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別れ時

今思えば、別れ時だった。
相手の気持ちを考えて、謙虚でいるには、
難しくなっていた。


付き合ってすぐは、
かわいいかわいい後輩を
傷つけないために、
恋人の誠意として、
異性の友人が多い私は
安易に異性に近付くことをやめた。

趣味を受け入れるために、
特に興味があるわけでもない
beat box を嗜んだ。

彼のファッションを肯定するために、
ファッションセンス皆無の彼に
無関心で居るように努めた。

そういう努力ができたのは3年ぐらいだったと、
今は思う。



4年目、5年目、
疲れ果てていた私は、
謙虚さを置いてきてしまった。
潮時だった。
別れた。




現在、なんやかんやあって、
新しい恋人ができた。
付き合いたてだからか、
彼のことを大事にしたい気持ちでいっぱいだ。

でも......
いつしか、前の彼のように
大事にできなくなる日が来るのだろうか。


怖い。

失いたくない。


彼の気持ちを踏み躙りたくない。


彼とは親密な関係になりたいけど、
近付くのが怖い。
傷つけたくない、怖がらせたくない、
負担になりたくない、煙たがられたくない、、

つらい。


同じことを繰り返したくない。
別れ時を感じたくない。

ずっとずっと、
不安定な距離感で、安全圏を守りながら、
安定していたい。

彼の全てを知りたくない。
好きじゃないから、とかじゃなくて。
知らない部分があっても
私は生きていけるから。

いや、違う。
全てを知ると、傷ついてしまうかもしれないから。
前の恋人の話とか、
どんな恋愛をしてきたかとか、
すごく気になるけど、
妬いてしまうかもしれない。
私以外の他人を大事にしていた話なんて、
聞きたくない。

そんなわがままばっかり詰まった私。
また、別れ時が来るのかな。

怖い。

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