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物語 ルビー手芸店の月並みで愛しい日常

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一話完結の形で続いて行く物語。毎月2話ぐらいを目指して書いて行く予定です。
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記事一覧

ルビー手芸店の月並みで愛しい日常 最終話

9月になると街はまた忙しないリズムで周り始めた。秋冬に向けた最初のワークショップを店主の…

sakko
2か月前
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ルビー手芸店の月並みで愛しい日常⑦

「みすず、今日は朝からボーッとしてるみたい。大丈夫?ちゃんと食べてるの?」 店主のセシル…

sakko
2か月前
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ルビー手芸店の月並みで愛しい日常⑥(物語)

涼しい朝の風が吹き抜ける1日の始まり、以前ルビー手芸店で働いていたマノンが大きな袋を抱え…

sakko
3か月前
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ルビー手芸店の月並みで愛しい日常⑤(物語)

「ありがとうございました。よい一日を!」 夏のバッグを作りたいと、ラフィア調の糸を買いに…

sakko
4か月前
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ルビー手芸店の月並みで愛しい日常④(物語)

煉瓦造りや石畳にしとしとと染みていくように小雨が降り続いてる日、午後になってもお客がまだ…

sakko
4か月前
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ルビー手芸店の月並みで愛しい日常③(物語)

「そんなに緊張しないで。大概は上手くいくから」 店主のセシルがなだめてくれるが、みすずは…

sakko
5か月前
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ルビー手芸店の月並みで愛しい日常②(物語)

今日は新しい生地が届く日だ。みすずは朝から店主のセシルに言われた通り、陳列棚を整理しながら新しい生地の場所を作っていた。力仕事だが、時々鼻歌が出るほど楽しみだった。 「カラン」とドアベルが鳴ってお客が入ってきたと同時に、強い香水の匂いが漂ってきた。白いシフォンブラウスにツイードジャケットというクラシックな出立ち、少なくなったショートの真っ白の髪は大ぶりに巻かれ、シワが余計に目立つのもものともせず、アイシャドウもチークも口紅もたっぷりのメイク。みすずは緊張を隠して「ボンジュ

ルビー手芸店の月並みで愛しい日常 (物語)

コチッ、コチッ、コチッ、頬杖をつく2人の天使が彫刻された掛け時計の音が響く中、みすずは踏…

sakko
6か月前
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