2度目の風景画展をやります

2024年4月29日 11:12

伊東へ移住したばかりの頃は、この目に映し出される景色の全てが、この肌に染み渡っていく感覚の全てが新鮮でした。それらは次第に私と混ざり合っていき、少しずつ見える景色も、感じ取るものも変わってきているようです。海の青さの中にある様々な青色、時の流れと共に何層にも重ねられてきた色彩、暮らす人々それぞれが持つ生活。以前よりもより深く、鮮明に映し出されるその姿は、移住したばかりの新鮮さとはまた違った新しさなのです。2年目の今もなお、私はこの街の日常風景の美しさを発見し続けています。

2024年5月3日(金)〜6月2日(日)

I FUJIMORI 風景画展
「私の伊東 2年目〜海のように〜」
Color of IZU ~ Ai Fujimori exhibition

@Cafe & Gallery Izu Flow
静岡県伊東市八幡野1183伊豆高原駅やまもプラザB1

OPEN 10:00／CLOSE 16:00
入場無料・火曜日定休

主催：藤森愛
公式ホームページ：www.fujimoriai.com
お問い合わせ：info_fujimoriai@yahoo.co.jp

5月から2度目の風景画展が始まります。昨年の2月頃に初めて風景画というものを描き始め、自分でも説明できないような衝動に駆られながらペンを握り続け、腱鞘炎になりながらも気がつけば48枚描いていました。本当は夜も眠らずにずっと描いていたい気持ちがあるのですが、一度腱鞘炎になったことを踏まえて自重しています。それくらい私は何かに突き動かされているようです。

その「何か」については、自分でも未だによく分かりません。私は小学生の頃からずっと絵を描いていますが、風景を描きたいと思ったことは一度もありませんでした。目の前にあるものを描き写すなんて、つまらないとさえ思っていました。でも、ある時から私の目には「何か」が見えるようになり、その「何か」を描けるようになりたいと思ったのです。線なのか、色なのか、光なのか、影なのか、匂いなのか、音なのか、温度なのか、はたまた空気なのか。

探せば探すほど私の目には伊東の景色がより美しく、より鮮明に映っていくようです。どれだけペンを握っても、この世界を再現することは決してできないでしょう。それでも心が惹かれ続ける「何か」の正体を知りたくて、再現できない狭間でもがきながら絵に投影してみるのです。

人間がものを見る時、その映像は電気信号に変換されてから脳に伝えられます。だから脳が変われば変換のされ方も変わるため、私たちは誰一人として同じ景色を見ていないことになるのです。私には見えていて、あなたには見えていないもの。あなたには見えていて、私には見えていないもの。それぞれの世界を生きていると思うと不思議ですよね。私が美術館で絵を見るのが好きなのは、その人が生きていた世界を見ることができるからです。風景画展では、今、私の目の前に広がっている、「私の伊東」を楽しんでいただければと思います。