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多分、きっと。

数年前がんを患った。
その時に知人に「本人も辛いだろうけれど周りはもっと大変だから」と言われてしまった。
結局それが縛りになってしまい、私は闘病期間中、泣き言を言わず、精一杯笑顔を心がけ過ごしてしまった。家族にも、医療従事者にさえも。
今、経過観察中の身で再発や転移の心配は(今のところ)ないけれど、気づいたことがある。
やはり、辛かったのだ。
思い出したくない程に。
私がなったがんは書籍もあまりなく、体験談も少なく、誰かの役に立てたらと、自らの事を綴ろうとしてことはあったけれど出来なかった。
記録を詳細に取らなかったこともあるけれど、ひととき、医療ドラマ、本など受け付けなくなるほどに辛かったのだ。
私よりも辛い人がいるのはわかっている。
だって、私は生きてるもの。

でもね。
もし、もう一度こんなことがあったら、私は、もう一度頑張れるか正直わからない。もし、そんな時があったら、私はどうするだろう?
もしかしたら、もう、頑張れないかもしれない、と心の片隅で思いながら、笑いながら。
でも、辛い、と言えたらいいな、と思う。


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