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なぜ西側諸国は弱く(ロシアは強い)のか?人的資本と西欧の教育の役割

2024年04月24日(水) ガイウス・バルタール
https://sonar21.com/why-is-the-west-so-weak-and-russia-so-strong-the-role-of-human-capital-and-western-education/

ウクライナのプロジェクトが何かひどく間違っていることは、
西側のますます多くの人々にとって明らかになりつつある。

予測や予想がうまくいかず、
西側諸国はどうすればいいのかわからないようだ。

ロシア経済は予測通りトランプの家ではなかったし、
ロシアの兵器は予測通り劣っていなかったし、
ロシアの兵士や指揮官は予測通り無能ではなかったし、
ロシアの技術は予測通り劣っていなかった。

ある面では、
ロシアは西側諸国よりも優れているようにさえ見える。
彼らの兵器は効果的で、極超音速ミサイル、SAMシステム、
電子戦システムで明らかに示されているように、
多くの場合、技術的に明らかに優れている。

彼らの経済は驚くほど先進的で多様化し、
西側のような金融化や負債ではなく、
真の富の創造に基づいているように見える。

また、彼らの戦略的・戦術的思考は機能しているように見えるが、
西側諸国のそれは明らかに機能していない。

ロシアを過小評価し、
西側を過大評価したのだ。
しかし、状況はそれよりもはるかに悪い。
日を追うごとに西側の無力さが露呈し、
状況はまさに屈辱的なものとなりつつある。

この時点で、
世界の他の国々は、
西側諸国とその政治家、外交官を、その狂った国民は言うまでもないが、
首を横に振るか、ただ笑うかのどちらかである。

欧米の機能不全は、
ウクライナ・プロジェクト周辺の状況よりもはるかに深い。
いたるところにある。

西側諸国は
一般的に外交ができず、
都市や国を経営することができず、
ハイテク・プロジェクトはほぼ例外なく失敗し、
インフラは崩壊し、
経済は崩壊し、
すべての公共政策は文明の自殺を最終目標としているように見える。

ドル、制裁、カラー革命、軍事介入、脅しなど、
西側諸国が世界を支配する仕組みも崩壊しつつある。

西側諸国は何をやってもうまくいかず、
事態を悪化させているようだ。
西側の指導者、外交官、「専門家」の話を聞けば、
理性的な人なら誰でもこう自問する:

「彼らはただ嘘をついているだけなのか、
それとも本当にこれほど無能で妄想的なのか?

答えは "両方 "だが、
無能な要素は
多くの人が想像するよりもはるかに大きい。

なぜこのようなことが起きたのか?
その原因が、西側の非工業化や経済問題一般よりも
はるかに深いところにあることは明らかだ。

ウクライナ戦争前と戦争中に
西側諸国が見せた信じられないような無能さは、
経済では説明できない。

私は、この災厄の原因は
西側の深刻な構造的問題であり、
ロシアは
それをほとんど回避しているように見えると指摘する。

この構造的問題は、
現在の西側体制に必要な条件であり、
それをもたらし維持するために
意図的に作り出されたものである。

この問題は、この記事の主題であり、
その背後にある「メカニズム」でもある。
残念ながら長文になるが、
このテーマにはそれが必要なのだ。

人的資本とその特性

現在の欧米のイデオロギーに基づく権力構造は、
特定のタイプの人々が影響力のある地位に就き、
特定のタイプの人々が傍流になることをあからさまに要求している。

これは、幼稚園の先生から大学の先生、会社の重役、
そして社会のリーダーまで、
社会階層のすべての段階に当てはまる。

これは過去50年ほどの間、
着実に進行しており、
欧米にとって大きな構造的問題をもたらした。

その問題とは、
欧米における人的資本の明白かつ大規模な劣化と誤った配分である。

人的資本とは、
企業や国家の労働力の質のことであり、
より具体的には、
従業員プールがどれだけ有能であるか、
つまり、従業員がどれだけよく訓練されているか、
どれだけ早く訓練できるか、
一般的にどのように教育されているか、
どのように意思決定するかということである。

