【連続note小説】日向食堂 小日向真司16歳
公立高校に合格した真司は、晴れて高校生になった。
野球はしたかったが、文枝に気兼ねして部活には入らなかった。
少しでも学費の足しにしようと、新聞配達のアルバイトをした。だから友達と遊びに行くようなことはなかった。
真司は気のいい性格だったから友達は多かった。
「真司、たまには遊びに行こうぜ」
ある冬のこと、同じクラスの友達にスケートに誘われた。
文枝にそのことを打ち明けると、文枝はなけなしの財布から小遣いをくれた。
真司はクラスの友達と出掛けることになった。
みすぼらしい服