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『ブラックボックス・ダイアリー』の伊藤詩織監督が、日本社会の性暴力への向き合い方を変えようとした理由

(普通なら泣き寝入りしてしまうところをよく一人で頑張ったね。
なかなか出来ることではない。:フランク)

2024年05月14日(火) 

伊藤詩織監督の長編ドキュメンタリー『Black Box Diaries』は、
監督自身の性的暴行の調査を描いたもので、
月曜日にHot Docsカナダプレミアで上映され、
スタンディングオベーションを浴びた。

山口敬之
元TBSテレビ報道局記者、報道特集プロデューサー、ワシントン支局長

この103分の映画は、
性的暴行を加えた有名テレビリポーターの山口敬之を裁くための、
伊藤の5年にわたる苦闘の軌跡を追ったものである。

ニューヨーク、タイムズスクエアのトムソン・ロイタービル

2015年、当時トムソン・ロイターのインターンだった26歳の伊藤は、
山口と飲みに出かけ、酔った勢いで彼のホテルの部屋に連れ込まれた。

映画によれば、日本では
レイプの被害者のうち警察に被害届を出すのはわずか4%だという。

しかし、伊藤は "私の身に起こったことが、
より多くの女性に起こらないようにするために、
真実を知ってもらい、日本社会を変えたいという強い思いを抱いた"。

https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163907826

2017年、伊藤はレイプについての手記『ブラックボックス』を出版し、
2018年には日本自由報道協会賞の最優秀ジャーナリズム賞を受賞した。
その後、長編ドキュメンタリーデビュー作となる
『ブラックボックス・ダイアリー』を発表した。
この映画は、極秘の調査記録、ヴェリテ映像、
そして感情的な一人称映像を組み合わせて、
日本で画期的な事件となった彼女の物語を伝えている。

「この映画の素材は、将来の使い道について漠然と考えていただけで、
自分自身を守る必要性から始まった。
「この映画の素材は、自分自身を守る必要性から始まった。
私は被害者になっただけでなく、
自分自身の事件の捜査官にもなったのです」。

2017年5月にレイプ疑惑を公表したことで、
伊藤は日本の時代遅れの性的暴行に関する法律を変える一助となった。
昨年、日本は同意年齢を13歳から16歳に引き上げ、
2017年には男性もレイプ疑惑を報告できるようになった。
このドキュメンタリーの月曜上映後のQ&Aで、
観客から2人の男性と1人の女性が、性的暴行を受けた過去を明かした。

「助けが必要な人、話をしたい人がいれば、
劇場に慰安セラピストがいます」と伊藤監督は3度目の告白の後、
観客に言った。

監督はさらに、トラウマとの向き合い方について
いくつかの提案をした。
「私は映画を作ることを勧めます」と伊藤は観客に言った。
「映画でなくてもいい。映画である必要はない。書くのもいい。

「ブラックボックス・ダイアリー』は、
1月のサンダンス映画祭でワールドプレミア上映されたが、
配給はまだ決まっていない。

Varietyで報じられたように、
この映画の販売代理店であるDogwoofは、
テリトリーごとにこの映画を販売している。

「プロデューサーのエリック・ニャリは言う。
「ストリーミングの道か、テリトリーごとの道か。
私たちは多くの選択肢を検討し、
テリトリーごとに販売することに決めました。

米国を含む多くのテリトリーが興味を示しており、
非常にエキサイティングだ"
ニャリは、この映画の配給は、
受賞シーズンのキャンペーンを伴うと説明した。

最終的にニャリと伊藤の最大の目標は、
このドキュメントの日本での配給先を見つけることだ。
「一番厄介な(市場)ですね」とニャリ。

「詩織のストーリーは、
日本では決定的なものだが、他の国ではそうではない。
そこで最大のインパクトを与えるためには、
戦略的に大きな波紋を呼び、
できればまず国際的に認知されるようにしたい。

ニャリはその一例として、
伊藤のケースを扱った2018年のBBCテレビの1時間に及ぶ
ドキュメンタリーに言及した。

「BBCが詩織さんのケースを取り上げて初めて、
日本のメディアは
この問題と彼女のケースに向き合わざるを得なくなったのです」
と彼は説明した。
「ですから、日本で公開されることは間違いありません。

https://t.co/dAcs1y8IQO

サンダンス2024 日本の#MeToo運動の顔 伊藤詩織が
『ブラックボックス・ダイアリー』を語る


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