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軽い気持ちで参加したツアー。行きは良い良い帰りは・・・(52歳の田舎のおばさん留学記21)

アメリカ上陸2日目。アメリカに馴染むために(?)シカゴのホステルにあったボランティア「歴史博物館ツアー」に参加した話です。

このシリーズでは、「52歳で、日本の田舎に住んでて、主に子育てと介護で”表舞台”からは隔絶されていたおばさんが、突然単身アメリカ留学すると何が起こるか?(ちなみに途中脱落帰国。2017年のこと)」ということを、英語学習面ではなく(それも少しは書くけれど)、生活面の視点からちょっと紹介します。誰かに何か参考になるかもしれないなー、というのと、ようやく振り返る気持ちになってきたので、自分のまとめを兼ねて書いています。思い出し思い出し書くので、たまーにという感覚で、ながーい期間をかけて、書こうと思っております。時系列も前後するかもしれません。

午後1時半。
ホステルのインフォメーションセンターの前に集合する。
メンバーは、まず、メキシコから来た二人はキャンセル。
ドイツからの若い女性一人。アメリカユタ州からの高校卒業旅行というティーンの女性二人組(「大学には行かないの!」と言っていた)。それから、カリフォルニアのなんたらの委員会に民主党から立候補するという日系の女性Okuzumiさんと、私であった。
民主党の女性!というのは、テレビの向こうで、クリントンさんとか、オバマさんの奥さんとか、そういうイメージでいたので(情報の貧困さよ)、目の前の、日に焼けて引っ詰め髪で、ヒッチハイカーのような格好でリュックを背負って、日本語で話しかけてくる小柄なこの方が、”民主党の立候補者”・・・・・・そうか、そうだよなぁ。そういうこともあるよなぁ。と、頭の中のオセロと、目の白黒をひっくり返しまくって認識の転換を図っていた私だった。

ひとつ深呼吸をして、ツアースタート。
案内は、女性ボランティアさん。女性ばかりのツアーとなった
ホステルを出て数メートルのところから、「ほら、この建物の入り口が歩道に飛び出しているでしょう?これは、シカゴの古い建物によくあることでね。シカゴは建築基準が甘かったから・・・(うんぬんカンヌン)」と、いきなり説明が始まり、むちゃくちゃワクワクする。すばらしいー!
「じゃぁ、博物館へはバスに乗っていきましょう」
バスー!一人じゃ絶対乗れなかった!もうサイコーじゃん!
(ここで、Okuzumiさんは予定があって離脱)

バスを待っているところ。ひとりでは乗れないわ〜

バスの中では後方の席を陣取り、そこでレクチャーが始まる。
わー!アメーリカ〜!

バスの中でみんなで顔向き合わせてレクチャーとか、かっこええー!
心のテンションは既にマックスオーバーである。
博物館では、好んで地図をよく見て

上の真ん中はその当時のシカゴが出身国別に居住地が分かれていたことを示している。
左上は1871年のシカゴ大火(←ウィキぺディア)の焼けた場所。左下は古い電車の展示。

さて、博物館見学が終わって、そろそろ疲れてきた。昨日アメリカに着いて、今日の午前中は無駄に歩き回っており、明日は日本語教授法を学ぶセントルイスに旅立たなくてはならない。雨も降ってきた。
ユタ州ティーンとボランティアさんが雨の街角で雨宿りしながらお喋りしているが、カジュアルな若者会話英語はさっぱりわからないので、おばさんはボンヤリ通りを眺めていた。

すると、ボランティアさんが、手を振って(バイバイ)道を横断していった。
ん⁈なにっ⁈何が起こった?
ティーン「ボランティアさんがね、用事があるから、ここで解散でいいか?って。いいよね? それで私たち、この先に動物園みたいなのがあるらしいから行ってみる。まーみはどうする?」
ななな、わわわ、ちょ、ま⁈
かかか、こここ、わ私も一緒に行く!
っていう選択肢以外なくない⁈
帰り道が何もわからない。今どこにいるかもわからない。地図持ってるけど、だからって、バスに乗って帰れない。歩いても帰れない!誰かに聞きながら帰る気力ない!!
うわーん!