コンピテンスの本当の意味を理解するために、
それをさらに定義してみよう。

コンピテンスには、
特定のものと一般的なものがある。

この区別は極めて重要であり、
大小を問わず人的資本を管理しようとする者は
必ず理解しなければならない。

特定の能力とは、
ある種の仕事をこなす能力のことである。
大工仕事、コーディング、化学、医学、旅客機の操縦などが
これにあたる。
これらのタイプの仕事の中には、
多くの能力、訓練、知性を必要とするものもあるが、
共通しているのは、その範囲が限定され、
明確に定義されているということである。

世間一般の複雑さや曖昧さとは切り離された、
明確な境界線の中に存在しているのだ。

どのタイプの仕事も、
その人が生まれながらに持っている特定の能力と、
さまざまな程度の訓練を必要とする。

もちろん、各分野における具体的な能力のレベルは
人によって大きく異なる。

一般的な、あるいはハイレベルな能力とは、
明確に定義された境界線を超えた仕事をこなす能力のことである。

そのようなタイプの仕事の主題は複雑な「可変の宇宙」に存在し、
極めて曖昧で混乱しやすい。

そのためには、適応能力が必要であり、
異なるタイプの仕事間でスキルを移行させることができる。
これは、心理学を経済学に応用したり、
宇宙物理学を気候科学に応用するなど、
ある分野の専門知識をまったく異なる分野に応用する場合にも当てはまる。

一般的な、あるいはハイレベルの能力を必要とする職種の例としては、
企業経営者、あらゆる種類のプランナーや管理者、製品開発者、発明家、
ハイレベルのコンサルタントやアナリスト、軍事指導者やプランナー、
外交官、裁判官、政治指導者、ハイレベルの科学者や理論家などが
挙げられる。

仕事の特定能力と一般能力は別物ではない。
仕事の種類や「仕事」は、
ほぼ完全に特殊なものから、
ほぼ完全に一般的なものまであると言える。

ほとんどすべての仕事のタイプは、
その両方の要素を持っているが、
その割合はさまざまである。

これを説明するために、
私が個人的に親しんでいる会社の例を挙げよう。
この会社は複数のオーナーがいるソフトウェア会社で、
ほとんどのオーナーはこの会社で働いている。
オーナーの一人は、非常に有能なデータベースのスペシャリストである。

しかし、彼が会社全体の意思決定に貢献すると、
まったく問題になってしまう。
会社の管理体制は、
その役割と他の数人の役割を無力化するために
「修正」されなければならなかった。

この社員は、特定の能力は並外れているが、
一般的な能力は非常に低い。
彼は、特定のデータベースの能力を、
会社を未来へと導く能力に「移行」させることができない。
彼はデータベースの仕事以外では、
客観的に、あるいは感覚的に動くことができないのだ。

では、この従業員の一般的能力がこれほど低いのはなぜなのか、
もっと具体的に言えば、一般的能力とは何なのか。

一般的能力とは、
a)高い一般的知能(IQ)、
b)自分の結論が自分の意にそぐわないような状況でも
客観的に判断できる能力、
c)他人に影響されずに結論に達する能力(すなわち独立した思考)、
の3つの必要条件を必要とする。

後者2つの条件は、
人間の脳が環境とどのように相互作用しているかの直接的な結果である。

そのメカニズムは複雑すぎてここでは説明できないが、
単純化して言えば、
人間は現実との関係において、
感情的な外向き/主観的なものから内省的/客観的なものまで、
さまざまな幅を持っていると言える。

