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前世の物語

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前世のお話をつづっています。 いかなる時にもそれぞれ人の数だけ物語がある。 そして大切な想い。置いてきた想い。忘れようとした想い。人は想いを守りながら生きています。正しくても正し… もっと読む
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記事一覧

③今世ではもう、誰も傷つけたくない。

前回の続きです。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ジャックは17歳の年に、役割を貰った。 …

ひいろ
3日前
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②今世ではもう、誰も傷つけたくない。

前回の続きです。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ジャックが希望した兵の募集は勉学を伴う…

ひいろ
9日前
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②“共にあった”。それだけでも、生きた証拠。

前回の続きです。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 剣術の先生と真剣での稽古の最中…

ひいろ
2か月前
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“共にあった”。それだけでも、生きた証拠。

《前世のお話です》 日本。 銃は知らない。 そんな時代。 私は、小さい村の出身であった。…

ひいろ
2か月前
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今世ではもう、誰も傷つけたくない。

《前世のお話です》 最初に降り立ったのは、石畳の牢獄。 牢獄の中には自分しかいない。 外…

ひいろ
4か月前
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私は、未来を迎えに行く事にした。

未来を迎えに行く。 私は自分の未来についてあまり興味が持てなかった。何となく手近で周りも…

ひいろ
2年前
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「けど、知ってた?結局僕の命は僕のものなのにね。」

画面を通してであったが、ある方の姿を通して視えた前世。 〈前世のお話です〉 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 おそらく日本。 紺や青、紫色の着物を着た子供達が、広い広いお屋敷の中庭でまり蹴りしてる。 どこの子も袴のようなものを穿いている。上の着物は色がついていて、袴の色は白系であった。 袴といっても、時代劇でよく見かけるような袴ではなく、布を折り紙のやっこさんのような要領で折られ、分厚く作られた袴だった。裾は絞られていて動きやすい印象である。 また、エプロ

⑧終「けど、知ってた?結局僕の命は僕のものなのにね。」

前回の続きです。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 雪が降っている。 体にも少し積もってい…

ひいろ
8か月前
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⑦「けど、知ってた?結局僕の命は僕のものなのにね。」

前回の続きです。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 一ヶ月が過ぎた。 那留守(なるかみ)様…

ひいろ
8か月前
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⑥「けど、知ってた?結局僕の命は僕のものなのにね。」

前回の続きです。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 那留守(なるかみ)様はまっすぐにこう言…

ひいろ
9か月前
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⑤「けど、知ってた?結局僕の命は僕のものなのにね。」

前回の続きです。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 那留守(なるかみ)様の言葉は… 何の理解…

ひいろ
10か月前
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自分が作り出してしまう世界へ

肉体に別れを告げた時。 穏やかであれば幸いである。 未練があっても幸いである。 誰かを恨…

ひいろ
11か月前
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④「けど、知ってた?結局僕の命は僕のものなのにね。」

前回の続きです。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 私と那留守(なるかみ)様の間にほとんど会…

ひいろ
11か月前
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③「けど、知ってた?結局僕の命は僕のものなのにね。」

前回の続きです。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 忌厄(いき)祓いの場は、人里離れた小さな祠のあるとても広い屋敷で行う。 そこで私は対象者と過ごす事になる。 屋敷の前には従者が連なり立っていて、敷居を跨ぎ奥間には…対象者、 彼がいた。 そう。 あの時、私に話しかけたあの子が。 “いずのひとなるかみ” それが彼の名前である。 奥間にいた彼は座っていた。 驚いたのは、思ったより元気であった。 床に伏せてはいなかった。 私自身、彼はあの時の彼だと気