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2019読書録

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読んだ本すべてなにかしらの文字列をつづってインターネットの海に放流したいです。
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記事一覧

2019年読んだ本

2019年に読んだ本をリスト化してみました。仕事で流し読みした本は含まず。プライベート本。 2020年も読んでいきたみです 読んだ本の数:75冊 読んだページ数:22995ページ ■リズムから考えるJ-POP史読了日:12月31日 著者:imdkm https://bookmeter.com/books/14383142 ■NEXT GENERATION GOVERNMENT 次世代ガバメント 小さくて大きい政府のつくり方 (日経MOOK)「大きな政府」から「小さな政府

情報へのアクセシビリティ─『貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える』

貧困研究は、ここまで進んだ! 食糧、医療、教育、家族、マイクロ融資、貯蓄…… 世界の貧困問題をサイエンスする新・経済学。 W・イースタリーやJ・サックスらの図式的な見方(市場 vs 政府)を越えて、 ランダム化対照試行(RCT)といわれる、精緻なフィールド実験が、 丹念に解決策を明らかにしていきます。 *** 貧困がなぜ存在し続けてるのか、脱出する方法はあるのか。そんな問題をさまざまな研究データと実験で分析していく本書。 分析の対象となるのはいわゆるインドやインドネシア

アナザー近代建築史─歴史の建設 アメリカ近代建築論壇とラスキン受容

19世紀から20世紀前半のアメリカ建築界がみせた「ジョン・ラスキン」という問題への異常な執着とは何か.アメリカ建築の出自と伝統を問う熾烈な派闘争のなか,ラスキンの思想がどのように参照され,批判され,忘却され,評価されたのかを綿密に追跡することを通して,近代建築史成立の根幹を描き出した画期的論考. *** 『建築の七燈』や『ヴェネツィアの石』などを著した建築理論家ジョン・ラスキン。 本書の特徴はラスキン自体ではなく,19世紀から20世紀前半のアメリカの建築界のラスキン「受容

先人の知恵─この世界が消えたあとの 科学文明のつくりかた

文明が滅びたあと、あなたはどのように生き残るのか?穀物の栽培や紡績、製鉄、発電、印刷、電気通信など、人類が蓄積してきた厖大な知識をどのように再構築し、文明を再建するのか?日々の生活を取り巻くさまざまな科学技術と、その発達の歴史について知り、「科学とは何か?」を考える、世界一五カ国で刊行の大ベストセラー! *** 漫画『Dr.STONE』のレファレンスのひとつ。 一瞬にして世界中すべての人間が石と化す、謎の現象に巻き込まれた高校生の大樹。数千年後――。目覚めた大樹とその友

意識とは、方向を把握する機能である─『先をゆくもの達』

火星の古いコロニー、ラムスタービル。ビルマスターのナミブ・コマチは、地球人が残していった“全地球情報機械”を探索するのが生き甲斐だった。 そんなある日コマチは、火星人の寿命九十歳を拒否して「死ぬまで生きたい」と言う祖母アユル・ナディに共感している自分に戸惑う。 子孫を残すこと―自らの性欲を自覚したコマチは、火星で初めての男児ハンゼ・アーナクを産み落とす。 それは、火星と地球をめぐる“わたし”と“いま”の相克のはじまりだった― *** 久しぶりに神林長平氏の本を読んだ。 『

私達の意思はどこにあるのか?─『マインド・コントロール』

なぜ、あなたは、だまされやすいのか? いまの時代、マインド・コントロールは、テロリストのような見るからに危険そうな集団の専売特許ではなく、親切な顔をして、いつのまにか懐に入り込んでくる。カルト集団やブラック企業のみならず、あらゆる組織が、この技術を援用している現代、氾濫する情報の海に呑みこまれないためにはどうすればいいのか。 *** マインド・コントロールには、二つの側面がある。 まず著者はそう語る。 ひとつは分かりやすく、「洗脳」と一般的には呼ばれる操作だ。独裁政治や全

「SFへの限りない憧憬」─『なめらかな世界と、その敵』

複数の並行世界をめぐる少女たちの青春を描く表題作のほか、伊藤計劃作品にトリビュートを捧げた恋愛小説「美亜羽へ贈る拳銃」、ソ連製の人工知能を描く改変歴史「シンギュラリティ・ソヴィエト」、現代の修学旅行生が未曽有の災害に巻き込まれる書き下ろし「ひかりより速く、ゆるやかに」など、2010年代を代表する傑作SF小説・全6篇! *** ただいま話題沸騰中の本書ですが,ちょっと前に読んだ雑感. 膨大なSF過去作品のレファレンスがあるらしいのですが,すべてに絶望しきった大学院生の頃にS

