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フランスでアパート探し

800キロ離れた今よりずっと大きな街へ引っ越しすることになりました。もうアパートを決めなくてはいけない時期に入っていながら現地訪問一回では見つからず、二回行きました。最初は遠距離でどうしていいやら要領を得ずに無駄な動きをしましたが、そのおかげで色んな不動産屋と接していい経験になりました。

間取り図はないけど、まだ住んでいる状態の家の写真は大公開

フランスにも不動産検索サイトが色々あります。賃貸情報に間取り図が必ずしも載っているわけではないのが不便なのですが、人がまだ住んでいる状態で撮った室内の写真が載っている事がよくあって面白いです。「オシャレなインテリアですね」とか、「めちゃ綺麗に片付いてますね」とか、「引っ越し間近で荷物がエライことになっているのですね」とか、「こ、これは相当古いですよね・・・」とか、見ていて全然飽きません。壁の色が真っ青とか、キッチンの棚が全部黄緑色とか、個性溢れるお部屋も結構あります。現地入り前はネットで色々情報収集をしました。

不動産屋をまわる

1回目の現地訪問では目星をつけたエリアの大通りを歩きながら、不動産屋のドアを片っ端からたたくという行動に出た私たち。というのも、条件を言えば何件かあう物件が出てきて車で連れて行ってくれると思っていたから。でもそういう風には行きませんでした。
不動産屋のドアを開けてはいった時点で椅子をすすめられるという事はなく、大体受付係のような人がいて、こちらの条件を言うと、「(そういう物件は)ないですね。」と言われてオシマイというところが多かったです。あるいは、「賃貸担当に直接電話して」と名刺を渡されることもよくありました。ある不動産屋の前で賃貸広告の貼り紙を見ていたら、「どういうの探してるの?」と外に休憩に出ていた受付係の若い女性が話しかけてきて、条件を言うと一緒に貼り紙を見ながら「そういうのは無いわねえ。頑張ってね。」という、すごくカジュアルな対応もありました。2回の現地訪問で不動産屋は10件ほど回ったのですが、物件を紹介してくれて車で連れて行ってくれたのは1件だけでした。それも、たまたま条件に合う物件がひとつあって、営業さんがたまたま事務所にいて時間があったからということでした。そして、営業さんの個人の可愛い車に乗せてもらったのが印象に残りました。街では不動産屋のマークがついた車を見かけることもあったので、社用車があるかどうかは不動産屋によるものだと思います。
また、電話で不動産屋に問い合わせすると必ずと言っていいほど収入や労働契約の種類等を聞かれました。

見学

3件見学ができたのですが、1件目以外は結局ネットで見つけて不動産屋に電話をかけて見学予約をとりました。
1件目、車で連れて行ってくれた営業さんは私たちと同年代の女性で、バリバリという感じではないけれど、この仕事が好きなんだなというのが伝わってくる人でした。物件があるのは小さな通りで駐車スペースを見つけるのが難しい場所のようでしたが、「私と一緒だから、ほら、駐車場所があったでしょ。」と自分の強運をアピールしつつキュキュッと車をとめて頼もしかったです。物件の説明もしっかりしていたし、質問にもちゃんと答えてくれて、遠くから来た私たちにエリアの情報なんかもすごくフランクに教えてくれました。物件は2階建ての長屋という感じの古い雰囲気のあるアパートで、長屋全体で共通のかなり大きな庭があって、これはこれで魅力的と思ったのですが水回りも相当古そうで却下しました。
2件目の営業さんとは物件の前で待ち合わせだったのですが、建物が大きくてエントランスも複数あって、お互いに時間通りに来ていたのに「どこにいるの?」と電話でコントなやり取りがあり可笑しかったです。その営業さんは説明というよりは「見て聞きたいことがあったらどうぞ」という感じの案内の仕方でした。物件はそんなに古くないし私は良さそうと思いましたが夫が気に入らず却下となりました。

まだ住んでいるけど見学できる

3件目は、まだ住んでいる状態での見学ということでした。住人さんも立ち合うのかしら?なんて思いながら、色んな人に会うのが面白くなっていてワクワクしていました。営業さんを建物の前で待っていて、車が通るたびに、「この人かな?」なんて言っていたのですが、その若い男性の営業さんはオートバイで颯爽とあらわれました。アパートにあがる前に、「早い者勝ちですよ」というような前置きをして営業モード全開でしたが、嫌な感じはしませんでした。住人さんが主に私たちに部屋を案内してくれ、部屋はまさに引っ越し準備中で、荷物が寄せられてたり、段ボールが置いてあったりの状態でしたが、住人さんに近所のことや光熱費のこと、なんで引っ越しするの?なんて込み入った質問もできて楽しい時間でした。私も夫もまずまず気に入ったし、もう本当に決めないといけなかったので、このアパートに申し込みし、めでたく審査合格となりました。

今回のアパート探しは遠距離で時間も限られていたことで大変でしたが、見学するのはとても面白かったです。不動産屋を色々まわって、電話も結構かけて(「夫が」ですけど)、大体は普通に対応してくれましたが、まあまあ失礼な人がいたり、面白い人もいたり。ある所は、ネットで見た物件の問い合わせをしたら「そこね、もうだいぶ長い事住んでてキレイじゃないと思うのよ。」とすごく正直に教えてくれたこともありました。そういう全ての出会いを経て、街も散々歩き回って、選択基準が収斂されていって最終的にこのアパートに決めることができたという感じがしていて、出会った皆さんに感謝だなあと思います!


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