この変数は、
IQを含むすべての進化形質と同様、正規分布している。
このことは、人によっては理解しがたいかもしれないが、
かなり不穏な意味を持っている。

まずIQ、つまり一般的な知能を見てみよう。
真剣に複雑な仕事をこなしたり、
本格的な大学課程を突破したりするためには、
IQ125程度が必要である。

欧米では、このIQ以上を持っている人は人口の約5%しかいない。
つまり、潜在的に高い能力を持つ人材のプールは、
そもそも非常に小さいのである。

仮にIQ115をカットオフ値として、
ほとんどの準複雑な仕事に十分対応できるとしても、
潜在的な人材プールは人口の16%に過ぎない。

では、他の変数、つまり客観性と独立した思考を見てみよう。
この2つは相関関係にあり、
便宜上、同じ変数または特性として扱いますが、
そうではありません。

この2つは、IQと同じように正規分布しており、
多くは中間に位置し、両極端な人は少ない。
分布の片側には、単刀直入に言えば、
何に関しても個人的な見解と相互作用する可能性のある問題について、
客観的に考えることができない人々がいる。

彼らは、
自分にとって「中立的」な限られた分野(データベースなど)では
能力を発揮できるが、それ以外のことには関与できない。
競争的な環境で会社を経営することはできない。

都市、国、軍事作戦、経済、あるいは一般的な能力を
必要とするあらゆるものを、その知性に関係なく、
地に堕ちるまで経営することはできない。

このような人々は、
明らかに一般的/高度な能力を必要とする仕事には向いていない。
では、そのような仕事に向いているほど客観的で、
独立した考えを持つ人の割合はどの程度なのだろうか?

それを判断するのは難しいが、
最大でも人口の50%であることは明らかだ。

現実にはもっと少ないが、気前よく30%としておこう。
それは何を意味するのか?

IQと客観性/独立した思考はある程度相関しているが、
そうではないと仮定しよう。
潜在的に客観的で理性的な人々のプールが30%、
IQ125の人々のプールが5%あるとしよう。

つまり、高い一般的能力を持つ人のプールは30%の5%、
つまり人口の1.5%ということになる。
もし本当に寛大に、人口の50%が客観的で理性的で、
IQが115もあればそのような仕事には十分だと仮定するなら、
50%の16%、つまり人口の8%がプールされていることになる。

その重要性はいくら強調してもしすぎることはない。
このグループは、
人口の1.5%と定義しようが8%と定義しようが、
非常に貴重な存在である。

複雑な状況を確実に評価し、
合理的な判断を下すことができる唯一の集団なのだ。
それなしには、現代の技術社会は構築も維持もできない。

言い直そう。
このグループを特定し、
活用しなければ、
複雑な社会は地に堕ちるしかないのだ。

欧米の能力粛清

現代の西欧社会は、
統治という観点から見れば、
イデオロギーに突き動かされ、イデオロギーに支配されている。

欧州連合(EU)と米国の現政権が主導し、
非常に明確に定義されたイデオロギーの方向に突き進んでいる。

このイデオロギーは
この記事の主題ではないが、
理性的で独立した思考を持つ人なら
どこでも目にすることができる。

何も知らない人は、
EUの政策決定機関である世界経済フォーラムのウェブサイトから
始めるのがいいだろう。

a)社会のあらゆるレベルにおいて、
適切な人々を権力の座につかせなければならない、

b)破壊的な要素を排除または抑圧しなければならない。
すべてのイデオロギー的目標は多かれ少なかれ
現実と対立する傾向があるため、
客観的かつ独立的に活動する人々ほど、
イデオロギー的目標にとって破壊的な集団はない。

そのような人たちを権力の座に就かせてはならないし、
もし就かせなければならないのであれば、
静かにさせなければならないし、
一線に従わせなければならない。

したがって、客観的/合理的/一般的な能力を持つ集団は、
それが人口の1.5%であろうと8%であろうと、
資源というよりはむしろ問題となる。

これが今日の欧米の状況である。
欧米では実力主義が組織的に放棄され、
経済の大部分において、
そして政府において、
能力と報酬の関係がほとんど完全に断ち切られていることに、
多くの人々が気づいている。

欧米のイデオロギー的目標を達成するためには、
これが必要不可欠であることに気づいている人は少ないようだ。

高水準の能力は脅威であるため、昇進させることができない。
それゆえ報われることもない。
これを説明するために、
1.5%のメンバーが大きな権力を得ることを許された場合に
何が起こるかを見てみよう。

