医療法人七ふく会 ふくいクリニック 七ふくハートクリニック

一般内科、循環器内科、腎臓内科、心臓リハビリ、脳神経外科、泌尿器科など幅広い分野と高い…

医療法人七ふく会 ふくいクリニック 七ふくハートクリニック

一般内科、循環器内科、腎臓内科、心臓リハビリ、脳神経外科、泌尿器科など幅広い分野と高い専門性で地域の総合診療所を目指します。 https://www.fukui-cl.com/ https://shichifukuheart-cl.com/

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運動療法のできる透析クリニック

ふくいクリニックは2013年に大阪府門真市五月田町にオープンしました。 そこから約10年、地域の総合診療所としての役割を果たすべく、日々研鑽を積んでまいりました。 2022年7月1日に大阪府門真市速見町に移転し、MRI、CT設備、100㎡を超える運動療法室など充実した環境を整えております。 五月田町の『七ふくハートクリニック』では、内科、循環器内科、腎臓内科、人工透析を中心に診療を行っております。 高齢化と共に健康寿命への興味関心が高まっています。 死ぬまで自分の足で

    • 身近な分子栄養学

      当院は健康長寿を目標としたアプローチとして、運動と食事(栄養)を特に大切にしています。 運動では理学療法士、健康運動指導士による心臓リハビリとメディカルフィットネス、食事ではサプリメントの使用や管理栄養士による栄養指導などを行っております。 人間の体はさまざまな栄養素から構成されており、細かい細胞や分子レベルで機能しています。 その細かい細胞を栄養素により効果的に機能させていく学問が分子栄養学です。 分子栄養学は、食べ物が私たちの体にどのように影響を与えるかを分子レベ

      • 認知症との共生

        5月8日に厚生労働省が『2040年には高齢者のうち、およそ3人に1人が認知症か前段階の軽度認知障害になる』と公表しました。 軽度認知障害(MCI)とは、記憶力の低下などの症状があっても、家事や買い物などの日常生活では支障が出ていない状態であり、認知症に移行していく可能性が高い状態ともいえます。もちろん認知症にも種類があるため、進行や症状は人によって異なりますが、日常生活に介助が必要かそうではないかはとても重要なラインです。軽度認知障害の段階でなんらかの介入ができれば、認知症

        • 活性酸素と生活習慣病

          活性酸素という言葉を聞いたことがあるでしょうか。 なんとなくあまりいいのもではないというイメージがあるかもしれません。 活性酸素は、人間が生きている上では必ず発生するものであり、エネルギーを作り出した後の残りかすのようなものです。 活性酸素は免疫機能や細胞が新しくなる際に必要な物質です。 しかし、この活性酸素が体の中で過剰に増え、細胞の中に入ると、DNAやタンパク質、そして細胞膜など、大事な部分を傷つけることがあります。それが積み重なると、細胞や組織がダメージを受けて

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        • 生活習慣病(高血圧)
          1本
        • 生活習慣病(糖尿病)
          1本
        • 生活習慣病(脂質異常症)
          1本
        • 栄養
          25本
        • 認知症
          6本
        • ストレッチ・トレーニング
          5本

        記事

          運動療法機器について

          当院のリハビリテーション室では心臓リハビリテーション、メディカルフィットネス等運動療法を中心に行っています。 運動療法では有酸素運動を行う機械として、自転車エルゴメーターやトレッドミルなどがあります。 レジスタンストレーニング(筋力トレーニング)や柔軟性を高めるストレッチマシンも導入しております。 これらの機械を活用して、利用者の方の運動療法を実施していますが、中にはこれらの運動器具を使うことが出来ない方もおられます。 そこで新たに2台の運動機器を導入しました。 こ

          外来リハビリの役割

          日本における心臓リハビリテーションの普及実態に関する研究(2010年~2017年)によると、 『入院での心臓リハビリテーションへの参加率は 18.3%(2010)から 39.0%(2017)に増加したが、外来心臓リハビリテーションへの参加率は 1.4%(2010)から 2.5%(2017)と低水準にとどまっ ている。さらに入院心臓リハビリテーション参加者の約 95%が退院後の外来心臓リハビリテーションの継続をしていなかった』という報告があります。 心疾患においては、入院中の

          正しく理解して予防しよう(高血圧・塩分)

          『高血圧は塩分摂取が原因である』『塩分を摂り過ぎると血圧が上がる』という関係は、一般の方々にとっても馴染みあるものと思います。 会社の健康診断などで血圧が高いと言われた方は特に意識するのではないでしょうか。 塩分摂取量が高いと血圧が上昇しやすくなると言われている要因は、塩分が体内の水分量や血管の中の血液量を増やすことで血圧が上がるとされているためです。 このような血圧と塩分の関係があるからこそ、減塩や塩分制限という言葉が多く聞かれるきっかけとなっています。 しかし単に

          正しく理解して予防しよう(脂質異常症・コレステロール)

