「まとも」じゃないとは

いつもありがとうございます。
高円寺で酒チャンスという立ち飲み屋にたっております。
好い陽気になってきたので皆様遊びに来てください。

さて、本日お客様と「まともな人なら仕事は困らないですよ」とお話しをしていて「まとも」の定義について考えさせられてました。
金融機関ならば銀行業務検定を持っていて、ちゃんとコンプラを守っていることかもしれません。総務系の仕事の方ならエクセルやワードを使った書類作成をこなせることかもしれません。

酒チャンスに立つ前私は小さな工事の仲介、手配、施工で口に糊していました。
詳しくは下記


その時代「まともな人」というのは時間通りに現場に来て、帰り、トラブルを起こさない人を指す言葉でした。
※現場を一人で納めてくれる職人さんではない作業員レベル、それよりももう少し下の話です。

まともじゃなかった人たちについて少し思い出しました。

①コンビニから帰ってこなかったAさん
現状回復工事前に残置物の撤去の手伝いで解体屋さん経由で来たAさん。4時間で8千円の約束で来てもらった。

「今日はタンスと冷蔵庫。洗濯機をトラックに積んで終わりです。あとは一人でやるんで、それだけ終わったらかえって良いですから。」
運び出し前に整理をして段取りを組み立てていた10時ごろ「太郎君、一服しよう。コーヒー買ってくるよ。あー、でも俺金ねえんだ!」「じゃあ、いいすよ、半分(4千円)渡すんで昼飯も買っといてください。」
そのままコンビニから現場に帰ってくることはありませんでした。
お昼くらいまで「迷っちゃったのかな?」なんて心配してたのがあほらしいです。紹介してくれた解体屋の親方には「ああいうのにお金渡したらそれはだめだよ」と文句を言うどころか、注意されてしまったのはなんというか人生観、人間観が変わりました。
今でも日給8千円で解体屋さんに使ってもらってるそうです。
※残置物は階段に養生用の毛布を敷いて引き摺って下ろしました。

②どこでもいつでもだれとでもけんかしちゃうおじさん
普段は普通の人で、時間通りに来て帰るし、何もなければむしろいい人なんですがとにかく瞬間湯沸かし器のおじさんでした。

例を挙げると、車を運転していて目の前のタクシーが変なところで止まったからサイドブレーキを引いて飛び出して喧嘩する。街中で肩がぶつかった、警備員の態度が気に入らなかった、等々どこにスイッチがあるかわからないくらいに怒りっぽい人でした。
現場を片付けている時にお客さんが来て手直し個所を打ち合わせしている時にお客さんに噛みついたのをきっかけに離れました。
知り合い伝手にきいたところこの前は松屋で丼をひっくり返して店員さんを怒鳴ったそうです。早く捕まってほしい。

③おさぼりおじさん
工事現場は9時に作業始め、10時小休憩、12時昼休憩。15時小休憩、17時あがりが大まかなスケジュールですが、トイレや一服、お使いなどを駆使して1日3時間くらいしか現場にいないおじさんです。
ただ、愛想はよく、親方も可愛がってみんなにもマスコット的に好かれていたから今思えば本当に体が弱かったのかも。

番外編
ヤクザごっこおじさん
ヤクザ映画、雑誌が大好きな左官屋のおじさん。作業服じゃないときはそれっぽい服を着て一緒にやってる職人さんを「兄弟」、現場の親方を「オヤジさん」と呼ぶ。腕は良く、ヤクザっぽいのが好きなだけで荒っぽい気性でもなかったのでみんなから好かれていたのだが…

ある日、現場に緊迫した表情の警官が2名来て「この近隣でヤクザが銃のようなものを振り回していると通報がありました。」とおっしゃる。
当然身に覚えのない私は「特に何も見てませんが、何かあれば通報いたしm」と言いかけたところにヤクザごっこおじさんがバツの悪そうな顔をして「すみません。私こういう物を持ってまして、これでタバコを吸いながら遊んでまして」と拳銃の形をしたライターを持ってくる。
それから5分くらいお巡りさんに「いい年してこういうことは辞めろ」と説教されて解放されました。
ちなみに今では「俺が拳銃型のライター持ってたらマッポ(警察官の意)がホンモンと勘違いして飛んできたんだよ」と過去を改変して自慢してるとのこと。

なんというか、業務上の品質や段取り以外で驚くことが多かったな。と懐かしく思い出されます。

それじゃあ太郎、長男にミルクあげて眠るから

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