イーロン・マスクは頭が良く、おそらくIQは150以上あるだろう。
彼はまた、非常に客観的で現実的な評価をしており、
独立した思想家でもある。

彼がTwitter/Xを所有し統治することは、
西側のイデオロギー的目標にとって大きな問題である。

言論の自由は
どんなイデオロギーにとっても明らかな脅威であり、
傷口に塩を塗るために、
マスクはツイッターのイデオロギーの守護者たちを馬鹿にし、
その後全員を解雇し、有能な者だけを残した。

これは許されることではない。
EUはこのイデオロギーへの冒涜を止めるために武力行使を計画しており、
実際にヨーロッパでツイッターをブロックするかもしれない。

イデオロギーの擁護者(そしてトカゲ型ロボットの容疑者)である
マーク・ザッカーバーグは、
これに対抗して
イデオロギー的に純粋なツイッターのコピーを作るよう指示されたが、
失敗したようだ。
私たちは、さらなる対応を待ち望んでいる。
それは、法廷闘争から、
より「直接的」な行動まで多岐にわたるかもしれないし、
マスク個人に向けられる可能性も高いだろう。

西洋教育の再構築

前述したように、
イデオロギー的な目標が現実のものとなるためには、
2つのことが起こらなければならない:

それは、正しい人々を昇格させ、
間違った人々を抑圧することである。

この昇格/抑制のプロセスは、
幼稚園から大学まで、西洋の教育システムの主要な目標となっている。

教育制度が行ってきたことを見れば、
このことは極めて明白である。

いくつか例を挙げよう:
有能な者と無能な者との比較を避けるため、
能力評価は組織的に低下している。
試験は廃止され、恒常的な「プロジェクト」が行われる。
学校はできる限り個人を直接テストすることを避け、
それによって他人と比較する。
有能な者は奨励されてはならないし、
可能な限り、彼ら自身も自分が他
の者より上であることを自覚してはならない。

大学は、能力以外の変数に基づく定員割 りなど、
能力以外の基準で入学許可を決定する傾向を強めてい る。

最も陰湿な選抜方法は、
志願者が提出しなければならな い「個人的なエッセイ」であり、
成績以上に重要視されることもあ る。

志願者は皆、小論文で美徳をアピールすればするほど、
入学できる可能性が高くなることを知っている。
小論文に基づき、大学は
イデオロギー的に純粋な者を選ぶことができる--
そもそも小論文を課す唯一の目的はそこにある。

ほとんどすべての学問は、
非合理的で無能な学生を助けるために、
客観的なものから主観的なものへと変わりつつある。
これは、数学のような難しい科目でさえ当てはまる。

知性さえも主観的なものとなり、
愚かな者も知的な者と同じように賢くなることができる。

ほとんどすべての科目が、
無能な学生を助けるために以前よりも簡単になり、
医学のような重要な分野でさえ、
まったく無能で無知な人々が大規模に卒業するようになった。

このような組織的な基準引き下げは、
賢く理性的な学生に対する興味を失わせるという利点もある。

頭の良い学生は、
その科目が難しくなればなるほど、
他の学生に比べて相対的に成績が良くなる。

もしその科目が簡単であったり、
興味のないものになれば、
彼は凡庸に沈んでしまう。

イデオロギーの非合理性を脅かす可能性のある学問分野は、
大々的に破壊され、堕落してきた。
これはいくつかの分野に当てはまるが、
特に心理学と歴史学は、
本来の姿であれば西洋のイデオロギー目標にとって大きな脅威となる。

