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再び世界に大輪の華を


「もう少し俺の日ごろの行いが良ければ・・・」


主将熊谷選手の涙を見ると、
何の因果関係も無いことは百も承知しつつも、
自身の徳の無さを痛感してしまう。


大人気なく社員に癇癪を起こした自身の非力を恥じる。

苦戦するとは思っていた。

準々決勝の相手スウェーデン

ロングボール一辺倒のイメージがあったかつてとは違い、北欧諸国は足元の技術も身に付けている。

先天的な要素が強い「フィジカル」に加え、繊細な「技術」と「組織性」が掛け合わせられれば、それはまさに「鬼に金棒」。

近年の世界大会でなでしこジャパンが苦戦するのは至極当然のことで、世界を制した12年前に比べて難易度は格段に上がっている。


特にこの4年間、
ライバルたちの「お株を奪う」ような成長に対し、試行錯誤の連続だったのではないか・・・


前監督の高倉監督も大きな御心労があったことだろう・・・



「ただ必ずスキはできる」と思っていた。

予想通り、さしものスウェーデンも75分以降は疲労が目立ち始める。


そこに「蝶のように舞い、蜂のように刺す」なでしこジャパンの攻撃にスウェーデンは耐えきれなくなり、遂にはゴールを許す。

「ギアがかかるのが遅い・・・」

そうした批判が多数を占めているが、
超絶素人ながら私は「意図」を感じた・・・

前述したようにヨーロッパ勢は、
なでしこジャパンをベンチマークとし、
急速な成長を遂げている。

2年前、東京五輪での決戦でもスウェーデンとの力量差は明らかであった。

この短期間で実力の差を埋めるのは容易では無い。


ましてあのアメリカに打ち勝ち、ここまで勝ち上がってきたとなれば尚更のことだ。

だからこそ「戦術」に「ストーリー」という項を掛け合わす必要があったのではないか。


それまで失点を最小限に抑え、後半75分あたりから一気にギアを上げ、勝利を射止める物語。

いかにロジカルな戦術といえど.
「慢心」や「疲労」などの「精神的要素」を覆い隠すのは難しい・・・

そこには「その時」まで「弱者」を演じ切る「演技力」そして「胆力」も必要となる。

「強さ」に「巧さ」を掛け合わせたライバルたちを再び凌駕するための新たな「思考軸」だ。

あのワールドカップカタール大会ドイツ戦のように・・・

*まあ「とあるYoutube動画」を9割以上参考にしているが・・・

神は一足飛びに成功を与えない。




しかし12年前の戴冠も幾多の試練の上にあったことを忘れてはいけない。

しかしこの道を進んでいけば、また必ず大輪の華を咲かせ、世界に新たな「次元」を与えると感じたワールドカップであった。 


東欧では涙も枯れるような惨劇が起こってしまっている・・・

世論は「平和を守るために武器を持て」との主張に傾いている。


正論ではあろう。

しかし「利他心」という固有の精神的土壌を
「蹴球」という媒体を通し表現できる日本人は、混迷するこの世界に武器を超えた新たな思考軸を与えるはずだ。


8月15日終戦の日にこの稿を発する。


「もう少しこのチームで闘いたかった・・・」

素晴らしい一体感を持ったチーム。

何か祭りが終わった後の寂寥感に苛まれているかもしれない・・・

しかし幸いすぐそこに次なる目標があるではないか!

パリ五輪への準備が始まった。


*申し訳ございませんが
B/R Football様の写真を使用させていただきました。





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