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グローバリスト連続殺●事件、プーの動機はEU崩壊だ!?

2022/09/04

https://www.youtube.com/watch?v=D1jSzvL6nok&t=8s

反プーチン、反ロシアのウクライナ侵攻派のルクオイル会長が不審死をしたというニュースが出ている。


9月2日CNNのニュース
『ロシア石油王手ルクオイル会長、病院の窓から転落死』
ロシアの大手石油・ガス会社ルクオイルのラビル・マガノフ会長が、モスクワ市内の病院の窓から転落して死亡した。

情報筋はロシア国営タス通信に「6階の窓から男性が転落し、けがを負って死亡した」と語った。

ルクオイルも1日付でウェブサイトに声明を掲載し、会長の死を公表した。

ルクオイルは会長が「重い疾患の末に他界した」と述べ、 転落については触れなかった。「マガノフ会長は当社のみならず、ロシアの石油・ガス産業全体の発展に多大なる貢献をした」とも述べた。

ルクオイルはロシア第2の石油・ガス会社で、今年3月にはウクライナでの「武装紛争のできる限りの早期終結」を呼びかけたことで注目を浴びた。


ルクオイルは、ロシアの新興財閥オリガルヒのひとつだと言われている。このオリガルヒは、先日、少し話したゴルバチョフの旧ソビエト連邦崩壊から、エリツィンに代わった時に、国営だった石油ガス会社が、いつのまにか二束三文で民営化されていて、そのガス・オイル会社を手に入れた人たちが、いっきに大金持ちになった。その新興財閥の人たちが、実は欧米側と繋がっていて、大儲けをしたのではないのかと言われている。

このオリガルヒの幹部たちが、謎の連続死をロシアのウクライナ侵攻前後から遂げている。2022年1月30日ガスプロム・インベスト社の輸送部門の責任者であるレオニード・シュルマン氏が、自身の所有するコテージの中で死亡している。 そしてロシアのウクライナ侵攻があった当日の2月24日には、ウクライナの石油精製会社で財産を得て、英国に移住していたミハイル・ワトフォード氏が自宅で謎の死を遂げていた。その翌日にはガスプロムのセキュリティ部門の上級職を務めていたアレクサンダー・チェルヤコフ氏が亡くなっている。そして4月18日には、ロシアの天然ガス独占企業ガスプロム子会社の元副社長アバエフ氏が亡くなっている。その亡くなり方も、モスクワ市内の住宅で妻子を射殺して、更に自分も自殺するという謎の死を遂げている。さらに、その翌日、天然ガス大手ノバテクの元副会長セルゲイ・ブロトセイヤーニャ氏がスペインの別荘で妻子とともに死亡。そして5月12日、もとルクオイルのトップマネージャーであるアレクサンドル・スブティン氏が友人宅の地下室で突然急性心不全で亡くなる。

こういった謎の死が連続して起こっている。そして極めつけが、今回入院中のロシアの石油王手ルクオイル会長が、病院の窓から転落死した。そのことについて、企業側も全く触れていないという非常に奇妙な事態なのだ。

こうしてロシアのオリガルヒ、特にガス・石油というエネルギーに関連する企業の幹部が、次々と謎の死を遂げているのは、欧米がロシアに対して制裁を行っているのに対して、ロシアが逆にガスや石油などのエネルギーで、欧州を締め上げているところに、オリガルヒたちが裏切って石油やガスを流さないようにしているのではと言われている。

そして9月3日、なんと『ロシア、ノルドストリーム通じたガス供給を無期限停止』というCNNニュースが出ている。
こちらのノルドストリームはロシアとドイツを結ぶガスのパイプラインだが、ロシアの国営エネルギー企業ガスプロムが、天然ガスを供給するパイプラインである。これからオイル漏れが見つかったことを理由に供給を止めていた。そして今のところ供給が再開できないと発表している。ガスプロムは再開の時期を明らかにせず、当該装置の運用の問題が解消されるまで、ノルドストリームのパイプラインのガス供給は、完全に停止されると述べている。無期限停止とは言ってはいないが、いつ供給が再開されるのかを明らかにしていない。

ノルドストリーム 2022-09-07 085401

この時点で、ロシアを制裁しようとしていた欧州側は、かなりの打撃を受けることになる。欧州はロシアからガスを輸入しているが、その輸送の35%はこのノルドストリームワンから来ている。
ロシアからドイツを結ぶパイプラインなのだが、ここが止まってしまうと、ロシアからのガス供給の1/3が止まるので欧州は大打撃なのだ。ただでさえ今ヨーロッパはロシアを制裁したことによる、電力危機が起こっていて、電気代が4倍5倍まで跳ね上がっている。

欧州各国は脱炭素を謳ってはいるが、いまだに平均して半分以上が火力発電に依存しているので、ガスや石油、石炭の価格が上がると、自動的に電気代も上がる構造になっている。