心理学はほとんど認識できないほど醜悪なものにねじ曲げられ、
歴史は最近ほとんど嘘ばかりである。

偽の学問は、
能力も知性も現実との関わりも必要とせず、
イデオロギー的に純粋な人々を訓練する目的で一から発明された。

こうした学問分野は、
インターネット上の「最も役に立たない大学の学位」リストに
載っているが、それは誤解である。

これらの学位はまったく役に立たないものではなく、
大学の "資格 "を与えることで、
イデオロギー的に純粋な人々を社会的に高めているのだ。

この資格は、彼らに社会的に重要な地位を与えることを正当化する。
西洋社会は一般に、合理性を放棄し、
主観主義(正式には「ポスト・モダニズム」と呼ばれる)に
置き換えている。
その目的は、単にイデオロギー的に純粋な人々を訓練し、
進歩させるためだけではなく、
主観主義を1.5/8グループと
その外の理性的な人々に対する抑圧の道具として使うためである。

理性的な人間を抑圧する最善の方法は、
その人間を完全かつ恒常的に不合理な存在にさらすことである。
それは本質的に、危険な理性的集団に向けられた、
文明規模のガスライティングである。

危険で理性的な集団が抑圧され、破壊される一方で、
イデオロギー的に純粋な「明日のリーダー」たちは、
教育を受けるよりも教化され、
本物の学位ではなく大学の資格を与えられ、
最終的には民間と公的部門の両方で、
際限なく偽の高給取りの仕事を与えられる。
この高給取りのイデオロギー的に純粋な集団が、
新しいイデオロギー体制の権力基盤となる。

無能者の上昇志向

教育制度への意図的な介入の目的は、
(無能な)能力とイデオロギーの純粋性に基づく
「移民パターン」とでも呼ぶべきものを社会に作り出すことだ。

適切な人材を適切なポジションや仕事に就かせる必要があり、
彼らは無能であるため、それを管理する必要がある。

彼らが資格を取得して学校を卒業した後は、
政府と民間企業が引き継ぎ、積極的に彼らを上に押し上げ、
一方で恐ろしい1.5/8グループは影響力と高給の仕事から遠ざける。

欧米の製造業のアジアへのアウトソーシングと、
企業部門における競争の事実上の廃止である。
これによって欧米経済の複雑性は大幅に低下し、
それに伴って1.5/8グループの必要性も低下した。

ほとんどの企業が
保護された環境でサービスを運営している場合、
高度で合理的な人材の必要性ははるかに低くなる。

また、ドル基軸の地位に基づいて
偽の経済を運営することから逃げられるなら、
無能な人々によって運営される偽の社会を運営することもできる。

イデオロギー的に純粋な人たちが
大学卒業資格を取得した後、どのように上方へ移動していくのか、
そして1.5/8グループが
どのように組織的に阻止されていくのかを詳しく見てみよう。

採用されている主な方法は5つあり、
それらが一体となって長期的な社会の乗っ取りプロセスを形成している。

その方法とは次のようなものである:
公共部門のフィルタリング-
公共部門における職務選考プロセスについて説明する。

最初は「フット・イン・ザ・ドア」方式が使われる。
少数のイデオロギー的に純粋な政治家や官僚が
システム内に身を置き、誰が採用されるかをコントロールし始める。

より多くの純粋主義者が
権力の中枢にアクセスできるようになるにつれ、
これは数十年の間に指数関数的に増加する。

現在のところ、このプロセスは非常にあからさまで、
採用政策文書に表れ始めている。
例えば、イギリス政府が「白人男性」を戦闘機パイロットから
排除した最近の例などである。
西側諸国は、軍隊を含め、
この方法で1.5/8グループを公的部門から
ほぼ完全に排除することができた。

公的部門の詰め込み-
公的部門のフィルタリングが進むにつれて、
システム内部の純粋主義者たちは、
純粋主義者の同胞のために
どんどんポジションを作り始める。

新しい部署が作られ、
作業グループや委員会が出現し、
公的部門は拡大する。

公共事業会社、病院、学校などの公営企業もまた、
イデオロギー的に純粋な人々の大量保管庫として使われることが多い。

これは欧米では極めて明白だ。
不必要な法律やイニシアチブはすべて、より多くの人々を必要とする。

政令による雇用創出-
この方法は、民間部門だけでなく、
半官半民の部門にも向けられる。
政府の純粋主義者たちは、
すべての企業が満たさなければならない
新しい法律や基準を作り始める。