          職場の健診などの採血項目でコレステロールや中性脂肪などはよく目にすると思います。 一般的にHDLコレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪の3つを診て判断することが多いです。 『コレステロールや中性脂肪が高いから食事に気を付けましょう』 『しっかり運動や減量をして合併症を予防しましょう』と言われた方も多いかもしれません。 今回はこれらの脂質に関して、正しく理解できるようにまとめていきたいと思います。 まず脂質異常症についてです。 脂質異常症は、血液中の脂質(主に

          正しく理解して予防しよう(脂質異常症・コレステロール)

          正しく理解して予防しよう(糖尿病)

          生活習慣病の中でも、最も合併症が多く注意が必要なのが糖尿病です。 糖尿病は心血管疾患、腎臓疾患、神経障害、失明などの合併症を引き起こし、健康に深刻な影響を及ぼす可能性があります。 これらの合併症を引き起こすと生活の質が低下し、病気によってはさまざまな制限や医療的ケアが必要になることがあります。 また投薬などによる医療費の負担があり、経済的負担が増大する可能性もあります。 このような状態にならないためにも、糖尿病を早期に発見し、適切に対応していくことが重要となります。

          認知症予防の秘訣と新たなアプローチ

          「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」の推計では、65歳以上の認知症患者数は2020年に約602万人、2025年には約675万人(有病率18.5%)と5.4人に1人程度が認知症になると予測されています。 また厚生労働省は認知症患者のおよそ67%がアルツハイマー型認知症と推定しています。 『H25.5 都市部における認知症有病率と認知症の生活機能障害への対応』 脳血管性認知症はラクナ梗塞と言われる小さな脳梗塞が多発することで発症することが多いです。脳梗塞が

          運動の効果を高めるための検査

          健康ブームということもあり、ランニングやフィットネスクラブに通っておられる方が多くなってきました。 当院での心臓リハビリテーションやメディカルフィットネスとして運動療法を提供していますが、運動の効果や必要性はゆるぎないものがあり、どの世代においても取り入れるべきだと考えられます。 運動の効果を高めるためには、正しいトレーニングメニューを実施する必要があります。 正しいトレーニングとは、適切な運動の種類、強度、頻度、回数、時間などを個別に設定していくことです。 特に体力

          転ばぬ先の

          以前介護が必要になる原因やその予防について書きました。 2022年に厚生労働省が発表したデータでは2019年から大きく変化してはいませんが、やはり認知症、脳血管障害、転倒骨折というものが上位にあります。 理学療法士として気になるものは3位にある『骨折・転倒』です。 理由としては認知症、脳血管障害、高齢による衰弱、関節疾患、パーキンソン病など上位にあるものほとんどに関連するからです。 認知症による転倒、脳血管障害により麻痺などの後遺症があり転倒、高齢により体力が低下するこ

          高齢になっても元気に過ごせる秘訣

          高齢になると、さまざまな身体の不調が出たり、病気にかかりやすくなったり、体力が低下して、今まで出来ていたことが出来なくなるなど、マイナスな側面が多くなってしまいます。 特に身体機能面では車の免許を返納するなどして、行動範囲が狭くなる場合や、自転車に乗れなくなり、買い物や行きたい場所に行けなくなるなど、生活や行動の変化が起こりやすい年代でもあります。 そのようなマイナス面の意識が強くなりがちな部分を少しでもプラスにできるように、元気な高齢者の特徴をヒントに色々なアイデアや生

          冬の健康と栄養

          冬は寒さにより運動不足になったり、感染症の流行など、免疫力の低下や活動性の低下が起こりやすくなる季節でもあります。 今回は冬の季節、特に不足しがちな栄養について勉強していきたいと思います。 まず一番に不足しやすい栄養素はビタミンDです。 冬の期間は日照時間が短くなるため、皮膚におけるビタミンD産生が不足しやすくなります。ビタミンDはカルシウムの吸収を助けるだけでなく、免疫機能をサポートし、心臓や筋肉の健康を保つのにも重要です。 ビタミンDを摂取するためには、魚(サーモン、

          細胞の健康とビタミンE

          前回抗酸化アプローチについて勉強しました。 その中で少し触れたビタミンEについてもう少し詳しく勉強していきたいと思います。 まずはビタミンEについて簡単に解説していきます。 ビタミンEは、脂溶性の抗酸化ビタミンであり、体内で生成できないため食物から摂取する必要があります。トコフェロールやトコトリエノールと呼ばれる一群の化合物を指し、それぞれにα、β、γ、δなどの異なる形態が存在します。α-トコフェロールが最も一般的ですが、これらを総称してビタミンEと呼ばれています。 ビ

          生活習慣病の強い味方、抗酸化アプローチ

          生活習慣病は動脈硬化や脳卒中、心臓病、腎臓病などの発症に関与しており、生活習慣病を予防することがこれらの予防にも繋がります。 生活習慣病の改善には栄養アプローチが必須です。 シニア世代だけではなく、近年では若年層でも生活習慣病の発症が増加しており全世代において注意が必要です。 今回はそのような事柄の中から『抗酸化アプローチ』について勉強していきます。 抗酸化物質というとどのようなイメージがあるでしょうか。 そのまま読むと酸化に抗するので、酸化という状態があまり良くな