晴釣雨読

専門は地球滅亡学です。本に囲まれて生活しています。スポーツ観戦も大好きです。自然科学・…

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専門は地球滅亡学です。本に囲まれて生活しています。スポーツ観戦も大好きです。自然科学・環境科学・日本の古典文学・日本の歴史・世界の歴史などの今まで読んできた本について投稿していきます。

最近の記事

カガクの扉を開く読本その3 ノーベル賞を取りたい編

はじめに  日本政府は、科学立国を目指して、政策を行っていると言っていますが、実は世界からどんどん取り残されることばかり行っていますね。本当に。  一番いけないのは、国立大学の独立法人化ですよね、これは単に国が金の負担をしなくてよいようにしてるだけで、研究環境の悪化を進めているだけです。目先の結果だけが求められ、日々の光熱費などを気にしながら研究をする、決められた期間に研究の成果が出なければ切り捨てられる、契約期限を気にしながら成果を求め研究をする。そんな環境で落ち着いて研

    • 古典文学お手軽読本その15 和泉式部日記編

      はじめに  和泉式部日記とは、単なる日記文学だと思っていたのですが、どうも違うらしいのです。それは、相手の男性側に関する記述まであると言うことです。そう言われてみれば、相手の男性の家の様子などがなぜ分かったのだろうと思いますよね。ということは、この作品は、和泉式部が記述したのでは無く、第三者の作者が、両者に取材をして日記風に書き上げた、ノンフィクション作品という可能性もあると言うことです。あなたはどう思いますか? 1.現代語訳 ◎『ビギナーズクラシック 和泉式部日記』

      • 古典文学お手軽読本その14 徒然草編

        はじめに  徒然草は、やはり出だしの文章が印象的です。  今回は、視点の違う本を、何冊か紹介します 1.現代語訳 ◎『ビギナーズクラシックス 徒然草』  角川書店:編 KADOKAWA 角川ソフィア文庫 (よくまとまっていますが、訳文が今風と言いますか、軽い印象を受けます。ちょっと、読んでいて違和感がありました。気になります。) 2.解説本 ◎『ヘタな人生論より徒然草 ~賢者の知恵が身につく大人の古典~』  荻野文子:著 河出書房新社 河出文庫 (徒然草は哲学書なん

        • 古典文学お手軽読本その13 今昔物語集編

          はじめに  芥川龍之介先生が有名ですが、この本の内容を題材として小説が書かれたりもしますね。講談社学術文庫から現代語訳の本が出版されまして、古典文学お手軽愛好家としましては、すべて読めるのは喜ばしいことです。しかし、全部読むことはこんなに大変なことなんだと、今は思っています。  話は変わりますが、同じ講談社学術文庫から『宇治拾遺物語』の全訳注の本が出版されたのですが、あまりにも分厚くて、しかも二 冊に分かれていて、とても持ち運びできる代物ではありません。欲しかったけど、買う

        カガクの扉を開く読本その3 ノーベル賞を取りたい編

          古典文学お手軽読本その12 方丈記編

          はじめに  方丈記は、文章は短いのに、出だしがやはり印象的で、未だに言えます。でも、作者の鴨長明は、かなり苦労をしてきたようで、そのあたりのことが、最近、水木しげるの漫画や小説などで取り上げられて知ることができました。 1.現代語訳 ◎『ビギナーズクラシックス 方丈記(全)』  武田友宏:編 KADOKAWA 角川ソフィア文庫 (鴨長明が、どのようにして無我の境地に入っていったのかが分かります。) ◎『方丈記』  鴨長明:著 蜂飼耳:訳 光文社 光文社古典新訳文庫 (

          古典文学お手軽読本その12 方丈記編

          古典文学お手軽読本その11 落窪物語編

          はじめに  『落窪物語』は、日本版の『シンデレラ』の話です。寝殿よりも一段低い、落窪の部屋に入れられた「落窪の君」は、継母にいじめられて、毎日着物の仕立てなどの仕事を押しつけられていた。そこへ、左近少将という王子様が現れ、「落窪の君」を救出するという物語です。  話は変わりますが、平安時代のお姫様って日々何をしていたのでしょうか、イメージ的にはズーと部屋の中にいて、「おほほ」とかいいながら、おしゃべりとかして過ごしているイメージだったのですが、落窪物語を読んで、待てよと思い

          古典文学お手軽読本その11 落窪物語編

          カガクの扉を開く読本その2 カガクで世の中を見る編

          はじめに  カガクの目で見ると、色々な世の中の仕組みが見えてきます。その中で、本当はしっかりと見極めていかなければならないテーマについての本を紹介します。 この現実から目をそらすなの10冊 1.『奪われし未来』  シーア・コルボーン他:著 長尾力:訳 翔泳社 (最近、あまり話題にならなくなった、環境ホルモン(正式には外因性内分泌攪乱化学物質といいます)。短絡的な犯罪の増加、性同一性障害、ガンの増加など、近年の色々な問題が実はホルモンの撹乱が関わっているのでは? と言われ

          カガクの扉を開く読本その2 カガクで世の中を見る編

          古典文学お手軽読本その10 とりかへばや物語編

          はじめに  『とりかへばや物語』は、平安末期に書かれたと考えられる、作者未詳の物語です。話の内容としては、男女が入れ替わるという物語です。「男らしさ」や「女らしさ」って何だろうということを考える上でも、読んでみて欲しい物語です。  男女が入れ替わるという話としては、大林宣彦監督の『転校生』という映画が有名です。最近のテレビドラマでもちょくちょく使われるネタになっています。  そんな話の内容を、すでに平安時代に考えた人がいるなんて! こういう話を古文の授業などでやってくれれば