それらは「善良さ」に基づいて正当化され、
たいていは環境、平等、安全などに関わる。
その結果、民間企業では、イ
デオロギー的に純粋な人たちのために、
特に人事やコンプライアンスなどのサポート部門で、
多くのポジションが創出される。

これによって、
民間部門に "足を踏み入れる "ことが可能になり、
純粋主義者が公的部門ですでに持っているのと同じように、
そこで権力のレバーにアクセスできるようになる。

民間部門のフィルタリング-
純粋主義者が民間部門、特に人事部門
(これは民間企業における純粋主義者の標準的なトロイの木馬である)に
アクセスできるようになると、
彼らは公的部門とまったく同じ方法で
新規採用者をフィルタリングし始める。

公共部門と同様に、
このフィルタリングのプロセスはより明白になってきている。

現在、かなりの数の企業が、
求人広告に採用しないグループを明記している。
頭脳明晰で独立心旺盛な思想家は採用しない」
とあからさまに言うことはできないので、
何らかの理由でそのグループの代理として
「白人男性」を使うのが普通だ。

性別や肌の色に関係なく、
プログラムに従わない者は解雇されることは間違いないが、
そのグループは特に脅威であると考えられている。

民間部門の人員削減-
イーロン・マスクがツイッターを買収した直後、
彼は従業員の80%ほどを解雇した。
この80%というのは
、同社のプライベート・セクターの詰め込み率であり、かなり高い。
特に世論に影響を与える可能性のある分野の企業では
(それだけではなく)、まったく不要な、
あるいは世論への影響力行使を目的とした役職を
大量に設ける傾向が強まっている。

こうしたフィルタリングや詰め込みの手法は、
イデオロギー的に純粋な人々が
西側社会を乗っ取るために使われてきた主要なメカニズムである。

他にも、ESG、特定の銀行や投資ファンドによる、
融資を受ける人と受けない人に関するフィルタリング、
イデオロギー的に純粋な人々によって企図された
無秩序な移民受け入れなどがある。

しかし、これらすべては本稿の範囲を超えている。
イデオロギー的に純粋な人々は、
公的部門と民間部門の大部分において、
ほとんどすべての権力の座に組織的に就いている。

民間部門の状況は、
雇用慣行と従業員の詰め込みにおいて、
公的部門をますます反映している。

危険な1.5/8グループはあらゆる手段を使って遠ざけられており、
大きな成功を収めている。
イデオロギーの権力基盤は強固なものとなっている。
この雇用移民計画は決して安くはない。
何百万という不必要な雇用には金がかかり、
西側の公的債務のかなりの部分が
この計画に起因していることは明らかだ。

その結果

理解しなければならないのは、
西側の社会と経済は
イデオロギーの上に置かれているということだ。

生産性、競争力、技術、科学は、
欧米ではもはや優先事項ではない。

このプロセスが西洋にもたらした結果を説明するには、
多くの記事や数百ページの本が必要になるだろう。
それでも、いくつかの例を挙げてみよう。
逆有能の危機-
このプロジェクト全体の目標は、
イデオロギー的に純粋な人々を
社会のあらゆるレベルの権力の座に就かせることである。

これらの地位は、
通常の競争社会では、
能力の高い1.5/8グループによって占められている。

このプロセスは今やほぼ完了し、
ほとんどの権力の座はイデオロギー的に
純粋な人々によって占められている。

その中には高いIQを持つ者もいるが、
彼らは客観的でも独立した思想家でもない。
彼らが支持しなければならないイデオロギーは、
そうした資質とは相容れないものなのだ。

これは深刻な結果をもたらす。
権力や影響力のあるポジションは、
他のポジションよりも(特定の能力とは対照的に)
一般的な能力を要求されやすいことを覚えておいてほしい。

権力が大きければ大きいほど、
その地位は一般的な能力を要求する。

現在、こうした役職に就いている人たちは、
イデオロギー的な熱意と信頼性によって選ばれているため、
上に行けば行くほど、
その役職に就いている人たちはイデオロギーに熱中している。

