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筋骨隆々のスプリンター【今注目のアスリート】

スポーツを身近に感じられる人は家族がどこそこの野球チームのファンだとか、ママさんバレーをしているだとか、何かしら幼少期にスポーツと出会うきっかけがある人だと思う。

元々体力がなく、おにごっこをするとすぐに右のわき腹が攣り、体をくの字に走ってもすぐタッチされてしまう。同じ学年で運動音痴と言えば右に出るものはいないくらいのポンコツさだったこともあり、

体は動かすものではなく休ませるもの

くらいに考え、スポーツとは縁遠い暮らしをしていた。家族もこれと言ってスポーツには興味がないらしく、ニュースのコーナーも観なければ、オリンピックが開催されていても興味を示すこともない。父もヘルニアを病んでいたからゴルフすらしない。スポーツはわが家とは全く別世界で行われているものなんだなと解釈していた。

それが何を間違ったか元ラガーマンと結婚し、ムスメも陸上部に入部。私の人生にかすりもしなかったスポーツがグッと身近に引き寄せられる。

家にいたら目に留まるラグビーマガジン。選手や監督のインタビューや名鑑を読みふけり、人柄や趣味、尊敬する人などから為人を想像しインプット。親戚のおばちゃんのような思いで試合を見つめる。凶暴なタックルでケガをして途中退場した時は、タックル相手のことを調べ上げる。だからといって故意にしているわけではないことも分かっているけれど、調べでもしなければ気が済まない。おばちゃん、泣きたくなっちゃうもん。

陸上も苦悶の表情を浮かべながら走るランナーや給水に失敗し脱水症状を起こしても走り続ける選手に肩入れし、涙と共に応援する駅伝。

短距離はゴール近くでそっと背中を押されるように加速する選手を見て、あの瞬間に何か別の意識が働いているんじゃないか、なんてことを想像する。

私の場合、恐らくスポーツを競技としてではなく、人間臭さやドラマのようにとらえている。

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今週末はムスメの試合が予定されていた。金曜日は部活もなく休養日。

その日、飛び込んできた陸上の大きなニュース。

男子100メートル決勝で2位になったのは、まだ名も知らなかった選手。

東海大4年 デーデー・ブルーノさん

彼もまたゴール直前でふわりと速度を上げ、2位の座を手にした。

オリンピック(五輪)参加標準記録(10秒05)に達していないため、現時点で東京五輪の出場資格はない。

彼の体は筋骨隆々。ちょっぴり格闘家のような体つきは、私が目にしている細身の筋肉質なイメージのスプリンターとはかけ離れている。

彼が陸上を始めたのは高校2年の時。それまではサッカー部に所属していた。陸上に転身してまだ6年、これからの伸びしろは未知数。

男子400メートルリレーにデーデーが代表入りする可能性もあるらしい。

名前も私の好きなミッフィーちゃんの生みの親、ディック・ブルーナさんと似ていて覚えやすい。

大学4年ともなれば今後を考え競技引退を考える選手も多い時期に、スプリンターの未来が大きく開かれた。

花開く場所を見つけた彼の今後に注目したい。


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せっかく今年は復活しますと宣言までして戻ってきたはずだったのに、正直言ってテーマについて悩みすぎて、すっかり書けなくなっていました。今週のテーマもなかなか難しいかなと思っていたところにこのニュースが飛び込んできたので、久々に新鮮な気持ちで書いてみました。

書くンジャーズ日曜日担当のふむふむでした。

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