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Roblox、令和の小学生のゲーム制作の入り口としてベストか?

きょうはいつもとかなり趣向が異なるお話。
あと、何か投げかけたい風のタイトルになっているが特に結論もオチもない。

これを書いているのは5月6日でゴールデンウィーク。
自分は普段はPyxelでレトロゲームを作ったりしている非現代的なおっさんだけれど、GW中は制作から離れようと思ってNetflixで最近の映画やドラマを見たりしていた。

うちには6歳(小1)と4歳の子どもがいる。
自分も小学生になったあたりからファミコンで遊んでいたので、子も小学生になったら本格的にゲームやりだすだろうと思っていた。
ただし、自分が想像していた「小さいころにハマるゲーム」はマリオやカービィ、もしくはポケモンとかだったのだけども、実際はちょっと違った。

4歳の下の子も含めてうちの子たちに絶大な支持を受けているのは「Roblox」である。

Robloxとはなんぞや?

・・という方のために説明すると、Robloxは「Youtubeのゲーム版のような、3Dゲームプラットフォーム」などと言われる。
Robloxという単体のゲームを指すのではなくて、Robloxの中に何千何万(もっとか?)ものゲームが入っていて、それは全てRobloxのユーザが作って公開したものである。
Youtubeは動画を観るプラットフォームで、やろうと思えば誰でも作る側に回れる。それのゲーム版というわけ。マリメ(マリオメーカー)知っている人なら、それのもっと汎用版と言うとイメージしやすいかもしれない。プチコンというとちょっと言い過ぎで、そこまで制作のほうがメインではない。

RobloxはYoutube同様にワールドワイドで、全世界に2億人のユーザがいるらしい。
制作したゲームはローカライズもできるし、RobuxというRoblox内共通の仮想通貨を使ってゲーム内でアイテムを販売し、収益化することもできる。
主人公は基本的には自分のアバターで、操作体系も基本的に一緒(ゲームによってカスタマイズできるが)。一般的な3D視点で、歩いたりジャンプしたり、視点を回したり視野を拡大縮小できたりするやつ。
なので、ある程度操作に慣れればRoblux内の新しいゲームをやるときも基本操作には習熟した状態でプレイできる。また一般的なソシャゲ同様、課金はあくまでアイテムに対して行うもので、ゲーム自体は無料なので、次々と発表されるゲームを敷居低くぽんぽんと遊ぶことができる。
非常によくできた仕組みである。

平成初期の小学生の場合

とつぜん私の昔話になるが、通っていた小学校にBASICを搭載したPCが大量に置いてあるパソコン室があった。
時代としては昭和の終わり〜平成の初期である。もしかすると当時としては先進的な部類だったのかもしれない。

この「パソコン」で「プログラミング」をすれば自分でもゲームが作れる、ということを何がしかで知って、小学4年生のときに父親がパソコンを買ってくれたので、以来高校生くらいまで自分はファミコンやスーファミを遊びつつ、自分でもBASICでゲーム制作のまねごとをして遊んでいた。

すでに全盛期は過ぎていたかもしれないが、マイコンBASICという(そっち系の人には)有名な雑誌があって、そこにプログラムを投稿すると優秀な作品は掲載されて紹介してもらえたりしたので、ゲーム制作の入り口として当時はBASICはメジャーだったのだと思う。

BASICという言語は小学生でもなんとか理解できるくらいわかりやすかったのと、ゲーム自体が今ほど高度化していなかったので、少し気合を入れてRPGの2Dマップをスクロールする処理なんかを組み上げたときなんかには(特にライブラリとかプラグインとかあるわけではなく、全て自分でソースコードを書くのだが、当時の制作環境&小学生でもそこまで難しいというわけではない)、もっとがんばればドラクエやFFが作れるかもしれない・・という幻想を抱くことができた。

(その後どこかで能力の限界を感じたり飽きたりで、ゲーム制作は20年くらい中断した。)

令和の小学生の場合

さて、自分は特に子にゲーム制作をやらせたいわけではないのだが、もし希望するのであれば教えてあげられるようにしたいな、とは思っている。それくらいしか特技もないし。

そして、6歳ながら今どきの子どもというのはYoutubeやらRobloxやらで「動画やゲームは、観る/遊ぶ側にも作る側にも回ることができる」というのを当たり前のように感じているし(自分の時代はもっとそこに溝があった)、父親が日々PCに向かってなにやらクリエイターじみたことをしているのも把握しているためか、少なからず「作る側に回る」ことに興味をもっているように見える。

もし彼がもう少し大きくなっていよいよ作りたい意欲が爆発したら、何を入り口にするのがよいだろう?

