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物語をつくった、夏の思い出。

それぞれの思いで集まった20人の受講生こと
「アルテナラパフォーマーズ」と
運営チーム、講師チーム、大学生チーム、プロチーム
そして、250名を超えるお客さん
8月5日、世田谷ものづくり学校で開催された
「アルテナラ世田谷」
たくさんの方々でつくった1日がおわりました。
まだ今月末、講座の修了式がありますが
記憶がフレッシュなうちに
長い物語みたいな半年間を振り返ってみようと思います。


1.物語のはじまり。

8月5日をひとつの目標に
5月から講座を受けてきた受講生。
わたしもその1人としてこの企画に参加しました。
(イベントの概要はこちら↓)

世界一いけてる幼児教育の街の、世界一いけてるイベントを、ここ日本の世田谷で!|Ray Tanaka|note(ノート) https://note.mu/frogizm03/n/n0cbf7885236f

このイベントに参加した多くの人がそうであったように
わたしも興味の発端は「レッジョ・エミリア アプローチ」でした。
どんなアプローチなのか
その成功の秘訣は何か
どうやったら日本でできるのか
その答えを求めて2月のキックオフフォーラムに参加しました。

でも、その期待は
この半年間で見事に裏切られました。
とてもあったかい実感を伴って。


2.20名の登場人物と、なかまたち。


保育士、地域振興、ママ、デザイナー、ライター、大学生...etc
様々なお仕事に携わる、熱いパッションを持った
老若男女20名のアルテナラパフォーマーズ。
この良くも悪くも暑苦しいひとたちと
それをどこまでも通りそうな声と緊張感でまとめる講師の山田宏平さん
独特の空気を放つ、俳優でありアシスタントの小田さやかさん。
そして主催のこととふラボのみなさん。
このメンバーで5月から本番まで、9回の講座で活動してきました。

前半は20名のメンバーで
声を掛け合うグループワークをしたり
レッジョナラの現地視察を共有したり
「桃太郎」の話を解釈し、ひとりひとり発表したり。

後半は本番に向け
偶然に分かれた5つのグループでのグループワーク。
割り当てられた物語を各グループで解釈し
本番の演目を作り上げる作業です。
「役者」として活動する人がほぼいない20名の
「イベントに携わりたい」という気持ちが
「表舞台に表現者として立つのか...!!」という壮絶な緊張感に変わり
本当に全員が必死でした。

グループでつくった演目を発表し
発表した側と見た側の全員で感じたことを共有し
演目に修正を加える。
緊張感漂うこの一連の繰り返しの中で
「こうしなくちゃ!」という正解を求めてしまいがちな私たちに
「求めるのは正解ではなく、心地よさ」
と呼びかけてくれたのが講師の山田さんでした。
(これまさに私も自分の活動で訴えていることやん!と感動しました)

そのおかげで
「正しい読み語りとは何か?」という思考から
「自分たちらしい読み語りをつくろう!」という意識へ
じょじょに変わっていった私たち。
各グループ、それぞれの特徴がある不思議な一体感が生まれ
どのグループも本当に真剣に、楽しんで演目を作っていました。


3.自由な4人組。

わたしのグループ「wonder4」は
アート、音楽、文章、身体など様々な表現を愛する
とにかくアドリブやライブ感が大好きな4人。



お客さんとのインタラクションをメインにすること。
割り当てられた物語をそのまま表現するのではなく
私たちなりの解釈で、1から演目を作ること。
この二つを通し
「社会には、おもしろい大人がいるんだ!」
ということを伝えよう!と演目を作りました。

個性が豊か、言い換えれば自由人な4人。
それぞれの個性に全員で向き合い
共有し
それを元に役を設定。
セリフも一語一句は決めず
大きな流れだけを共有して、本番にのぞみました。


4.物語の、山場、ハズカム

そして迎えた8月5日。
250名をこえる
たくさんの親子が会場に足を運んでくれました。

アーティストによるワークショップや
プロのパフォーマーのプログラム
大学生によるワークショップなど
本番ならではのコンテンツ盛りだくさん!
世田谷ものづくり学校にはおおにぎわい。


そして、アルテナラパフォーマーズの5つのおはなし

改めて自分以外のチームの、完成した演目を見てびっくり。
練習時より、かなり進化してる!
みんなそれぞれの形で、その空間にいる全員をまきこんで物語をつくってる!
グループのもつ個性が効果的に、前面にでてました。

そしてわたしたちの演目
「おおかみがきたぞー!」
羊の村に襲いにくる腹ペコオオカミを
追い払う作戦をお客さんと一緒に実行します。

演目中
いろんな意見を出してくれる子供たちや
笑顔で楽しんでくれるお客さんが目に入ってきて
とてもとても嬉しかったです。


最後はアルテナラパフォーマーズ全員によるおまけ演目。
「20匹のねこ」

(photo byさっちゃん)


全2回のパフォーマンス
そして1日が
あっというまに、おわってしまいました。



5.予想外のところからでてきた、物語のメッセージ。

この濃厚な時間を、まだまだ咀嚼しきれていませんが
わたしはこの企画に参加して
たくさんの人に出会い
「ありのままでいること」の居心地の良さと自信をもらいました。
それはこの企画に関わる人たちに共通する
「いろんな人を受け入れよう」という
姿勢からもらったものだと思います。

そして、そんな環境の中で
演じる、パフォーマンスをするという表現に関して
私は「演技」という言葉は
全然しっくりこないなあと思っています。
それはきっと
「演技」という技術的なニュアンスよりも
お客さんやメンバーと「物語を一緒につくろう!」という思いで
表現をつくっていたからだと思います。


まさにこの2つ実感が自分の中で言葉になったとき
!!!
あることに気がつきました。
冒頭にも書いた「裏切り」。

「レッジョエミリアアプローチ」と名がついたそれは
正解を学ぶものではなく
「自分と、関わる全て人の、つながりの中から自然に生まれるもの」
だったんだ!!!


レッジョエミリアの市が、市民に講座を与え
市民が講座で受け取った学びを、子供たちに表現で伝え
子供たちや市に返していく
「贈り物の循環」。

レッジョエミリア市の復興の始まりともなった
「その人がいることでできる、新しいことは何か」

講座の初期に聞いたこれらのキーワードが
あらゆる人を受け入れること
つながりをつくること
それぞれが持つ個性を生かすこと
「今」を共有する全ての人と、一緒に物語をつくること
未来につなげていこうとすること
これら一連の体験を通して
とても自然に
自分の中に実感を伴って染み込んでいました。

答え、いつのまにか自分のなかにあったわ。
いやあ...やられました。


6.物語のつづき

こんだけまとめてみましたが
それでもこの物語は
これでおしまい!
というものではないと
どこかでうすうす感じています。
というか、おしまいにしたくない。

まずは今月末の修了式。
そしてこの登場人物と仲間たちが
それぞれの日常にかえっていったとき
どんな循環につなげていくのか。

いやー、ほんとに壮大ですが
壮大なことって、とても自然に
身近なところで起こっているものですよね。



イベント当日足を運んでくださったみなさま
ひねくれた私を楽しんでくれるみなさま
何から何まで先に先にフォローしてくれたみなさま

ありがとうございました!

物語は、つづきます。


★この記事を書いた後に読んだ(遅)、講師山田さんのインタビュー記事。共通認識を自然に持っていたことに、またおどろく。
http://mazecoze.jp/cat7/4631
講座、たのしそうでしょ?

いつも長文を読んでいただきありがとうございます! サポートは、企画のための画材&情報収集に活用させていただきます。