          古典文学お手軽読本その10 とりかへばや物語編

          カガクの扉を開く読本その1 科学入門編

          はじめに  日本では、理系と文系に色分けすることが好きで、数学ができなければ理系には進めないという、変な神話のようなものができています。とんでもない!!  カガクはあなたの身の回りのすべてなのです。理科や数学が苦手だという人も、カガクの世界を親しめるような、そんな本を紹介したいです。また、こんなテーマにはこんな本があるよというものを、テーマ別に紹介していきます。 カガクの世界に踏み込む10冊 1.『空気の発見』  三宅泰男:著 KADOKAWA 角川文庫 (ノーベル賞を

          カガクの扉を開く読本その1 科学入門編

          古典文学お手軽読本その9 漢文編

          はじめに  漢文は、角川ソフィア文庫から、ビギナーズクラシックシリーズが出版されています。何冊か手には入れているのですが、まだ通しでは読んでいません。  しかし、漢文をマンガで読めるという、画期的な本が世の中には出ています。  同じ作者が、仏教思想についてもマンガで解説をしているので、その本も合わせて紹介します。(まあ、仏典も漢文ですから。) 1.マンガで漢文を読む ◎『マンガ 老荘三〇〇〇年の知恵』  蔡 志忠:作画 和田武司:訳 野末陳平:監修  講談社 講談社+α

          古典文学お手軽読本その9 漢文編

          古典文学お気軽読本その8 小倉百人一首編

          はじめに  百人一首は、児童向けとかもあるし、京都のおせんべい屋さんで冊子を配っていたり、色々出ています。とりあえず、読んだことのある本を紹介します。 1.現代語訳・解説本 ◎『ビギナーズクラシックス 百人一首(全)』  谷 知子:編 KADOKAWA 角川ソフィア文庫 (和歌→歌の意味→解説の構成になっています。出典やどういう場面で読まれたのか、読み手はどういう人なのか、本歌取りの歌ならばどの歌からとったのか。色々なその歌に関する情報をコンパクトにまとめてあります。コ

          古典文学お気軽読本その8 小倉百人一首編

          古典文学お手軽読本 その7 万葉集編

          はじめに  万葉集は、歌の背景などが書かれていて、そこからヒントを得て、小説などを書いている人が多いですね。そんなのも、まとめて紹介できたらと思いますが、それはまた、いつか。 1.現代語訳・解説本 ◎『ビギナーズクラシックス 万葉集』  角川書店:編 KADOKAWA 角川ソフィア文庫 執筆担当:坂口由美子 (万葉集を勉強する手始めとしては、よい本だと思います。) ◎『わたしの万葉集』  平岩弓枝:著 新潮社 新潮文庫 (万葉集の歌を、テーマ別に解説している本です。読

          古典文学お手軽読本 その7 万葉集編

          古典文学お手軽読本その6 竹取物語編

          はじめに  竹取物語は、日本最古の物語と言われています。作者は分からないと言われています。でも、出てくる5人の求婚者は実在の人物なので、その当時のその人物のことをよく知っている人が原案のようなものを創作して、その後色々な人の手が加えられて現在の形になったのだと思われます。  その原案を作ったのは、あの柿本人麻呂では無いか? などと最近思うようになりました。実在の人物の宮廷に近いところにいた人であること。梅原猛さんや万葉集の記述では、晩年流刑にされて岩見国に流され死んだらしい

          古典文学お手軽読本その6 竹取物語編

          古典文学お気軽読本その5 古事記編

          はじめに  古事記は、色々な説を勝手にまとめてみると、原案(天皇記・国記)を作ったのが聖徳太子(厩戸皇子)で、それを基に歌物語に再構成したのが柿本人麻呂で、稗田阿礼とは藤原不比等のことで内容を女帝(持統天皇=天照大神)中心に書き換え、太安万侶が文章化したと考えているのですが、最近すごく面白い小説が出ていて、ちょっと考えてしまいました。 1.現代語訳 ◎『ビギナーズクラシックス 古事記』 角川書店:編 KADOKAWA 角川ソフィア文庫 (用語の説明もあって、良いです。)

          古典文学お気軽読本その5 古事記編

          古典文学お手軽読本その4 蜻蛉日記編

          はじめに  『蜻蛉日記』は、藤原道綱の母の日記ですが。子供の道綱君、大河ドラマでもあまり優秀でない人のように描かれています。これは、『小右記』という本に、「文字も読めない人」と書かれていたためですが、本当? 正妻の子では無かったので、他の兄弟ににらまれないように、もしかすると、そういう振りをしていただけではないでしょうか? 実は、すごい優秀な人物で! とかいう感じで描いて欲しかった。 1.現代語訳 ◎『ビギナーズクラシックス 蜻蛉日記』  角川書店:編 KADOKAWA

          古典文学お手軽読本その4 蜻蛉日記編

          古典文学お手軽読本その3 枕草子編

          はじめに  枕草子って、中宮定子の悲劇の裏返しに、ひたすら明るい話になっているということを知ったのは、最近のことでした。学校の古文の授業ではそんな話は無かったような気がします。 1.現代語訳 ◎『ビギナーズクラシックス 枕草子』  角川書店:編 KADOKAWA 角川ソフィア文庫 (入門書としては最適です。用語の解説もついていて良いです。) ◎『杉本苑子の枕草子』 わたしの古典シリーズ⑨  杉本苑子:著 集英社 集英社文庫 (枕草子をすこし現代っぽいカタカナ語も入れて

          古典文学お手軽読本その3 枕草子編