現時点の自分が確実に教えられるのはPyxel(レトロゲー制作)なんだけれども・・いやいやそんなん明らかに「なんか違う」ってなるだろう。
自分がレトロゲー制作しているのは過去の楽しかった思い出を追憶しているからであって、レトロゲーに何の思い出もない子どもにそれを学ばせるというのは古文の勉強を強制させるようなものである。
まあ、たまたま好きになる人もいるとは思うけど。

やっぱり、自分が慣れ親しんだゲームと同じようなものを作れるようになりたいよねえ?
じゃやっぱりRobloxか。

Roblox Studio使ってみた

というわけで、Robloxのアカウントがあれば誰でもインストールできるRoblox Studioを使って「どんな感じでゲーム制作できるのか」を試してみた。

まず書店に行って、適当に見繕って本を買った。
(リンクを貼ったが別にアフィリエイトとかではないよ。)

調べながらやることもできるのだろうけど、まったくわからん状態から一歩を踏み出すにはやっぱりこういう書籍が効率いいよね、と思っている。

で、ざーっと一読する。
すでに子の付き合いでそれなりにRobloxで遊んでいるので「あーだからこういう作りのゲームが多いのね」などと割合スッと入ってくる。

読み終えたので、本で作っているサンプルゲームをほぼそのまま制作した。全く同じだと面白くないのでパラメータをいじってバランス調整してみたり、ちょっとした機能を追加したりとかはした。

RobloxのゲームスクリプトはLuaで書くことができる。
Luaは近年割と有名なスクリプト言語だけど、触ったことはない。でもまあJavascriptとPython書けるのでまあなんとかなるっしょ。いまはChat GPTにコードを書いてもらうこともできるしね。(実際お願いしたらちゃんとちゃんともらえた。)

といってもガチガチにコードを書いてゲームを作るというよりは、UIツール上でマップ上にオブジェクトを配置してプロパティを設定していくのがメイン。
もちろん内部的に凝った処理のゲームであるほどコードを書く比重が増えるはずだが。

自分はこの手のものには苦手意識があるのだけど、近年のゲーム制作環境としてオーソドックスな感じですよね。

そうして数時間の作業の後完成したのがこれ。
前述のとおり本のサンプルなのだが、飛んでくる壁やらボールやらから逃げ続けてできるだけ長く生き延びるゲームである。
(こどもたちにも実際に遊んでもらった。)

小学生、Robloxでゲーム制作できそう?

感想としては、「登場する要素が多すぎるのでひととおり把握するまでは大変だけど、こどもの頭は柔軟だからそれなりにできるかな?」といった感じ。

自分の場合、全体像が把握できないと嫌なので、今回はチュートリアルなのでさすがに気にせず進めたが、もし本格的にやろうとすると慣れるまでかなりイライラしそうな気がする。

これはたぶん世代や年齢というよりも性格的な問題で、自分は全てを自身が書いたソースコードで制御したいタイプ。
UIツール上でボタンを押してぽんっと配置されたオブジェクトに自分の把握していないプロパティがデフォルトで設定されていたりするのが気持ち悪いのである。
(なのでPyxelのように制約が大きい環境で制作するのが好き。)

が、基本的なオブジェクトの生成なんかも含めて1からソースコード全部書く必要があるなんてコスパ悪い、というかしんどい。というタイプの方が普通だろう。

自分は前述のように小学4年生で9歳のときにBASICを触り始めたのだけど、Robloxから入るとしたらどうかな?と想像していたところ、ちょうどこんな記事を見つけた。

もしかするとこの人は天才なだけかもしれないのと、英語ネイティブの子どもと日本人の子どもでは多少ハードルの高さが違うかもしれないが、おそらく小学生(高学年くらい〜)でもなんとかなるのではないか。

それに、なんといっても「自分が大好きなRobloxのゲームを自分で作れる!」というモチベーションが一番大事ですからね。

その他の選択肢いろいろ、と考察

最近ではChatGPTなどのAIを使って「自分でコードを書けなくても制作できるようになる」という展望(これは人によって見解がかなり異なる)があったり、あるいはScratchのような子ども向けプログラミング環境があったりもする。

生成AIについては、自分は「あくまで基礎を理解した人が生産性を上げるために絶大な効果を発揮する」派なので、何もやらなくてもゲーム制作くらいできるようになるよーとは思わない。

「Scratch(や他の教育言語)から入る」は重大な欠点があると思う。
それは、Scratchで作れるタイプのゲームを遊びたいとはおそらく子どもが強くは思わないことだ。
教え方や子のタイプによってはうまくいくかもしれないけど、どうしても「大人が作ったレールの上を子どもに走らせたい感」を覚えてしまう。

そういう意味では、やれることは少し限られるかもしれないけどマイクラなど特定環境下の制作から入るのも、それが好きな子ならベストな選択肢だと思うし、「最近のゲームの多くはUnityというやつで作られているらしい」と知ったこどもがUnityでいきなりC#とかを始めたりするのも、そこに熱意があるなら言うことはない。

あとは「対象がオワコン化しないか」という観点もあるけど、これは誰にもわからないので気にしないほうがいいのだろう。
ちなみに気にしたとして、この記事のテーマであるRobloxは現時点で強大な勢力を築いているプラットフォーム強者なので、心配要因にはならなさそう。

んで結局は、資金面などでの現実性(そもそもPCがあるか、とか)さえ確保されていれば、あとは各自にとってモチベーションが最も上げられる手段を選ぶのが一番良いのだと思った。

・・え、そんなん当たり前やろって?そうだよねえ。

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