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森永卓郎先生が語った失われた三十年と竹中平蔵、私たちは変われるのか

2024/05/09

https://www.youtube.com/watch?v=mfZE4o4Qm_w&t=15s

「森永卓郎先生が語った失われた30年と竹中平蔵、私たちは変われるのか」についてお送りする。

ただ今、仕事の関係で韓国のソウルにいる。以前にジェイソンさんが高高度プラットフォーム、つまり気球の開発をする際に、そのエンジンを水素エンジンで作り始め、そのエンジンで色々な気球を飛ばす試験を行った。そうしたら、車にも使えるのではないかという話になり、現在、アメリカで小さいカートに水素の燃料電池を入れて走らせる実験中だ。見に行きませんかとお誘いいただき、営業に来ている。何が起きるか分からないが、人生は面白い。もはやITビジネスとは全然関係ないことをやっている。

昨日の森永先生の政経プラットフォームを、皆さんご覧になったと思う。森永先生は、竹中平蔵が日本を破壊したとおっしゃっている。竹中さんがしたこと以上に、派遣会社のシンボルになってしまった。今の格差社会を作った原因は派遣法の改正にある。その派遣法の改正は1999年であるため、竹中さんがこの派遣法改正に関わる以前からその流れはあった。しかし、竹中さんはそのシンボルになってしまった。

竹中さんは、自分で提案して、自分で問題提起して、自分でソリューションを提案して、自分で制度化して、自分で儲けるサイクルを作り出した天才として語り継がれている。この問題は何かと言えば、非正規雇用問題とよく言われるが、非正規雇用そのものが問題ではない。もちろん今の時代、正規雇用でフルタイムで働けない人も多くいる。何が一体問題になっているのかというと、非正規雇用者の給料が正規雇用者と比べて著しく低いことだ。令和4年の国税局の統計結果によると、年収300万円以下の人が、労働人口の37.7%にも及んでいる。だから、働いている人の4割弱が年収300万円以下だと言われている。それが問題であると指摘されている。決して雇用形態が問題ではなく、果たして年収300万円以下で生活ができるのか問題なのだ。同じ仕事でも、正規雇用か非正規雇用かで、給料が違う。これは不公平であると指摘されている。

私自身、アメリカで仕事をしており、アメリカでも日本特有の非正規雇用も存在するが、非正規雇用の賃金が低いという問題はさほど聞かない。労働組合が非常に強く、同じ仕事をしている人の賃金が低いことが許されない土壌がある。逆にアメリカでは、非正規雇用の人々は身分が安定しない分、プレミアムが付く。高い給料で短期間雇用され、そして雇用主が気に入ったら長期の正規雇用に切り替わる。安定雇用の代わりに給料が安い雇用形態に変わる。だから、この点がやはり日本とアメリカの違いだ。アメリカが常に正しいことではないが、アメリカも移民を使った安い労働が横行している。日本にも移民労働者の低賃金労働がある。

今は円安であり、数年前は100円から110円程度の間を行ったり来たりしていたドル円相場が、今はもはや150円を超え、160円を超えてくるだろうと思われる。アメリカでインフレが収まり、金利が引き下げられれば、金利差が縮まり、日本の円安もどうにかなるだろうと思われていた。しかし思いの外、現在、インフレがまだ強く、金利引き下げに至らなかったため、円安が進行している。

今何が起こっているのかと言うと、日本の年収300万円が外国人労働者からすると、既にかなり安くなっていることだ。ドル建で換算したときに、非常に安くなっているのだ。「日本でこの賃金でやっていけない」「自分の家族に送金できない」ということで、日本にいる東アジア諸国からの移民労働者が減ってきている。さらに遠く、貧しい国、文化的な共通点がものすごく少ない国からの移民労働者を受け入れる流れが作られている。

東アジア諸国と日本にも、色々と軋轢があるため、東アジア諸国の人をよく思わない人がいることに重々承知はしている。しかし、私も比較的色々な国で仕事しているため、比較的近隣諸国なだけあって、文化的な共通点は比較的あると感じている。ところが、地球の裏側までいくと全く違う。仏教圏はもちろん、また仏教から改宗してキリスト教、イスラム教といった違う宗教を信じている国も、文化的に何かしらの共通点があるため、分かり合える部分もある。しかし、全く発想が違う国の人たちが、日本に大量に移民としてやってきたときに、果たして話し合えるのか心配だ。

今の失われた30年の始まりは、やはり消費税である。消費税が始まり、私たちの手元から、財布から、お金が取り上げられている。GDPの半分以上は個人消費であるため、個人が使えるお金が減れば、当然GDPは成長しなくなる。では私たちの収入はどうなのかと言うと、非正規雇用は正規雇用よりも平均して3割4割給料が安く、給料が中抜きされている。もちろん、派遣会社もビジネスなので、コミッションを取らなければやっていけない。しかし、正規雇用者と非正規雇用者にそれぞれ払う給料、末端価格を同じにして、プレミアムを載せて紹介していかなければ、今後インフレが来る。そして、いつまでも中抜きをされている状態にある4割弱の非正規雇用者たちの生活が報われないことになる。