ドイツ、フランスが率先して、ロシアに制裁をすると牽引している中で、ロシア寄りのハンガリーが、なぜかロシアと天然ガスの追加供給契約を結ぶというニュースも流れている。

ハンガリーは85%が火力発電で、ロシアの天然ガスにかなり依存している。ロシアの国営ガス会社ガスプロムから9月、10月ごろには、日量最大580万m3の追加供給を受けると報道されている。
どうも最近のトレンドのロシア産の石油やガスの転売ビジネスが流行っていて、それに加担するのではないのかと見ている。

今その欧州は、フランス・ドイツが欧州連合の王様みたいに威張っている。欧州の加盟している各国は、電気代、ガス代が高騰していることで、かなり迷惑を被っている。それで本音は、ロシアにこのまま制裁を続けていいのか。自分たちの首を絞めているのではと悩んでいる。

今まさにドイツに入ってくるロシア産のガス、1/3が入ってこなくなる。そうすると、ただでさえ困っている欧州連合の加盟各国は、さらに苦しい思いをするという状態になっている。

トルコストリーム 2022-09-07 085752


ハンガリーはロシアから追加供給を受ける契約を結んだが、トルコストリーム経由でガスの供給を受けている。このトルコストリームは、トルコを通ってくるガスのパイプラインだが、ロシアのアラバから黒海の海底を抜けてトルコの欧州側にクユキョイに至る全長930キロの天然ガスパイプラインだ。
こちらの図はジェトロの図だが、これが欧州向けのパイプラインだ。これは最終的にセルビア、ブルガリア、ハンガリーなどを通じて、欧州に天然ガスを供給する。

ということはどうもハンガリーは、自分の所のパイプラインを通って、欧州に向かうガスの供給量が増えて、ドイツの方がノルドスリームワンが止まったことで、ドイツ経由で欧州に流れる分をハンガリー経由で買える。この転売ビジネスを絶対に考えていると思われる。

ここでも出てきているのがトルコなのだが、今回のロシアのウクライナ侵攻から、妙にトルコのエルドアン大統領が飛び出してきて活躍している。

前回のロシアとウクライナの穀物協定の時も、エルドアン大統領が出てきて、ロシアに仲介するので、穀物の輸送船は攻撃しないでと言って儲けている。トルコのボスポラス海峡やダーダネルス海峡の利用料が取れる。トルコがその穀物の貿易に絡めば、自動的に儲かるという仕組みになっている。
今回もトルコストリームの利用量が増えると、トルコがまた儲かる。ハンガリーやトルコは、かなりロシアに寄っているように見える。

このオリガルヒ連続殺人事件の流れを見ていると、石油・ガス関係のロシアの新興財閥はかなりグローバリストに近い。グローバリストと取引をして金を儲けてきた。プーチンからすれば敵である。

ゴルバチョフが旧ソビエトを崩壊させ、エリツィンになった瞬間にロシアの国有財産、石油・ガスが二束三文でいつの間にか民営化されていて、それを元に欧米とつるんだロシア人が、かなり大儲けをしてきた。その企業幹部が突然連続不審死をして、事実上プーチンが石油やガスの供給を、どこにするかを決めている事態に変わってきた。

グローバリストがジワジワと世論誘導政策をして国際世論を形成し、ロシアは悪者だとロシア叩きで、世論で攻めてきているが、ロシアは名より実をとるというか、 実質的に欧州に対する石油やガスの供給を絞って、第三国経由で転売させ、ロシアと友好を結べば、欧州に転売して大儲けができるとしている。

欧州は渋々高いお金を払って、第三国から同じものを買わないといけない。そうすると、欧州連合加盟国はインフレでままならなくなる。そして欧州連合に今亀裂が入り始めている。

欧州連合は加盟国に対してガスの使用量制限のロシア制裁を行っているが、ロシアに制裁をせよというドイツ、フランスの命令に対して、スペイン、ポルトガル、ギリシャは真っ向から反対。デンマーク、フランス、アイルランド、イタリア、マルタ、オランダ、ポーランドは事実上無理だと言い、ハンガリーは裏切っている。もうロシア側についているので、かなり欧州連合のロシア制裁に対して亀裂が入り始めている。

8月22日のニュース
『独首相の隣で突然、上半身裸に 女性2人「ガス禁輸」叫ぶ』
シュルツ首相も少し困惑した顔をしている。ただし、もう天然ガスは簡単には買えない時代になった。どこまでが本当か判らないが、ロシア的にはガスのパイプラインはメンテナンス中で供給再開のメドが立っていないという。

欧州はこれからしばらく、四倍五倍の電気代を払っていかないといけない流れが定着し、ここからまたさらに電気代が上がると予測される。

私たちも油断できない。こうやってガスの供給をロシアが絞っている。世界中でガスが足りないことになり始めたところで、オーストラリアがガスの供給を国内優先にしないといけないと言い始めた。
実は日本もとばっちりを食いそうな状況なのである。
今後は我々もこの欧州の電力危機を笑っては見ていられなくなるという事態になりそうだ。



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