浜通りは、公園を作る人で溢れている。

おばんです。
福島県南相馬市で活動をしているコミュニティマネジャー野口福太郎です。

野良で文化人類学的参与観察もしているので、あれこれの気づきや分析をしています。
今回は講義の意味での公園づくりをする人々というテーマでいくつか考察しました。

このエリアは非常に特殊なことに、暮らしにおける新たな概念を生み出したりする広義のクリエイターがたくさんいる。
各卓越した発想力とリソースを集約させる求心力、前例や太鼓判なくともやってみようという冒険力に溢れている、
共通項はまだわからぬが、いつかのときのために記録する。

Parknize:公園化するという概念。
まだこの概念が正しいのかはわからない。
本当は微妙にニュアンスの違いを感じてる。けどこれに勝る言語をまだ僕は獲得してないので、これを置く。

それとも、コモニングが近しいのかもしれない。
けど、それとも微妙に異なる開拓者的側面も持つ。

Parknizeのケース録

Case1:終わりのたむけに

楢葉町にある石材屋さんの跡地の解体が決まった。
そこに人々が集い、ささやかな葬送が行われた日のこと。

死や終わりはマスキングされ、新たな誕生ばかりがフォーカスされこの地この地この地では珍しい「終わり」をテーマにした催し。

これに関しては自分もじっくりと記録に残した。

https://note.com/fowlpudding65/n/n15882f827d9c

Case2:何をもってか、本屋か。


なぜ街の本屋が無くなりゆくのだろう。
Amazonは、電子書籍は、果たして彼ら彼女らにとっての敵なのか?友なのだろうか。
屋根があれば、棚があれば、話題のビジネス書があればいいのか?否、決してそんなことはない。

人の知への好奇心と予期せぬ発見こそが本屋を本屋たらしめる。
そうそう、最近パッと近くを通って立ち寄って、たまたま気になる本があってお迎えした。
1個目のツイートの「今までにない職業を作る」も、相撲以来武芸への関心が高まっていることでパッと目に飛び込んだものがそれだった。

鉄パイプで組まれた空間、ディスプレイされた棚にタケウチ君がキュレーションしてくれた本、一つ一つどういう面白みがあるのかを話してくれる。

総合的読書体験を作り上げてくれる、だから本屋というより「読書屋」と名打ったことも頷ける。

彼のスタイルは夜にやるらしい。
ちょっとずつできるよ。

Case3 夜の森いえびらき

夜の森の友人ななみさんの元家は、現在更地である。
これから生活が作られていく過程。

過去の跡地か、未来の予定地か。
ウッドデッキを組み、窓枠を作り、かまどをおき、かつての間取りをベースに再現する。
もてなし、団欒、くつろぎなど、「家」という機能がそこにはあった。

個人的にはみかんを買って行ったのがファインプレーだった。

Case4:満月の夜にだけ現れる闘技場

満月の夜、海岸に立ち上る土俵を知っているだろうか。
浜通り最強を決める戦いの火蓋が切って落とされ、20人余りの輩が一堂に会した。
おらが町の一品やら何やらを持ち寄り、それらを賭けて10を超える取り組みが行われ、火花を散らした。

何もないところも、遊び始めれば公園化される

4つのケースを観測するに、
①遊びを主催する者がいる
②その時間空間への賛同者がいて、共通概念化する
③そこを”デコレーション”すべく、多くの人が資源を”自主的に”持ち寄る
④そこに時間的空間的断絶がある

という4つの性質が観測できる。(本当はもっと他にもあるかもしれないが!)
Aという時間空間は「Bである/Bともとれる/Bではないか?」という発起人がいる。
〇〇の遊びをやろう!という発起人なくして、遊びは巻き起こらない。

それを面白そうだという賛同者により、一時的に概念が上塗りされる。
小学生の時、ドロケイをやった時にただのジャングルジムが「牢屋」に、登下校の帰り道、白線以外は「灼熱のマグマ」というように。

さらに賛同者がその世界の箱に脚色をする。
おままごとで、じゃぁ僕はペットの猫役をするね!というように。

最後には終わりがあるので、一時的ロールプレイを楽しめる。
賛同と資源供給を継続的なものにしてしまうと使役になり、自主性が濫用されてしまう。

そんなふうに、大人たちがまるで無邪気な子供のような創造性を発揮している。一見するとユートピアのような状況が日々日々生まれている。

このエリアの面白いところの一つは、クリエイティブな人が集い、日々巻き起こす小規模な遊びやプロジェクトが連鎖しているからかもしれない。

自分を含め、この遊び心を持って暮らす人と共にいることで、便利さの軸では比較のできない楽しさが溢れた暮らしができる。

ぜひ、皆も遊びを巻き起こそう。



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