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妹が死んでしまった③

取り乱す私は、もうお母さんと会話が出来なかった。

夫が電話を代わり、
「お母さんは悪くないです」
そう言ってるのが聞こえた。

そのまま夫が話して、電話を切った。

妹と死。

その2つが全く結びつかなかった。
夢みたいだった。

電話を切った後もしばらく、私は泣いていた。

すぐに2番目の兄から電話があった。
兄も泣いていた。
兄は、私より8つも上だ。
こんなに泣いている声を聞くのは、初めてだった。

□□のこと、お母さんに聞いた?
なんで助けてやれなかったんだろう。

兄はそう言っていた。
私は、自分が、なんと応えたのか覚えていない。

でもなぜか、ふと冷静になって、その後の動きについて会話をした。いつ実家に帰るかとか、そういう話をしていた。

このとき、私のお腹には赤ちゃんがいた。
妊娠9ヶ月になっていて、お腹はだいぶ大きかった。

一刻も早く実家に帰りたかった。
でも、自分の状態と赤ちゃんの状態を考えると、安易に行動することは危険かもしれないと、夫が冷静に言った。

ちょうど翌日に妊婦検診が予定されていたので、そこで医師に相談することにした。

兄たちはとりあえず、次の日の早朝には家に帰ることになった。

その夜のことはあまり記憶がない。
たぶん、いつもどおりにお風呂に入って、歯磨きをした。息子は夫が寝かしつけてくれた気がする。

④へ続く。

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