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「エサキモンキツノカメムシ」のマイクロノベル 他3篇 #89
黄蘗の木から、エサキモンキツノカメムシが飛び立つ。空へ、宇宙の彼方へと帰って行く。ハートマークのカラータイマーの点滅とともに。足もとでは、得体の知れない小さな生き物が溶けていく。今回も地球は守られた。
優曇華の花は三千年に一度咲く吉兆の花だ。だがこの花なら年に三回ほど見かける。ということは、一年で九千年分の時が過ぎ、三度もいいことがあったはずだ。思うに、昨日の麦酒が旨かったのがいいことかも知
IMAGINARC 想像力の音楽
森下唯さんプロデュース、2台のピアノと小説が織りなす幻想的アンソロジー!『IMAGINARC 想像力の音楽』、すごい曲目、メンバーの演奏会です。プログラム冊子に「異形たちの輪舞曲」テーマの掌編「空の瞳」で参加しています。チケット好評発売中!!ぜひに!
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「ラショウモンカズラ」のマイクロノベル 他3篇 #85
鬼女の腕が咲く。花の形から渡辺綱が切り落とした腕に見立てて、ラショウモンカズラと名付けられた。その腕から鬼女本体を再生する技術ができたそうで、そのうち小さな鬼女が咲きまくって暴れだすから気をつけなよ。
幸せの黄色いテントウムシ、植物のうどんこ病の菌を食べるのだそうだ。そういえば、となりのスナップエンドウの葉、うどんこ病にやられて白くなっていたな。ありがたい虫だな。さてと、街路樹を切りに行くと
阿弥陀さまのマイクロノベル 他3篇 #80
今年は仏さまがえらい豊作でな、どんどん生えていらっしゃる。阿弥陀様なんか生えすぎたのを収穫して缶詰にして、下の村で土産物になってる。さっと炒めていただけば、そのまま極楽へと連れて行ってもらえるらしい。
オランダミミナグサ、漢字で書くと阿蘭陀耳菜草。阿蘭陀のところが、阿弥陀と一字違いで、ありがたい気がして、拝んでいるうち宝くじが大当たりした人がいるらしい。あやかりたいと、道ばたで拝んでいる人も