では私たちは変わっていけるのだろうか。私たちが変わるには、正規雇用も非正規雇用も、同一労働同一賃金を徹底していくべきだ。これを左翼的な考えだという人もいるのかもしれないが、同じように働いても中抜きされて給料が少ない人たちがいる状況があって良いのか。仮に非正規雇用も正規雇用と同じ給料であれば、多くの問題は解決するはずだ。つまり、同じ仕事をしている人たちと同じ給料水準を確保できれば、国民の手元にお金が戻ってくる。このことにより、GDPも成長できるようになる。個人消費がGDPの半分を支えているのだから、非正規労働者の給料が上がることで、経済も成長できるのではないか。

では何故できないのか、昨日はその問題提起をした。「努力をしても報われない。」それは本人の問題だと言う人が多い。転職すれば良いと言う人が多いのだが、今の社会をきちんと見ていただきたい。橘玲さんも指摘されている通り、「無理ゲー社会」なのだ。転職しても、転職しても、やはり非正規になれば非正規の仕事しかない。正規雇用になる、正社員になる道がかなり閉ざされてきている。その閉ざされている原因は、36協定の関係により、解雇が難しくなっているからだ。

そのため、労働市場は自民党と癒着した派遣会社と、野党と癒着している労働組合により、私たち働いている人たちが政治的に引き裂かれてジレンマに陥っているのだ。方や守られており、方や守られていない。この政治的に守られているのか、守られていないかで、格差が開いている。やはり働いている人たちのために、国民の幸せのために、こうした政治的問題は解決すべきである。
昨日、森永先生に竹中平蔵がどれほど日本を破壊したのか話を聞き出そうとしたが、森永先生もフェアで、竹中さんは派遣法を改正したのではなく、シンボルになってしまったと指摘された。

今「20代の萌絵さん、自力本願でここまで来ました」というチャットを頂いた。ありがとうございます。しかし、皆さんが同じような努力をするべきかというと違うと思う。努力は大事だが、20代のことを振り返ると、お金を稼いだり勉強したりするために友達と過ごす時間を犠牲にした。これが孤独な人生の始まりだった。私は25歳のとき、早稲田大学の政治経済学部を受験して、運よく合格し、自分の持っているものを何もかも投げ打って勉強した。しかし、皆さんにこのようなキャリアアップをしなさいとは言えない。挑戦したい人は挑戦した方が良いと思う。大学行きながら働いて学費を払うと、大学に行っても友達はできず、仕事とお金に追われている状態が続いた。この状態が人間としての幸せに繋がっていくとは思わない。30歳で就職をして、その時ようやく年収1000万円ほどの仕事を正社員としてもらった。21歳あたりの頃、非正規雇用のブラック労働と低賃金問題を解決したいと思った。そのまま本や週刊誌、雑誌を読んで、政治と経済の勉強を始めた。経済紙、経済の本、政治の本を読み、不景気の原因について「日銀の金融政策ではないか」「法律の改正による不動産に対する税制の変更ではないか」と色々考えた。不景気の原因を知り解決したいと思い勉強を始めた。東京に来てジャーナリストになりたいと言ったが、早稲田の政経に入らないと無理と言われたため、受験して運よく受かり26歳から大学に入った。30歳で1000万円弱という欲しかった数字を貰うようになった。20代の後半も仕事をしていたので、さらに稼いでいたのだが、正規雇用として1000万円をもらうこととは意味が違う。その時に、やはり努力してこの給料をもらうということが、果たして自分が目指していたことなのだろうかと思った。

努力しても自分は幸せではなく、友達も恋人もいない。幸せより仕事だけ優先の人生より、「そこそこでいいから安定しており、そこそこの給料でみんな幸せ」という昔のテレビで見た日本の幸せを再現できないのだろうかと思った。自分は、色々なことをして、株式投資をして資本主義者だと思い、30歳になって望んだ給料をもらったときに、これは違うと思った。3割の抜いている人が遠慮してくれたら、みんなで普通の生活ができる。20代前半の頃、年収は額面200万、手取り150万円程度だった。月12万5000円、金一封10万円が年2回の仕事だった。新卒であれば普通の金額かもしれないが、30、40歳でも未だに手取りが15万、16万円で田舎で働く女友達の話を聞くと、この間変わらないのかと強く思う。この3割4割抜かれているお金を戻してあげるだけで、女性の年収200万円が300万円台行く。女性に限らず男性も3割4割戻れば結婚しようという気持ちになるのではないか。

今チャットで、「12万円あるかないかです」「300万円では結婚できない」とあるが、確かに年収300万円では難しい。年収300万前後であれば、3割の抜かれているお金が戻ってくると、400万円弱になる。そうなれば、この国で幸せな人が増えるのではないかと思う。「夫婦で600万で結婚したい。」「年収2000万円以上あったけど、今100万円もない。」「男は金がないとほぼ選ばれない」とあるが、女性もそうだ。今の時代、稼げない女性は、男性に選ばれない。男性も女性もお金に困っている。男女共にある程度稼がなければ、パートナーを見つけられない現実もある。中抜きそのものがダメではなく、派遣会社もビジネスである以上稼がなければいけないが、正規非正規で同一労働同一賃金を徹底すべきだと思う。


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