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「正解がない」を咀嚼してみる。〜umumアトリエvol.5開催レポート〜

記念すべき(?)平成の夏最後の日に
umumアトリエvol.5「こころで観察しよう」を開催しました!

企画のコンセプト、初回の様子はこちら↓

「うまいね!」を封印した、アートの時間〜実践編 umumアトリエ開催レポート〜|Ray Tanaka|note(ノート) 


昨日の開催に集まってくださったのは老若男女合わせて8名。

まずは、毎度おなじみの準備体操。
お一人に一冊クロッキー帳をお渡しし
様々な描画材の感触を体になじませる時間です。

色鉛筆、マーカー、パステル、クレヨン、絵の具....
様々な画材の特徴をつかみ始めたところで
次は「オノマトペ」の表現に挑戦。
「ぴかぴか」「しゃきしゃき」など言葉の印象を絵にします


目をとじて、言葉のイメージを膨らませ
マッチする画材を探し、描いてみる。
ご自身の感性との対話の始まりです。

ここで、いよいよモチーフの登場!
今回用意したモチーフはこちら。

植物のほか
アロマオイル、楽器、塩やタバスコ、氷、土、大きなブラシなど
視覚だけじゃなく、嗅覚や味覚など五感に刺激的なものを用意しました。

普段「絵をかく」といえば
視覚からのインプットを元に
「見たものを見たまま表現する、デッサン」をしがちですが
今回は視覚以外の感覚からのインプットも、積極的に描きます。

じーーくり見るほか
触ったり
嗅いだり
音を鳴らしてみたりしながらインプットし
自分の中に生まれた印象を表現します。

自分の五感で観察することがつかめてきたら
今回のテーマ、直感的に短時間で印象を描く技法「クロッキー」に挑戦!

まずは5分間のクロッキーからスタート!

コップについた水滴の印象を描いたり
鈴の音色の重なりを描いたり。
時間ごとにモチーフを変えながら
4分、1分....とどんどん時間を短くしていき

感性フル活用の100分間の制作が終了〜〜〜!!


最後は対話型の鑑賞会で振り返ります。
自分が何を感じたのか
絵がどう変化したのか
自分のお気に入りの一枚などなど
この時間の気づきをお一人づつ発表していきます。



表現の重なりを楽しむ人や
気に入った画材での表現を突き詰める人
様々な画材の、同じ色を集める人。
唐辛子の形を描く人、燃えるような辛さを描く人。
同じ画材を使っても
同じモチーフを描いても
作品は、ぜんぜん違う!!

この日はお仕事帰りでお疲れの方も
「絵を描くことで疲れが取れる、解放されることを知りました!」
という言葉をくださったり
「人生で初めて、かっこつけない絵をかけた気がします」
という嬉しい声も。

私はこの日
老若男女8人が利害を考えず
それぞれの自己表現に没頭していたこの空間が
理想的な社会の縮図だなーと感じていました。
それは「正解がない」ことが一つの要因ではないかと考えています。


<正解がない、を咀嚼する>

umumアトリエでは毎回
「正解がない」ことを体験すること。
そこで見えてくる「違い」を楽しむこと。

この2つを大切にしています。

それは、なぜか。


アート思考やクリエイティブシンキングなど
芸術のもつ様々な特徴が注目されているこの頃。
アートがどのように役立つのか?
どんなアートに価値があるのか?
「良い(正解)」「悪い(不正解)」「近道(どのように)」
求める声をよく耳にします。

だれかが「これが正解だよ」と教えてくれることは、すごく簡単です。
だれかが決めた「正解」にならうことが
私たちおとなが小さい頃受けていた教育の特徴でもありました。


しかし。
これをこうしたら間違い
こういう作品は価値が低い
これがこうなればOK
などの「正解」は、アートにはありません。

大事なのでもう一回言います。
アートには「正解」がありません。

何をやっても正解じゃないし
何をやっても間違いじゃない。
正解も不正解も価値も
全て、自分の心で決める

多くの人にとって、普段とは異なる判断の仕方です。

だからアートは、既存の正解が過渡期を迎えているこの社会で注目され
必要とされているのではないでしょうか。


さらに先日noteでも書いた
「レッジョ・エミリア・アプローチ」に関わる体験
から
生活の中でこのように判断する人が増えていけば
同じ方向の志をもった仲間が集まり
「正解」から始めるより、太く長い動きを作り出す
のではないか
と感じています。
みんなが自分の心で動く、「私事」だから。

それはビジネスだけでなく
障害者と健常者、LGBT、差別、いじめ
教育、経済、宗教
これまで長ーい時間をかけて多くの人が取り組んできた
「正解」がわからない様々な事柄にも
何かしらの動きを生みだすことができる気がしています。


想像してください。
道路標識も信号も横断歩道も電気もない
まっくらな道。
誰の手も入っていない未開の地ともいえるその場所を
自分の心のままに進むのって
かなり勇気がいります。

でも、
そこで自分が感じることや
道中出会う仲間の存在ってすごく大きい。
そのドキドキや体験って
絶対忘れませんよね。

きっと「こっちが正解だよ」と教わった方向に行く何倍も
ドラマや学びがたくさんあるはず。

「正解がない」ことを体験する場。
そこで見えてくる違いを楽しめる時間。

わたしが作り出す場所はめちゃくちゃ小さいけど
これを参加してくれた人、一人一人が持ち帰り
暮らしのあちこちに自然な形で動きが生まれることを願って。

私はこれからもアートという方法で
そんな場所を作り続けます。
私自身も「自分の心」で判断しながら。


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