つまり、最も客観的で独立した思考を必要とするポストに、
最も客観的で独立した思考を持たない人々が就くことになる。
したがって、欧米では上に行くほど無能が多くなる
誰かが言ったように、"将軍は無能な大佐である"。

このようなことは、民間企業の一部を除いて、
どこにでも見られることだ。
そのような例外はもちろん、
今こうしている間にも対処されている。

2つ目の問題は、
すべての権力を握っている非合理的/主観的な人々の多くが、
それなりに高いIQを持っているということだ。

これは一見プラスに思えるかもしれないが、大きな欠点がある。
中程度から高IQの非合理的/主観的な人々は、
あらゆる人々の中で最も洗脳しやすい。
その理由は複雑で、別の記事で取り上げる必要がある。
しかし、これが意味するのは、欧米のトップ層は、その仕事に必要な能力に比べて最も無能であるだけでなく、最も柔軟で妄想的であるということだ。 コストと債務の危機- イデオロギー的に純粋な人々が、
イデオロギー的な権力基盤や影響力のある地位に移動することで、
西側社会では何の価値も生み出さない何百万もの仕事が生み出されている。このような仕事は、多くの人が思っているよりもずっと多く、
広く存在している。
西側諸国の労働力全体の20%から30%くらいが、
何の悪影響もなく解雇されても私は驚かない。
実際、その影響はプラスに働くだろう。
特に、そのような人たちが、自分に向いている
(主に単純労働の)実体経済の仕事に就けるのであれば。
脱工業化は、欧米の極端な債務水準と税負担のせいだと非難されてきた。
しかし、この巨大な無能集団を偽の仕事で維持することもまた、
西側に極端な負担を強いている。
西側社会は今や完全に持続不可能であり、
絶え間ない負債の増加なしには運営できない。
競争の危機- この危機は次のような例で説明できる:
ある分野で合計100%の市場シェアを持つ企業が3社あったとしよう。
この3社間には実質的な競争はなく、
顧客は他に行くことができないので、誰もが安心していられる。
これらの企業は、経営陣も含め、ほとんどのレベルにおいて
絶対的な無能を免れることができる。
効率性、安全性、生産性、コストについて考える必要はない。
しかし、有能な従業員を擁する競合他社がこの分野に入り込めば、
この3社は壁に突き当たる。
巨大な危機が訪れ、そのうちの1社以上が潰れる可能性が高い。
これはまさに現在の西欧経済の状況である。
独占と寡占がルールであり、ほとんどの西側大企業の主な目的は、
規制当局に賄賂を贈ったり、競争相手を買収したりして、
自分たちの部門に誰かが入り込むのを防ぐことである。
というのも、欧米企業の多くは現在、無能な経営陣によって運営され、
特にサポート部門や管理部門で無能な人材が働いているからだ。
ボーイング社の名もなき社員が737 MAXについて語った不朽の言葉は、
欧米の大企業のほとんどに当てはまる。
「この飛行機はピエロが設計し、サルが監督している」。
欧米企業はもはや競争力を失っている。
今や中国企業とは競争できないし、
やがて欧米以外の一般企業とも競争できなくなるだろう。
経済的な安全地帯の中以外では機能しないのだ。
実際、多くの企業ではすでに中国人が
実際の仕事をしているような状況であり、
仕事の再委託は、教育システムの再利用によって
引き起こされた欧米の人的資本の劣化のために(驚くなかれ!)
問題がある。
これは西側社会全体にも当てはまる。
欧米の指導者層や外交官層は、まさにこのような理由から、
もはや他の国々に対して競争力を失っている。
中国、ロシア、インド、その他あらゆる国々に、
ことごとく出し抜かれているのだ。
アフリカの指導者でさえ、今や欧米の指導者よりも有能である。
アフリカの指導者たちは、ここ数年、
一貫して欧米の指導者たちよりも自国民にとって
より良い決断を下してきた。
複雑性の危機- この記事の前半で、
1.5/8グループは現代社会にとって非常に貴重であり、
それなくして複雑な現代社会を管理することはできないと述べた。
欧米では、このグループはかなりの程度まで見放されており、
そのかなりの部分はもはや大学教育すら受けていない。
しかし、状況はそれ以上に悪い。
教育制度が再構築され、就職市場における能力と
報酬のバランスが崩れたことで、
大学教育を選択する意思決定プロセスが根本的に変わってしまったのだ。

