仙骨と私 その14
歌いたい、が出てきた私はそれから大いに歌ったのだけど、それは一般的な、決まったメロディーと歌詞のある歌ではなかった。
仙骨から自然と湧いてくるものを声にすると、それはどこかの原始的な民族の民謡のような、不思議にエキゾチックで懐かしいメロディーになっていった。
全く頭で考えなくても、次々にメロディーが湧いてくる。最初からどこかに存在していたものが、ただ私の体を通って出てくるような感覚だった。
それまでとことん頭人間で、即興で何かやれと言われようものならパニックでフリーズしていた私なのに、これはもしや即興というやつではないか、、?と自分で驚いたけども、その歌は人前で披露することもなかったから、しばらくやって気が済むと自然と収束していった。
そして実はいわゆる一般的な歌、の方について、私は10代の頃からかなり苦しみながら模索してきていた。
歌うことが好き、だけど、なぜか普通の人が歌うように歌うことができない。
別に音痴だとか、すごく下手くそだとかではないのだけど、私の歌声には「生命の響き」のようなものが乗っていないのが自分でも分かった。
人様の歌を聴いていて私が惹かれるのは、いわゆる上手いとか、音程が正確だとかそんなところではなくて、その「生命の響き」の部分だったから、私は自分の歌にそれがないことが苦しくて苦しくて、どうしたら本当に「歌う」ことができるのかジタバタしていた。
歌の話はいったんここでやめて、また続きを書くかも。たぶん、書く。
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