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桜木花道になろうとしたら、あっ、ポックルになっちゃっ、あっあっ

最近赤髪坊主にしました。

どうでしょう?これを読んでいるかたのほとんどが「赤髪坊主にしました」という報告を受けるのは初めてじゃないでしょうか。

このヘアスタイルとても気に入っています。
めちゃくちゃ似合っているということもありますが、すれ違う小さい子供が100%の確率で僕のことを凝視するのが嬉しいです。子供大好きなので。
反対に親御さんは全く目を合わせてくれません。心なしか早歩きになっている気がします。

赤髪坊主にしてすぐに新宿伊勢丹に地下一階に行ってスイーツを見て回っていたんですが、その時も後ろから5歳くらいの男の子に

「見て〜。あの人髪が真っ赤だよ〜。なんで〜?」
と指を刺されていました。

一緒にいたお母さんが
「うんうん。かっこいいね〜。あっちに行きましょうね〜」
と言ってサダハルアオキのブースに男の子を半ば無理やり連れて行ってショーケースを凝視させていました。まるで見てはいけないものが近くにあるような様子でした。

まぁ新宿伊勢丹の地下に見てはいけないものなんてないので、パティスリーの英才教育でもしていたんですかね?日本の洋菓子業界の未来は明るいです。

なんで赤髪坊主にしたかというと、お察しの通り桜木花道が大好きだからですね。前々からやってみたかったんですよ。今年はスラムダンクの映画も公開されるし、そのタイミングでやろうかな〜と考えていたところに猛暑がやってきまして、暑いし坊主にすっか〜と。坊主にするなら赤髪坊主やっちゃうか〜となりました。

さぁ赤髪坊主にするためネットから美容室の予約をしようとしたんですが、「坊主+カラー」なんてコースは存在しないんですね。
「カット+カラー」ならあるんですが、果たして坊主はカットの部類なのか?一応検索欄で「坊主」とやってみたんですがやはりありません。

仕方なく「カット+カラー」で予約し備考欄に『赤髪坊主にしたいです』と記入しました。

当日美容室に行くと爽やかなお兄さんが担当してくれました。
「担当します〇〇です〜」とこれまた爽やかな笑顔で挨拶したくれた次の瞬間、

「赤髪で坊主…で間違い、、ないですよね?」

と初めて納豆を見た外国人のような顔で聞いてきます。
一切の間違いはない。その通りです。やっちゃってください。と告げると、お兄さんはバリカンで僕の髪を刈り取っていく。

ぶういいいイイイイイイインンンンンnnnn!!!!!!!!

けたたましいバリカンの音が美容室に鳴り響く。その音に反応したのか斜め向かいの長髪の男性が僕の方を見る。その目はまるでモノノケでも見るようだった。確かにわざわざ美容室で坊主にするやつなんて、坊主に対して並々ならぬ美意識を持った人間か、モノノケのどちらかだろう。

9mmに刈り終わると美容師さんが鏡で後頭部を映しながら「こんな感じでどうですかね?」と聞いてくる。正直坊主に対してどうもこうもないのだが「いい感じっすね」と答えておく。逆にダメな感じの坊主とはどんなものだろう。所詮は坊主にダメ出しをするような奴がいれば、間違いなく坊主に対して並々ならぬ美意識を持った人間か、モノノケのどちらかだろう。というか坊主に並々ならぬこだわりを持った人間はもはやモノノケの類だ。

さてさっぱり坊主になったところで次はブリーチをした後で赤に染めていく。しかし僕はブリーチが怖い。沁みる。めちゃくちゃ沁みちゃうの。

しかも今回は坊主だから頭皮に直接ベッタベタ塗るかたちになる。
だがフジノシンも男の子。これくらいの試練は軽々乗り越えねばならぬ。

さぁ来い!ブリーチかかってこい!

いざブリーチ剤が塗られ始めるとあの独特な匂いと頭皮のひんやりした感じが気持ち悪い。ここからはひたすら忍耐。耐えるのみ。

そこでふと斜め向かいにいる長髪のお兄さんと目があった。
あちらからすれば美容室で坊主頭にしている男が次はブリーチ剤を塗っているという、おそらく彼の人生で初めての光景だっただろう。
相変わらずモノノケを見るような目でこちらを見ているし、なんなら美容師さんに「あそこにモノノケがいます」と報告していた。きっと彼は報連相がきちんとできるタイプの社会人に違いない。

ブリーチ剤を塗られて3分ほどするとさっそく沁みてきた。いや、沁みるなんて生易しいものじゃない。まるで頭皮が溶けているような感覚。地獄のような灼熱感。喉の奥から変な味の唾が出てくるし、なんだか呼吸がしづらい。ジッとしていられず足をジタバタしてしまう。しかし我慢だ。安くない金額を払って髪を染めているんだ。途中でギブアップして綺麗に染まらなかったらお金がもったいない。

にしてもつらい!!!!!
マジでこれ頭皮溶けてませんか?????頭皮どころか頭蓋骨も溶けて脳みそ露出してない!!!!???
露出した脳に棒を差し込まれてグチュグチュ引っ掻き回されてない??!!

あっ、水見式という方法が、あっ、もっとも簡単で、あっあっ、一般的な、あっあっ…

ポックルさんってこんな気持ちだったのかな〜と意識が遠くなってきたところで美容師さんから「大丈夫ですか?」と声をかけられる。

「まぁまぁですかね」と訳のわからない答えで強がってみせるがもはや涙目。ギリ泣いているといると捉えられても致し方なしの状態。

美容師さんが脱色具合を確認して
「抜け切ってはないですけど、まぁ大丈夫だと思います。もうブリーチ流しますか?」と聞いてくる。

ふん。舐められたものよ。
漢フジノシン、一度やると決めたことは途中で投げ出したりはしない。たとえどんな困難や苦痛が襲ってこようとも必ず乗り越えてきた。耐えて耐えてその先に成長した自分がいると俺は知っているから、このブリーチの痛みも乗り越えてみせる!!!!


「早く流してくださいぃ〜。お願いしますぅ。もう、だめ、おかしくなっちゃう…」

シャンプー台に行きましょうかと促されると、美容室の法定速度ギリギリを攻めたスピードで移動する。美容師さんは置いてけぼり。
椅子に座って「お願いします。早く楽にしてください」と懇願する俺を美容師さんはどんな気持ちで見ていたんだろう。悲しい実験動物を見ている気分だったのかもしれない。

ブリーチ剤を流していくとみるみる体が楽になっていく。
大切なものを失ってから気付くとはよく言うが、体調が悪い時ほど健康のありがたみがよく分かる。体のどこも痛くないとはほんとに素晴らしい。
世界が輝いて見える。

さて、あとはカラーを残すのみだが、カラーはもはや消化試合。
特に沁みることもないし、ジャンプラで「正反対な君と僕」を読んでキュンキュンしていたら終わっていた。

そんなこんなで誕生したモノノケがこいつ


スラムダンクの映画楽しみだな〜

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