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自分が作り出してしまう世界へ




肉体に別れを告げた時。




穏やかであれば幸いである。


未練があっても幸いである。





誰かを恨んでしまっている時はいい。

誰かのせいにして、恨み、その人を思い続ければいい。




しかし、自分を許せない、自分を傷つけ、自分を責め続ける世界へ歩いてしまう時…。



歩みを止められない時。






それは…とても悲しい世界へ。



誰かが許してくれていても、止めてくれようとしても、引き上げようとしてくれても、もう聞こえない。


見えない。


見ない。


言えない。


言わない。


もう、何も感じない。


感じようとしない。
   





何も届かない。




ただ、ただ、


自分を傷つけ、痛めつけ、立てなくなっても、まだその傷をえぐり続ける。


“全力で抗うから、全力で殺してくれ”



そんな世界を作り、自分自身が溶けて無くなる事を望み続けながらも抵抗し、傷つけていく。



他人の干渉など許さない。







『私が私を許さない。』







永遠を繰り返す。







消える事が出来ない世界で、



ただひたすらに、消えようとする。












ある時、目の前に“誰か”がいた。




傷ついて、ぼろぼろで、それでも“もっと深く…”と、歩いていこうとする。


転びながら、


這いつくばりながら、


それでも、罰を受けたいと願う。






自分を消してしまいたい。



それが、願い。









思わず走り寄って、抱きしめた。



行かなくていい。


これ以上自分を傷つけなくていい。






消え入りそうな魂。



かすかな光。








自分自身を傷つけないで。



『貴方は悪くない…。』



その瞬間、景色が変わった。






今思えば、それが誰だったかは分かる。




しかし、その時は分からなかった。








何かに迷った時、


何者にもなれないと悔やんだ時、




貴方が必要とした人になればいいと、



私は、思います。








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