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【JAL機衝突】米報道で浮上する日本政府4つの隠ぺい工作

2024/01/04

https://www.youtube.com/watch?v=qaVtYrL2fCo&t=1337s

海保の宮本元気機長が、業務上過失致死に問われる形で、警察の捜査が進んでいる。

空港業務は基本的にヒューマンエラーを防ぐために、空港全体でレーダーシステム、管制塔などがシステマティックにヒューマンエラーを防ぐ。その中でなぜ海保機が滑走路に侵入してしまったのかを、しっかり捜査する前に、宮本機長が業務上過失致死の疑いで捜査されている。

国交省や日本政府は、重傷の火傷を負っている、もしかしたら助からないかもしれない状態の人にすべての罪を着せて、さっさと幕引きをしようとしているのではないのか。

管制塔とのやり取りを公開して、JALに着陸の承認を与え、海保機にはホールディングポイントで待てと指示を出したのに、滑走路に入った機長が悪いということで幕引きをしようとしている。

国土交通省と東京空港事務所は、羽田空港に関する飛行場管制業務のほか、侵入ターミナルレーダー管制業務を実施しているので、管制塔やレーダーがきちんと機能していたかを調査しないといけない。

岸田首相や国土交通大臣が、口に出してJALや海保の機長が悪いとは言わないが、何となくメディアにリークしていると感じた。

今回の国交省の動き、そして報道に幾つかの怪しいポイントがある。アメリカと日本での報道を比較すると、確実に日本のメディアでは隠されているポイントがある。国交省、日本政府は国民に対して情報を隠蔽して、自分たちの過失を隠して幕引きを図ろうとしている。

第一に、管制塔が海保機を滑走路の停止位置に誘導して、海保機は誤って滑走路に侵入するが、そのやり取りから衝突までの約2分間、管制塔は戻れと指示を出さないといけなかったが、何も言わなかった。さらに警告システムが作動しなかった。

第二に、海保機に最新のトランスポンダーが搭載されていなかったために、GPS情報を出して滑走路にいることを発信していなかったとアメリカで報道されている。

第三に、羽田空港の滑走路警告灯が12月27日に故障したのを修理していなかったと、アメリカで報道されている。

第四に、国土交通省が開示した交信記録と、一般の人が受信した管制塔の記録が一致していない。
CNNニュースが入手した交信記録も、国交省の記録と異なる点がある。

1つ目のポイント
NHKのニュースから拝借してきているが、この羽田空港の滑走路の図を見ると、ここで止まっていた海保機が「タクシートゥホールディングポイントシーファイブ」と管制塔から指示を受けて移動した。そこから2分後に衝突が、基本的に管制塔の仕事は、滑走路に入ってはダメだ。ゴーアラウンドとかストップとか言わなければいけない。
 
交信してから2分間、管制塔は何をしていたのか。その2分間の空白に対して、国交省は何の情報も開示していない。管制塔は何をやっていたのか。止めるのが管制塔の仕事だ。なぜか。

2つ目のポイント
海保機に最新のトランスポンダーが搭載されていなかった。旧型のトランスポンダーだったのか。今のトランスポンダーは1秒毎にここに居るという信号を発信する。そうすると周囲にいる飛行機も管制塔も、この海保機の位置情報を知ることができる。
予算が無いというが、政府は外資に散々お金を配っている。ワクチン予備費5兆円、半導体の会社に5000億円配っておいて、最先端のトランスポンダーも搭載してもらえずに、激混みの羽田空港から離陸することになったのか。
航空業務の中でシステマティックにエラーを防ぐことが重要なのだ。人間はミスをする生き物だから、それを全体でカバーするという発想で航空業務は行われているはずなのに、なぜそれが行われずに機長だけの責任なのか。

3つ目のポイント
ABCニュースに羽田空港の滑走路警告灯が故障していたと出ている。
「東京で航空機衝突事故調査中。379人を乗せた日本航空516便が火曜日、海上保安庁の航空機と衝突し、海上保安庁の航空機に乗っていた5人が死亡した。日航機が海上保安庁の航空機と衝突して炎上した夜、羽田空港では滑走路に異常がないことをパイロットに知らせる警告灯が作動していなかったことが、公式の航空データで明らかになった。

12月27日に発行されたノータムメッセージ、パイロットや運行に関する他の職員にとって不可欠な情報を含む通知は、当分の間、この警告灯のシステムがダウンしていることをパイロットに警告していた。滑走路に警告灯がなかったことが事件の展開に関与しているかどうかは不明である。調査は継続中である」

これが外国のニュースでは報道されていたが、日本ではまったく報道されていない。

ノータム(Notice To Airmen)は、空港や航空関係の設備が今どうなっているかをパイロット等に知らせる情報である。それには警告灯の故障の情報が載っていた。

海保の機体が間違って滑走路に入ってしまったら、警告灯が点灯するはずであるが、それが動いていなかった可能性がある。ノータム情報に壊れているとの情報が載っていたことに対して、国交省は何らかの説明をしなければいけない。何も説明せずに、海保機の機長だけが業務上過失致死罪というのはひどすぎる。

4つ目のポイント
国土交通省は管制塔と飛行機との交信記録を開示しているが、ATCを受信していた人の交信記録、CNNが出している交信記録と一致しない。

5時45分に「Ja722A(海保機) Tokyo TOWER good evening. No.1 Taxi to holding point C5(C5の滑走路停止位置まで走行してください)」と言っている(国土交通省の訳)

その次に海保機は「Taxi to holding point C5 JA722A No.1. Thank you.(滑走路停止位置C5に向かいます。1番目。ありがとう)」と応えている(国土交通省の訳)

この最後の部分が、私の持っているATCの録音には、この部分が無いのだ。CNNのニュースを聞いてもそれが無い。

海保機の機長は、離陸許可をもらったと思ったとレポートをしている。何らかの理由で離陸許可をもらったと誤解をしたかもしれないが、もしかしたら「滑走路停止位置C5に向かいます。1番目。ありがとう」と、本当は返信していなかったかもしれない。

ノイズが激しくて聞き取り難いのだが、管制塔が「C5の滑走路停止位置まで地上走行してください」と言った後の返信のところだけは、何のノイズも入っていない。音声自体が無いので海保機は返信していない可能性がある。

そういうことを総合して考えれば、国土交通省と首相が事故の原因究明をしているから何も言えないと黙っているのに、いきなり海保機の機長を業務上過失致死で捜査をしている。もうゴールありきでやっている。

空港業務は皆でヒューマンエラーを防ぐことも業務のうちである。事故発生をチームで行う。そのために管制業務があり、レーダー管制業務も含まれている。

管制塔から全部は見えない可能性がある。そのためにトランスポンダーやその警告灯がある。ところが。民間のトランスポンダーは1秒毎に発信しているが、海保機はそうではなかった可能性がある。そして、警告灯が故障していたのであれば、誤って進入してしまっても管制官も気が付き難い。

そもそも予算をケチって、設備をアップデートしていなかったとか、壊れた警告灯を放置していて、いつ回収されるのかもスケジュールに載せていないとか、そちらの方がよほどおかしいではないか。

羽田空港の空港業務管制塔のシステム、レーダーなど、そういった業務全部は国土交通省が管理している。かりに国土交通省がそれらを怠っていたから、海保機の宮本元気機長に全ての責任を押し付ける。そのようなことをしてはならない。

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