「人間原理」をめぐる妄想
数年ごとに頭をアップデートするために宇宙論を読んでいる。手に取ったのは野村泰紀『なぜ宇宙は存在するのか』。いつもながら当方に能力の限界があり、細部まで読みこなせたとは到底言えないが、ひとつ目からウロコの知見を得た。
いわゆる人間原理にかんすることである。なぜこの宇宙は人類のような知性を持った生物を生み出したのか? それは宇宙がみずからを認識できるようにするため、という… とはいえ、ビッグバンから今日までを振り返れば無数の関門があったわけで、しかもその各々の通過可能確率は極微