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スカウトはヘッドハンティング?No!ただのビラ配りです。

どうも覆面です。今日はスカウトについてです。
リクナビネクストやマイナビなどの転職サイトや、LinkedIn、WantedlyなどのSNSに登録していると「スカウト」が来ると思います。
一般に「スカウト」と聞くと芸能人のスカウトをイメージしてしまう人が多いようで、「やった!スカウトが来た!」「ここからスカウトが来たってことは私にもチャンスがあるってこと?私も捨てたもんじゃないじゃん!」と思ってしまいますよね。
…えぇ何を隠そう私自身が転職活動をしている時にそう思って浮かれてました。。
でも残念、「スカウトはただのポスティング、ビラ配りと同じレベルのもの」です。
ほとんどがテンプレで、登録内容は何も見られていません。ただの「文言一致」です。
企業マッチングも今では7割がRPAによる文言一致で自動判定していると言われますし、スカウト自体も「ただのノルマ消化」だったりもします。
自らが複数回の転職経験を持ち、エージェント経験、人事経験も持つ覆面だからこそ分かるスカウトの裏事情について今回は追っていきます。

(1)スカウトの種類


スカウトには2種類あります。
A.人材紹介会社(転職エージェント)が打つもの
B.企業担当が直接打つもの
です。
皆さんが先述の転職サイトやSNSなどに登録すると「○○株式会社の△△です」というスカウトが来ると思いますが、この「○○株式会社」が人材紹介社か企業担当そのものから来ているかはサイト次第です。
さらに
・転職エージェント専用のサイト
・企業からの直接スカウトしか許可してないサイト
・転職エージェントと企業両方が打つことを許可しているサイト
の3種類が存在します。
この一覧などはまた別途記事でまとめたいと思いますが、「あ、エージェントからと企業別の場合があるのね」ということだけを今回はまず押さえて頂ければと思います。

(2)そもそもスカウトはなぜ打つの?


スカウトを打つ理由は「良い人に会いたいから」という理由につきますが、

A. 人材紹介会社がスカウトを打つ理由
B.企業担当がスカウトを打つ理由
でそれぞれ思惑は異なります。

A.人材紹介会社がスカウトを打つ理由


そもそもの話なんですがエージェントは「面談をしなければ企業に紹介が出来ない」という定められた絶対のルールがあります。
それはそうですよね。前回の記事「転職エージェントはどうやってお金を得ているのか?」でも書きましたが、エージェントは良い人を紹介して入社してくれて初めて企業からお金をもらうビジネスなわけですから、会ってもいない人を紹介しちゃいけません。
会ってみて「この人はここがマッチする」と判断の上で紹介してくれなければ、企業にとってもエージェントを介する意味がありません。
さて、ではどうやって転職希望者、候補者を募っているかというと、自社のサイトに登録してもらうか、スカウトをして返信をもらうかぐらいしか方法が無いわけです。
大手エージェント(リクナビやマイナビなど)であれば自社サイトに登録してくれるため転職相談者数には困らないかもしれませんが、そうではないエージェント(ほとんどのエージェント)は必死にスカウトを打つしかないわけです。

そしてこのスカウトですが「ノルマ」を設けているエージェントが多いです。
「毎日100通」や「月で1000件」などです。
さらに「スカウト担当」としてスカウトだけを打つ人を設けているエージェントがほとんどです。
このスカウト担当も立派な仕事なわけですから、その評価軸やKPIとしては
・何件打ったか
・何件返事をもらったか
・何件面談に繋がったか
・最終的に決定した人は何件か
…etc
など細かく分かれているわけです。
ここまでで想像が付くでしょうか。
そもそも打たなければいけないノルマがあり、何件打ったかが評価の1つになっているのであれば、あなたがスカウト担当ならとりあえず数を打つ、「数こそ正義!」とならないでしょうか。
どんな人であれ返事をもらえれば評価されるとしたら、「どんな人かは見てないけどとりあえず打っちゃえ!」とならないでしょうか。

だからこそ、転職希望者目線では「ビラ配りと同じレベルのスカウト」が散見してしまうわけです。
1個ずつ経歴を読み込んでオリジナルのスカウトを打つ、なんてことをしている余裕はスカウト担当には無いわけです。
これがエージェントからのスカウトの裏事情です。

ちなみにエージェントのスカウトの平均返信率は「1%未満」と言われています。
まさに「ビラ配り」と同じレベルですね。

とはいえ良い点だってあります。
エージェントからのスカウトの場合「このあたりの企業が合ってそう」ということでスカウトを(一応)してくれているため、企業の比較が出来ます。
1社だけに捉われず複数企業を受けられるのは良い点ですし、自身のキャリア相談が出来る所もメリットですね。
(…そのエージェントが契約している企業しか紹介されないというデメリットは一旦置いておきます)

B.企業担当がスカウトを打つ理由


次に企業が直接スカウトを打つ理由ですが、これも単純な話で、エージェントからの紹介だと入社が決まった時にお金を払わなければいけないためです。
自分で打って直接受けてくれればお金を払わなくていいじゃん!という考えからいわゆる「ダイレクトスカウト」「ダイレクトリクルーティング」が流行っているわけです。
企業からのスカウトの場合には、自社の求めている要件に合致しているかを「自社のみの視点」で見ているためエージェントからのスカウトよりも合致度は少し高いです。
返信率としても高い所では「20%」を謳う企業もあります。

ただ、企業のスカウトも「スカウト担当」が確実に存在します。
企業によっては現場の課長や部長が直で打つ場合もありますが、多くの企業の場合には「人事の中のスカウト担当」が、それこそエージェントと同じように右から左に打ちまくっている場合があります。
これもエージェントと同じく、「企業スカウト担当も立派な仕事」なわけですから、打った数や返信数なども立派な評価の一つ、ノルマになりますよね。
スカウトが来た転職希望者としては「この企業に受かる可能性があるの?!」ということで返信したくなる気持ちはわかりますが、実際のスカウト担当としては「しまった、この人全然うちに合っていないじゃん…」と思う人から返信が来てしまうこともあります。(ごめんなさいスカウト経験者としても何度かありました。。。)
※返信が来た限りは面接をしなければいけないという「ルール」が存在します。

とはいえ少しは可能性があるから送ってくれている場合が多いため、基本的には「書類選考は通過」と考えても差し支えは無いです。
でもそれだけです。
もし面接で自社に合わないとなれば「ポイ捨て、はい次」となるのがダイレクトスカウトの怖さでもあります。

(3) スカウトとの付き合い方


「どのスカウトもダメじゃん!」と思われてしまったかもしれませんが、エージェントからでも企業からでも、「素晴らしいスカウトが来る」ことも本当に稀にあります。
私も人生で1回だけ「このエージェントは自分のことをしっかり分かってくれているな」というスカウトを受け取ったことがありますし、実際そのエージェントと一緒に転職活動をしました。
企業からも同じく一度だけ「あ、この企業で働きたい」と思うスカウトをもらったことがあり、同じくその企業に転職をしました。
・転職希望者にとって「良いスカウトをもらう方法」
・逆に企業にとって「良いスカウトを書く方法」
の詳細などはまた別途書きたいと思いますが、いずれにしても今回の結論としては「スカウトという言葉に惑わされてはいけない」「こういう事情でスカウトは打たれている」という裏事情をしっかり理解して、スカウトとうまく付き合って頂きたいということです。
裏事情を知らないと、ビラ配りに騙されてしまいかねないですからね。

今回書けなかったことなどもまた別途発信して行ければと思いますので、よろしければ「スキ」やフォローを頂けると嬉しいです。覆面でした。

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