウズの名曲たちと出会っていった。その中で特に刺さったのがYouTubeで見つけた「千年メダル」だった。「永遠に君を愛せなくてもいいか 十字架の前で誓わなくてもいいか」から始まるラブソングはまさにヒロトの世界観で「たとえば君に名前なんてなくっても たとえば君に星座なんてなくっても 思い出す 忘れない 僕はずっと君のこと考えてるところ」という詩は当時そこら中にあった誰が歌うどんなラブソングよりも誠実で純粋で盲目だった。(2個目が星座なんだ、とは思った)

そして時代は流れ自分はCDを集めだすようになった。きっかけは好きなアーティストの曲がiTunesに無かったり、自分の好きな曲を聞くだけでは飽き足らずモノとして所有したいという気持ちが芽生えて来たりしたことだった。意気揚々と向かったタワーレコードで15000円分くらいのアルバムを買い意気揚々と向かったヨドバシカメラで5000円くらいのラジカセを買った。まさかデジタルネイティブ、スマホの申し子世代の自分がラジカセを買うようなことがあるとは。その後半ば疲れた体で向かったブックオフで初めてCDコーナーに足を踏み入れた。

そこでハイロウズのベストアルバム「フラッシュ」と出会った。「良いアルバムがあれば買いたいな」くらいの気持ちで行ったので「ブルーハーツのヒロトくんとマーシーくんがハイロウズってバンドもやっとったみたいやね。どれどれちょっと見させてもらいまひょか」くらいで手に取ったのを覚えている。今思えば「ブックオフでええやろ」「ベスト買っとけばええやろ」感がある。

そして帰路につき、何日か他のCDを楽しんだ後フラッシュを再生した。ここが転機。まさに雷。ハイロウズの曲はなんだかブルーハーツの時よりも攻撃的で剥き出しな感じがした。ロックンロールよろしく攻撃的なメロディーと欲望も弱さもすべてをさらけ出したような歌詞に完全に刺された。少なくとも自分がリアルタイムで関わってきた人に「ミジンコでもクジラでも生きてる奴が気にくわねえ」人はいなかったし自分のことを「早い話がテロリストだ早い話がハイジャックだ」と歌う人はいなかった。そんな曲たちが自分にわかるはずのない当時に思いを馳せさせ、その時代に連れてってくれるような気がした。「罪ならば全部認めるが罰を受けてるヒマはないぜ」とか「ロックがもう死んだんならそりゃあロックの勝手だろ」から伝わってくる彼らのアティチュードに痺れる。

それからはハイロウズの曲を聴き漁る日々。復刻した紙ジャケを集めては世紀末にタイムスリップする日々。次はクロマニヨンズのCDも買いたいなあ。バームクーヘン食べよ。

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