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NFT[遠い幻影シリーズ]#04「時間の花」〜ミヒャエル・エンデのモモを読んで〜

 こんにちは、深名えじです。
 この記事にたどり着いてくださり、ありがとうございます。

 私は現在NFTコレクション「遠い幻影」シリーズを運営しています。好きなものは中国思想や漢詩、禅や日本の和柄、古典文学など、とにかく東洋文化です!(でも結局は面白ければ何でもありです)

このnoteでは、NFTコレクション「遠い幻影」シリーズの作品を紹介していきます!

https://opensea.io/collection/farillusion


では早速# 04 時間の花の作品について語っていきます。

# 04 「時間の花」


これは、ミヒャエル・エンデ「モモ」の読書感想文ならぬ読書感想画

皆さんは、ミヒャエル・エンデの「モモ」をご存知でしょうか。(ここからは「モモ」のネタバレ含みます。悪しからず。)


 「モモ」は、どこからともなく現れた少女モモが、人間から時間を奪い取る「灰色の男たち」と戦い、人間たちは自分の時間を取り戻していくというお話でした。

 時間とは、人生で本当に大切にすべきものとは、一体何なのか、考えさせられる、心温まる傑作ですよね。

 特に私は、ジジとモモが夜空の下で肩を組んで物語を語り合い、いつまでも月を眺めるという場面が好きです。人生でそういう、永遠に続きそうだけど一瞬で終わったような気がしてしまう時間を増やしていけたらなとつくづく思います🌕

 そして!今回絵を描きたいと思った場面は、最後のシーンでした。
 それは、モモが勇気ある行動により、人間から奪った時間をしまってある貯蔵庫から、時間の花を開放する場面です。

 そうなんです、これは時間の花なんです。それは普段人間たちが心の奥底にしまっているもので、無惨なことに、それを灰色の男たちが奪っていくんです。そうすることで、人間たちは、時間を貯めなきゃ!と言ってどんどんせっかちになっていきます。
 そこでモモがみんなを助ける旅に出ました。
 私が描いたのは、その旅が終わった場面なんです。

 そこの描写がとっても好きです。

 花の嵐が言いようもなくはげしさをまして、モモまで花になったようにその風にのってうかびあがり、くらい地下道をぬけて地上へ、そこからさらに大都会のほうへと、空をはこばれていったのです。ますますひろがってゆく大きな花の雲につつまれて、家々の屋根をこえ、塔をこえてとんでゆきました。それはすばらしい音楽にのった心はずむおどりのようでした。モモのからだは上へ上へとふわふわただよい、くるりくるりと回転しました。
 やがて花の雲はゆっくりと空をおり、花々は静止した世界に雪のように舞い降りました。そしてまさしく雪のように、しずかにとけて消えました。ほんとうの居場所にかえったのです——人間の心のなかに。
 その瞬間に、時間はふたたびよみがえり、あらゆるものがまた動きだしました。

ミヒャエル・エンデ「モモ」岩波少年文庫, 2010, 391頁

 これを読んだ時に浮かんできたのが、この作品で描いた情景でした。
 だから、花々が空を飛んでいるんです。この絵を見ていると、まるで結婚式に鳴り響く鐘のような、祝福の鐘の音が聴こえてきます🔔

込めた想い〜数字で評価されない時間を大切にしたい〜

 描きながら一番意識したのは、自由への祝福です。

 前述のシーンで人間たちは、時間という数字から解放されたのだなと思います。本物の時間は数字では表せないところに存在すると私は思っています。楽しい愛のある時間は一瞬で過ぎ去ってしまうけれど、その最中はまるで永遠かのような気分を味わいます。
 つまり、私からすれば時間とは感情のことなのです。それは、時計が生む何か絶対的な時間のことではなく、心が生み出す時間のことです。

 灰色の男たちに時間を奪われ、節約のことばかり考えせせこましく生きるようになってしまった人間たちは、きっと時間の余裕を失ってしまい、同時に心の余裕も奪われてしまったのだと思います。
 だから、人に対する思いやりも失ってしまったんです。作中で、大人に相手にされず、段々寂しそうになっていく子供達の姿が本当に切ないし、羽振りのいいお客を入れるために常連を追い出す大人の姿が本当に悲しいです。もったいないです。

 まとめると、時間とは、愛そのものなのだなと思います。

 だから、私は日々の中で数字では評価できない時間を大切に生きていきたいと思います。囚われのない、生命が輝き放たれる、そんな時間を祝福したいです。
 忙しい日々の中で、毎日どれだけ寝食忘れて没頭する時間を持てるか。それだけは私が守り抜きたいものです。
 そういうやり方で、愛を人類全体で増やせていけたらと思います。

最後に

 最後までお読みくださりありがとうございました。
 ちなみに、ミヒャエル・エンデは日本が大好きで数年間京都に住んでいたこともあるそうですよ!「はてしない物語」を読むと東洋文化の影響を受けているのが伝わってきます🛕
 
 では次回の作品紹介でまたお会いしましょう〜🎈
 

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