当時の私の携帯は古く、SIMが入れ替えられないため、wifiがないところでは無能。そもそも日本での田舎生活で、携帯で地図を見るという習慣がないため、携帯で道を調べることの重要性にも気づいていなかったのだ。
Nature Boardwalkという小さめのzooに行くも

とりあえずこの写真を撮っているが、この時はもう目眩状態に近く、
このnoteを書いている今、初めて動物がたくさんいたんだな、と知った。

雨が強くなってきたからか、動物園が閉鎖していたからだったからか忘れたが、かなり早く退散することにした。

鳥しか見なかった。たぶん、園内には入れなかったんだと思う。ちなみに私は傘をさしている。

そうして・・・
帰り道。
「よし、このバスだ」というユタ州ティーンの後について、バスに乗り込んだ(この記事の見出し写真)
が、

もう暗くなっていた。雨も多くなってた。

ティーン「本当にこのバスでいいのかな?」「いいんじゃない?」「でもさ、どこで降りるんだろう・・・?
ちょいちょいちょーい!えー⁈
シーンとする私たち。
ティーン「そうだ、携帯地図見ればいいんじゃない?」
そうだよ、君たち、モバイル世代でしょう?
頼むよ本当!おねがい!おばさんの携帯使えないの・・・。
携帯をスクロールし始めるティーンたち。少しホッとする私。
ティーン「ね、さ。外見てればわかるんじゃない?」(えー!携帯諦めたんかーい!)
ティーン「あ!あのビル見覚えがある!」「そうだ!ここだここだ!ここで降りるんだ!
わーっと降りる私たち。
君たち、記憶力いいね〜。ビル、覚えているんだ。よかったー。
ティーン「あ、ちがった
まじかーい!
ティーン「あー、でも、そう遠くないよ。歩いていけばいいんじゃない?
ここで初めて、携帯地図の恩恵が示された。
でもこの方達の「歩いていけば」はどれくらいなのだろう・・・。
私にもこなせる距離なんだろうか・・・。
雨の中を歩き出す私たち。
私の気力体力は崩壊寸前である
そのとき、

この写真を私が撮ったので、写真を送るためにFB友になった。

ティーンのサンダルの鼻緒(←純日本語)が切れた。
笑い転げるティーンたち。
ティーン「もういいや!裸足で行っちゃお!」

私もゲラゲラ笑ってしまい、
何だか、どうでも良くなってきた
緊張やテンションが一気に無くなり、アハハ〜という気分になってきた。
多少は歩いた気がするが、
何とか、ホステルに到着。
「軽くご飯食べよ」という提案で、濡れた服を替えてから、みんなでホステルの隣のファーストフードで軽食。

アメリカで、初めて自分で買った食べ物

私がまだ未経験の「買い物」「外食」in the US。
この日の夕ご飯をどうするか、密かに悩んでいたのだが、ティーンたちやドイツガールの真似をして購入でき、食べながら軽く談笑した。

自分の顔を晒しきる勇気がない。すみません。

軽く談笑した。
軽く談笑した。
軽く談笑できた!(なみだ)
私にも、こんな瞬間が訪れるんだなぁ〜、と感動したアメリカ2日目の夜であった。
このあと更に「シカゴピザを食べに行く。まーみもどお?」と誘ってくれたのだが(ありがとう!若者!私を仲間にしてくれて!)
おばさんは、ギブです。無理です。寝ます。明日に備えて!

ドタバタに次ぐドタバタ。
はたして、アメリカに馴染む作戦は成功だったのか、否か。
そもそも、2日程度では馴染めないのは分かっていたことではあった。
が、経験に幅ができたので、いきなり大学の講義に突っ込んでいくより良かったような気もする。気がするだけかもしれないけれど。


教訓36;言語が不自由な土地において、安心安全な船などない。一人ならどうするかの責任を取る体制を整えて、船に乗り込もう。
教訓37;おばさんの気力体力には限界がある。限界までの領域を、何にどう使うかのコーディネートが大事になる!リスクマネジメントにも配慮しておこう(書いてて泣ける)。
教訓38;まぁ、せっかく自分の枠を飛び出して海外に来たんだから、色々なことをやった方がいい、は、いいんじゃない? としか言えない。危険のない範囲で。

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