「自然」とは何か?─『「自然」という幻想:多自然ガーデニングによる新しい自然保護』

自然を「元来の姿」に戻そうとしてきた自然保護活動。 外来種を徹底的に駆除、手つかずの自然から人間を遠ざけ、人工物を撤去……。 しかし、それで本当に、地球の自然が守れるのか? 著者は「手つかずの自然こそ至高、自然を元の姿に戻すべき」というこの価値観が、じつはアメリカでつくり出された「カルト」であり、科学的にも、費用対効果からも、実現不可能な幻想であると、世界各地の実例から示していく。 自然を「かくあるべし」と限定してきた過去の自然保護のあり方を批判し、自然をもっと多面的なもの

「関係性」について─『アステリズムに花束を 百合SFアンソロジー』

百合―女性間の関係性を扱った創作ジャンル。創刊以来初の3刷となったSFマガジン百合特集の宮澤伊織・森田季節・草野原々・伴名練・今井哲也による掲載作に加え、“ソ連百合”として話題の南木義隆「月と怪物」、新鋭女性作家の共作「海の双翼」、『元年春之祭』の陸秋槎が挑む言語SF「色のない緑」、そして『天冥の標』を完結させた小川一水が描く新作宇宙SFの全9作を収める、世界初の百合SFアンソロジー。 *** なにやら「百合SF」というジャンルがはやっていて、SFマガジンでは「百合特集」

ソーシャル・オーガニズム─『謎床』『ソーシャルメディアの生態系』

情報はどう育まれ、多様な変化をおこしていけるのか?ITと編集力が融合すると何が生まれるか?日本文化にはどのような「謎を生み育てる床」があったのか?連想と発想の応酬から切り開かれる、「ジャパン・プロセス」をめぐる極究のヒント集。 デジタルアーキテクチャの未来。誰も描けなかったGAFA後のビッグピクチャー。人類の生存戦略はすべて書き換えられる。SNS“遺伝子”による衝撃の「新・進化論」 *** ソーシャルメディアの憂鬱/いつから、こんなに、狭くなったか令和に入ってからという

2019上半期 読書記録

schappeさんのエントリ読んで「あーもう7月かぁ,早いなぁ」と共にここでなんの本買ったか一旦まとめておくのありだなと思ったので,買った本とか読んだ本とか書く. 2019年は読んだ本全部読書録書くっぞ!とか意気込んでたけど,結局全然できてないのが現状.頑張れ俺. 女子高生、リフトオフ! 女子高生の森田ゆかりは、16年前ハネムーン先で失踪した父親の消息を求めて、ソロモン諸島・アクシオ島を訪れた。そこで出会った「ソロモン宇宙協会」の所長、那須田と名乗る男は、父親捜しを手伝うか

都市を味わい尽くす─『MOMENT1:-able City』

MOMENTはあらゆる地域・分野を横断しながら、新しい都市のあり方を探索する人たちのためのトランスローカルマガジンです。 *** シンク・アンド・ドゥ・タンク「Re:public」が新しくスタートしたローカルマガジン「MOMENT」を読んだので,軽く雑感を. 「トランスローカル」MOMENTの目指すところは新しい「都市」のあり方を目指す,ことであるらしい. 創刊にあたって寄せられた文章によると,インターネットやウェブによって世界の距離が縮まった一方,新たなクローズド

「想像力」を鍛える─建築ジャーナル2019年5月号「建築+情報技術=?」

情報通信技術の進歩は目覚ましく、私たちの生活は今やそれらに頼り切っている。建築設計の現場でも手描きからCADそしてBIMへとツールは進化、拡大し、今後ますます情報技術を扱う場面が増えていくだろう。しかし、新しいものへの拒否反応か、情報技術のために失われる「何か」への恐れのためか、いまだ建築界の情報技術への抵抗感は強い。 一度手にしてしまった技術は捨てられないし、情報化の流れは止まらない。手にしたこの技術を、どう使えば社会の幸福につながるのか、リアルな人間のありようを常に考えて

いったいどうなってんの!?─『WTF経済 絶望または驚異の未来と我々の選択』

人工知能、自動運転、オンデマンドサービス、ギグエコノミー、補助拡張された労働者など、最先端のテクノロジーがもたらす予想もできなかった事物によって、ビジネス、政治、そして「職」はどう変わっていくのか、また、人間中心の未来を作っていくために、我々はどんな選択をするべきなのか。出版、カンファレンス事業で、テクノロジーのトレンドを先取りし、「シリコンバレーの予言者」と称される著者が、オープンソース・ソフトウェアを中心にしたテクノロジーの歴史と、それが社会に与えてきた大きな影響を振り返