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大規模災害で共助はできるのか

能登半島地震の発生から一ヶ月という時期に、朝日新聞が石川県を除く46都道府県知事に対して行ったアンケート結果によれば、全体の7割を超す知事が、幹線道路の寸断などで物資輸送や救助活動が妨げられた今回の地震と、同様の事態が起こり得ると回答しています。近隣住民で助け合う「共助」の仕組みが困難になっているとの認識はおよそ9割にも上りました。

1995年1月17日に発生した阪神淡路大震災では、倒壊した家屋の下敷きになりながらも助かった方、救助された方が、「誰に救助されたか」という調査データがありますが、7割弱が家族も含む「自助」、3割が隣人等の「共助」によって救出されており、「公助」である救助隊による救出は数パーセントに過ぎなかったとされています。(平成30年版『防災白書』より)

この調査結果に照らせば、近隣住民の共助の仕組みが困難になっているかという問いに、「そう思う」「ややそう思う」を含め46人のうち実に41人の都道府県知事が回答していることは、高齢化や過疎化とあわせ、地域の地縁が薄くなっていることを映し出した結果と受け止められます。共助に含まれる初期消火や避難誘導での担い手が、今後も減っていくことに知事は懸念を抱いています。

防災減災に向けて、「人口減少対策や安全安心なまちづくりに対し、国の公的支援が必要」(静岡)との声があるとおり、政府に公的支援や財政措置の拡充を求める声があります。その一方、自治体ができることとして、地域防災計画の策定を自治会で進めてもらうよう働きかけること、避難所の運営は住民が主体となりますのでその機運醸成に努めるなどがあります。

気候変動によって河川氾濫の危険性もあることから、吉見町では地震だけでなく水害への備えが欠かせません。いざという時、報道機関や町からの避難呼びかけをどのようにして確認するか、水や食料と燃料をどこへどれだけ備蓄しておくか、家族の安否確認の方法をあらかじめ確かめておくなど、町民の皆様にも日頃の備えを是非お願いいたします。そして、時間に余裕をもったひとりひとりの行動の積み重ねが地域の共助につながります。2月29日から始まります吉見町3月議会で、わたしはこの災害時の共助について、行政の認識を尋ねる予定です。

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