藤倉かずま

筑駒地域振興研究会 初代会長

藤倉かずま

筑駒地域振興研究会 初代会長

最近の記事

【解説】多田武彦作曲「梅雨の晴れ間」について

今度の音楽祭で「梅雨の晴れ間」という曲を歌うのですが、私なりの解説を書いて同級生に共有する、という仕事が降ってきました。内輪で回し読むだけでは少々勿体ないので、noteで公開しておきます。 私の所属している3年4組の皆さんは、ぜひ一読して内容を吸収した上で練習に臨んでください。それ以外のフォロワーの皆様は、こいつは普段このような物の考え方をして、このような文章を書いているのか、と適当に見て行っていただければ幸甚です。 歌詞全文楽曲について「梅雨の晴れ間」は多田武彦作曲の組曲

    • 【櫻井徳太郎賞 高校生の部最優秀賞】子安講からみる千葉県山武市平野部の文化と地域コミュニティ

      昨年度実施された板橋区教育委員会主催の「第22回櫻井徳太郎賞」において、拙論「子安講からみる千葉県山武市平野部の文化と地域コミュニティ」が高校生の部にて最優秀賞を受賞いたしました。 このほど、本文がweb上に公開されましたので、興味のある方は下のリンクよりお読みください。 論文要旨本研究は、千葉県の東部に位置する山武(さんむ)市に現存する子安講について、市内平野部にある計55の地区で実施した聞き取り調査の成果をもとに、その実態を明らかにしたものである。 子安講は、地域の女性

      • 【日本最長】東京地下街 4050mの旅(東銀座~大手町)道中案内

        はじめに私たちの首都・東京の地面の下には巨大な街が広がっている。 中でも最大規模とされているのが、東京駅を中心に、北は大手町・南は銀座まで広がる長い地下街だ。複数の通路を連結しながら、その長さは4km超に及ぶらしい。 以前から興味があった「日本最長の地下街」であるが、今回都合よく時間ができたので、この機会に端から端まで歩いてみることにした。手軽に非日常体験を味わえるなかなか楽しい旅だったので、皆様もぜひ挑戦してみてほしい。 「日本最長」ルートはどこか日本最長の地下街はどこに

        • 冬の福島旅行 5日目(22/12/30)

          例によってやる気のない更新頻度ですが、これが完成しないことには次が書けないので頑張ります。人生に活力がない!(前回の記事はこちら↓) 只見線にて、会津の最奥へ前夜に引き続き、現在地は会津若松の中心部である。 東京から4日間行動をともにしてきた某君に加え、東京から弾丸旅行でやってきた某君も、昨夜我々の一団に合流した。この日は、2022年に全面復旧した只見線を3人で乗り通し、飯山・長野・松本と回って帰る計画であった、が、昨夜遅くになって「大雪のため会津川口で運転打ち切り」の情報

        【解説】多田武彦作曲「梅雨の晴れ間」について

          冬の福島旅行 4日目(22/12/29)

          仕事で手が離せなかったりモチベが撃滅したり、二の次三の次にされているうちに何だかんだ2ヶ月が経ってしまいました。自分用旅日記の続きです。もう雪の写真を眺めていても寒さが伝わってきませんね…… (下の記事の続きです) 猪苗代盆地の寺社を歩く先夜に引き続いて、某君とふたり郡山を後にする。磐越西線の快速に揺られ西へ向かうと、磐梯熱海を過ぎたあたりから徐々に雪が現れはじめ、中山峠を越えると車窓は完全な銀世界になった。 先夜から目をつけていた猪苗代駅で下車し、余計な荷物をコインロッカ

          冬の福島旅行 4日目(22/12/29)

          コロナ禍が地域社会に残した思わぬ傷跡―秩父市での聞き取り調査の記録から―

          わが地域振興研究会の「民俗文化研究班」が、秩父を舞台に講や民間信仰について調べるということで、旧吉田町域を中心に聞き取り調査を行ってきた。本当は「念仏講」をはじめとする講の実態について調べる予定であったが、話を聞くうちに軽視できない現実が見えてきたので、備忘録としてここに書き留めておきたい。 調査の中でいくつかの集落を回ったが、ほとんどの地域に共通していたのは、「地域で守られてきたコミュニティがコロナ禍によって少なからぬ変化を迫られている」という点である。筆者の私見が大いに含

          コロナ禍が地域社会に残した思わぬ傷跡―秩父市での聞き取り調査の記録から―

          冬の福島旅行 3日目(22/12/28)

          昨年の暮れ、学校主催の教育プログラム「ふくしま学宿」に参加がてら、同期の某君と福島県内を旅行してきた。 12月26~28日にかけて行われた2泊3日の「ふくしま学宿」は、色々と学びや思うところもあったが、それに関しては別の機会に紹介するとして、ここでは解散してからの二人旅について書き散らしておこうと思う。 東北第二の都市・いわきの色街を歩く12月26日の16時前、私は某君と二人いわきの駅前に放り出された。彼とは夏休みに新潟のちで3泊4日の旅程を共にした仲である。後半に差し掛か