心理学の学位を取れば(今は簡単だが)
もっと給料のいい仕事に就けるのに、
なぜ(難しい)工学を学ぶのか?

欧米の教育制度が再構築されたことで、
報酬構造が変わり、若者たちは簡単で役に立たない教育を
受けるようになった。
これはすでに西洋社会、特にアメリカにおいて
大きな危機を引き起こしている。
米国社会の複雑な側面を「維持」するためには、
多くのエンジニアや関連教育を受けた人々が必要である。
このメンテナンスは今、アメリカの大学で教育を受けた
外国人エンジニアに大きく依存している。

なぜアメリカ人は、報われないシステムで工学を学ぶのだろうか?
もし中国やインドが、
アメリカからエンジニアやその他の厳しい教育を受けた人々を
呼び戻すことができたら、
アメリカのシステムはおそらく維持できないどころか、
発展させることもできないだろう。
この状況は徐々に悪化し、
やがて社会を支える複雑なシステムを
稼働させ続けることができなくなる地点に到達するだろう。

そうなれば、より複雑でない社会への「リセット」が必要になる。
この4つ以外にも危機はあるが、
これ以上挙げて破滅論者のように思われるのは避けたい。

ロシアと未来

では、ロシアはどうなのか?

まず第一に、
ロシアが西側で何が起きているかを理解し、
そこから学んでいる明らかな兆候がある。
最近、ロシアはヨーロッパの教育標準化システムである
「ボローニャ・プロセス」から離脱した。

ボローニャ・システムは、
加盟国の教育を希薄化し、
本当の学位ではなく認定を実施し、
何があろうとコンセンサスに従う、
質の悪い教育を受けた一般的に無能な「専門家」で
ヨーロッパ社会を埋め尽くすという明確な目的がある。

ロシアはこのシステムを自国への脅威とみなし、
少なくとも部分的には、
より古く筋金入りのソビエトシステムに戻した。

第二に、ロシアは
軍を含む国家機構内で無能な者や
腐敗した者の粛清を行っているようだ。

実力主義が議題になっているようだが、
最近では急進的な概念だ。
ロシア人はおそらく、
こうした努力を国家と国家の存続に
不可欠なものと考えているのだろう。

中国の状況もほぼ同じであり、
非西洋世界の他の国々もこの流れに乗りつつあることを示している。

最近のロシア・アフリカ首脳会談の成果のひとつが、
ロシアがアフリカで組織した教育活動であることを思い出してほしい。

そのカリキュラムに女性学が含まれるかどうかは疑わしい。
現在、西側諸国とロシア、さらには西側諸国と
世界の間で起きている衝突は、
無能で非合理的な者と有能で合理的な者との衝突になりつつある。

しかし、窮地に追い込まれた非合理的な人間が
核兵器を手にしたらどうなるか。
それは誰にもわからない。

イデオロギーの上に社会を置くことで、
西側のエリートは自らを窮地に追い込んでいる。

競争することも、
経済や社会を発展させることも、
後戻りすることもできない。

西側諸国の問題を解決するには、
現在の金融化された偽のサービス経済に代わって
実体経済が復活する経済復興が必要だ。

これは、嫌われ者の1.5/8グループを
権力の座につかせることなしにはできない。

したがって、現在の西側の支配層が権力を握っている限り、
それは実現しないだろう。
西側社会は、現在のイデオロギー構成のままでは
経済復興に耐えられないだろう。
したがって、支配層が権力にしがみつくためには、
紛争が残された唯一の選択肢なのである。

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