大黒柱とは

うちの年齢一桁が、どこかから「大黒柱」という表現を習ってきた。「ねぇ、うちの大黒柱って、誰?」 家計を担うのはだれか?という意味で質問された。

Weblioのデジタル大辞泉(小学館)によると

1 民家の土間と床との境の中央に立てる、特に太い柱。また、建物の中央に最初に立てる柱。亭主柱。
2 家や国の中心となって、それを支える人。「チームの大黒柱」

同じく住宅用語辞典(suumo)によると

わが国の木造建築物(構造)において、最も重要な役割を担う通し柱のこと。家の中央にあり、最初に立てる。一般的にその建築物の中で最も断面積が大きい柱である。

と、ある。おそらく建築物の方が先にあって、後からそのもっとも重要な通し柱の役目を担う家族内の構成員、という意味がついてきたのだろう。

コロナ禍だから、ということを差し引いても、3人家族の我が家の大黒柱は私だ。主たる家計を担う者であり、世帯主。国保の3号被保険者の話をするために電話した時が一番ひどかったけれど、いたるところでいちいちめんどくさい。そういえば保育園の延長料金の請求書も夫の名前で来ていたっけ。

Twitterで「働く妻と専業主婦の「幸福度格差」」という記事がbuzzっていた。現代ビジネスという講談社のサイトで、記事の日付は2019.10.20.。作者もなぜ今頃話題になったのか不思議に思っているんじゃないかな。

記事の内容は「格差」という差も無く、0~5点なのに縦軸スケールを3.50~4.30の拡大スケール表示してやっと差が出る推定値。どうしてこんな記事が堂々と掲載されるのか、謎でしかない。

そもそも幸福ですか?と聞かれて、はい幸福です。と答えられる人はどんな人なんだろう。みんな程度の差こそあれ、何らかの不自由を抱えながら生きているはずなので、totalで幸せです。ということなのだろうか。

調査対象者ではないけれど、もし私が聞かれたらどう答えるだろう。住宅事情を考えると、とてもじゃないけれど幸せではない。狭いし古いし1階だ。津波が来たら完全にアウトの海抜ゼロメートル地帯だから、この1階というのは致命的。実際垂直移動を考えたこともあるけれど、ちっとも広くならないのに家賃が月額3万円近く上がることが判明して引っ越しを中止したぐらいだ。もっと不便な場所に立地する物件なら、家賃がそう変わらずに3階以上の堅牢な建物に引っ越せるか?というと、小学校を転校するレベルで違う地域に移動する必要がある。だから引っ越し作戦は完全にペンディング。

引っ越しを辞めたので、浮いた3万円(本来ちっとも浮いたわけではないのだが)で楽器を習い始めた。何かを習うのは楽しい。練習の時間が取れない事だけが、悲しい。通勤時間が30分程度なら嬉しいのだけれど、ストーカーが怖くて職場近くに住めない事情がある(住宅手当出して欲しいものだ)。だって私は大黒柱だから、家族を危険な目に遭わすわけにはいかないんだ。




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