          冬の福島旅行 3日目(22/12/28)

          上野原市棡原の寺院調査(22/11/05)

          前日に引き続き2度目の上野原である。前から「地域コミュニティにおいて寺院が果たす役割」というテーマで研究をしてみたいと思っていたので、その実例収集として、上野原市北部の山村である棡原(ゆずりはら)・西原(さいはら)地区を選んだ次第である。 まずは7:01発のバスに乗り、市街地の外れにあたる新井というところから歩き始めた。最初の訪問先は、県道から沢沿いに約2km、標高差にして200m近くも登ったところにある登下(とっけ)の集落である。建設会社があって若い人もいるが、人口わずか

          上野原市棡原の寺院調査(22/11/05)

          四方津・猿橋ツアー下見(22/11/04)

          中1に企画をお願いしている「四方津ツアー」の下見のため、76期の**君・**君と散策に行ってきた。前夜のzoom会議で既に大まかな行先は決まっており、四方津駅近くにある「コモアしおつ」、続けて猿橋駅近くにある「パストラルびゅう桂台」の新興住宅街を回り、最後に日本三大奇橋として知られる猿橋を見物する計画である。 建て替えによりすっかり味気なくなった四方津駅に、8:45着の中央本線で集合し、まずは有名な「コモアブリッジ」に乗る。コモアしおつは四方津駅から約100m高い位置にある

          四方津・猿橋ツアー下見(22/11/04)

          【地の果て】東京湾の最前線「令和島」に公共交通機関で上陸する

          令和島。2019年に町名を与えられたばかりの、コンテナが支配する人工島である。人口は0人、南半分には荒涼とした更地が広がる最果ての島だ。 一定の知名度はあるようだが、ネット上にはアクセスに関する詳しい話が一切見当たらない。特に交通機関でのアクセスは少々困難であるが、本日学校の物好きを集めて上陸に成功したので、訪問記録も兼ねて紹介したいと思う。 令和島について令和島は、東京湾にゴミを埋め立てて作られた人工島である。中央防波堤よりさらに外側に位置し、緯度においては大森や平和島

          【地の果て】東京湾の最前線「令和島」に公共交通機関で上陸する

          九十九里石仏調査その2(22/06/18)

          音楽祭翌日の土曜日を活用して、再び「民俗文化研究班」の調査で九十九里平野に出向いた。 訪問先はかなり迷ったが、今回は平野の南部にある長生村をターゲットに選んだ。やや狭い村ではあるが、海岸線と並行に回ることで効率を確保し、村内全ての寺社を回り切るという目標を立てた。 ちなみに、歴史的な経緯もあって、長生村を含む九十九里南部の寺院は、ほぼ例外なく日蓮宗系の諸派で占められている。 早朝に自宅を発って、8時35分着の外房線で八積(やつみ)駅に降り立つ。駅の近くに図書館を兼ねた文化会

          九十九里石仏調査その2(22/06/18)

          檜原集落めぐりその1(22/05/29)

          先週の新歓ツアーで藤倉小に忘れてきたクリップボードを回収がてら、檜原の集落をいくつか回ってきた。以前から秋川谷に来てくれていた某君の同行である。 8時40分五日市発のバスで藤倉へ向かう。増発便も1台出てかなりの混雑であったが、神戸岩入口から先の乗客は我々のみであった。 旧藤倉小、もとい「里山学校」が開くまで時間があったため、周辺の山中にある住居跡のうち、まだ見つけていなかった家を何軒か回ることにする。 まずは陣馬尾根の上にある屋号「上の山」周辺の2軒を目指す。未舗装路を

          檜原集落めぐりその1(22/05/29)

          ’22新歓 藤倉見学ツアー(22/05/22)

          この日は、地域振興研究会の新歓イベントの最後となる、「檜原村・藤倉地区見学ツアー」が行われた。1週間前に予定されていた企画が雨で延期となったもので、参加者は計5名、やや控えめな人数での開催となった。 武蔵五日市駅を9時丁度に出発する予定であったが、少し時間があったため、秋川駅にて途中下車し、以前から気になっていた南口近くの袋小路を見に行った。路地は2本あって、いずれも線路に突っ込む格好となっている。開店の準備をしている床屋が2軒、加えて飲み屋が数軒見られた。 8:51五日

          ’22新歓 藤倉見学ツアー(22/05/22)

          九十九里石仏調査その1(22/05/05)

          わが地域振興研究会「民俗文化研究班」の研究テーマが九十九里平野に決まったため、様子を掴むためにまずは一度実地調査に出向いた。錦糸町より千葉・大網を経由して、午前9時半に山武市の成東駅へ降り立つ。例によって単身での調査で、移動の足は折り畳み自転車である。 まずは山武市の歴史民俗資料館で、周辺の文化について話を伺った。同じ九十九里平野でも山側と海側で気候も産業も異なるため、それぞれ異なる文化を持っていたとのこと。地域に根差した文化の例として、神楽と獅子舞についての説明を受けた。

          九十九里石仏調査その1(22/05/05)