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ナポリタン物語

 週末になると、腕を振るうぞ!とばかりに、リキの入った朝ご飯を作りたくなります。ちょっと失敗だったかな?という月曜日の花咲ガニの和風スパゲッティ。それ以来のスパゲッティです。

 子供の頃、スパゲッティと言えばミートソースかナポリタンでした。きっと洒落たイタリア料理のレストランには他のメニューもあったでしょうが、買い物帰りに母に連れられ子どもも一緒に入れるレストランと言えばデパートの食堂ぐらいです。というより今とは時代が違います。ミシュランガイドに載るような店がひしめく東京ではありませんでした。町場の洋食店もデパートの食堂と似たりよったりのメニューだったと思います。スパゲッティと言えばミートソースかナポリタンだったのです。

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 たらこスパゲッティ発祥の店として有名なスパゲッティ専門店の老舗「壁の穴」。たらこスパゲッティを考案したのは私が小学生の頃だったらしいですが、日本のスパゲッティの定番「ミートソース」と「ナポリタン」以外のメニューが本格的に広がり始めたのは、私が社会人になった頃からではないでしょうか。1980年代ということです。それも和風という独創的なメニューです。たらこスパゲッティを知った時は、衝撃でした。カルボナーラなど洋風メニューが広がるのは、その後だったと思います。

 私は国際新赤坂ビルの地下にあった「ハシヤ」(今は閉店)で、よくランチを食べていました。90年代に入った頃からだと思います。「たらこ」「いか」「イクラ」などが入った和風スパゲッティの大盛りを注文していました。その「ハシヤ」や「五右衛門」などが次々に支店を増やし、スパゲッティ専門店というカテゴリーが確立しました。エスビー食品がお馴染みの「まぜるだけのスパゲッティソース」シリーズを売り出したのも、その頃です。和風スパゲッティが認知され、「生風味たらこ」「生風味からし明太子」などのスパゲッティ・ソースが売り出され、家でもミートソースやナポリタンだけではなく様々な種類のスパゲッティを楽しむようになりました。我が家もカルボナーラやペペロンチーノ、明太子やアラビアータなど様々なソースを欠かしたことがありません。

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 しかし、日本人のスパゲッティの原点は、ミートソースとナポリタン。原点回帰と言うのでしょうか、最近ミートソースやナポリタンばかり食べたくなるのです。特にナポリタン。子供の頃は、実は大人になっても、苦手な玉ねぎが目立つ存在なのでナポリタンは嫌いでした。ミートソースにも玉ねぎは使われていますが、目立つ存在ではありません。ですからデパートの食堂ではミートソースかマカロニグラタン(家で作るグラタンは上部を上手に焦がすことができず、お店のグラタンの焦げている部分が大好きでした)を頼んでいました。ところが最近になって自分で作ることにチャレンジしてみると、玉ねぎから調理する場合は徹底的に溶けるほど炒めてしまえばOKだということに気づきました。自分で作った喫茶店風ナポリタン、もう最高なんです。

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 冒頭「リキの入った朝ご飯を作りたくなります」などと書きながら恐縮ですが、今回はナポリタン・ソースを使いました。レトルトを使うと何が良いかと言うと、玉ねぎがトロトロになるほど炒められてソースに入っているので、玉ねぎを炒める手間が省けるんですね。今回はソーセージとぶなしめじをバターで炒め、ピーマンを足したところでナポリタン・ソースを投入。茹でたスパゲッティと和えながら、コクを出すためマヨネーズを追加しました。

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 買ってきたばかりのレタス、外側に生で食べるには硬い葉も付いていたので、それはコンソメスープにし、サラダにはブロッコリーなどと一緒に家内が作ったポテトサラダものせました。夕飯で食べ残したイナダの刺身3切れも添えたのはご愛嬌。家の朝食ならではです。並べてみると食べ過ぎですよね。昼ごはん、抜こうかな。

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