ひとり
日溜りの中で
互いに牽制し合って
回っていた
枯葉が二枚
振り返るまでは
私のあとをつけてきていた
何と季節はずれな話
ちぐはぐな風景の中で
どさっと落ちてきた
日の重さにうろたえれば
重いのは私の方だと
影が足もとから愚痴っている
領海侵犯とばかりに
威嚇射撃の恐怖をのみこんで
おそるおそる
ブロックべいに背もたれてみる
ふと胸の中を吹いていった風
大きな穴をつくっていった
もともと張り子の胸の内
坊やの鯉のぼりを泳がせようか
もう空っぽだけど
誰にもまけぬほど
広いのよ
主のない
ポールのてっぺんで
矢車が
ひとり音をたてる
おわり
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