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トーク番組がおもしろい。西加奈子さん編(2)-人間1回目-

僕はテレビが好きだ。なかでも、特にトーク番組が好きだ。

10代のころは親に制限されていたので、その反動も大きいのかもしれない。ひとり暮らしをはじめた大学生時代から30年以上、テレビがないと生きられない体質になってしまった。

前回は、トーク番組「ボクらの時代」で印象的だった、直木賞作家の西加奈子さんについて書いた。


(前回はこちら)


今回は、その第二弾を書いていきたいと思う。

「ボクらの時代」でのオードリー若林さんに対する発言

2018年10月放送の「若林正恭×山里亮太×西加奈子」回は、仲良し同士の会話がとても微笑ましかった。

特に直木賞作家の西加奈子さんは、親しみの持てる関西弁で、ハッキリと鋭い指摘をするので印象に残っている。そんな西さんの発言をご紹介する。

■「若林さんは、人間1回目って感じがする」

極度の人見知りだったオードリーの若林さんは、コミュニケーションが不得意だからか、空気が読めない発言をすることがある。

以前、南海キャンディーズの山里さんに、彼に好意を抱いている女性を紹介しようとしたときのこと。

カフェの店内で若林さんは
「ねぇ!好きなんでしょ!山ちゃんのこと!ほら!」
と女性を大声で呼び寄せようとしたら、まわりに注目を浴びてしまい、結局彼女は恥ずかしがって近づけなかったそうだ。

若林さんは当時を振り返り、「なんでだろうね」と言うと、山里さんは「そりゃそうだろ!」と女性の気持ちを理解しない彼に対してあきれた様子だった。

そのときに西さんから出た発言がこれ。

デリカシーのない若林さんに対して、ユーモアあふれる表現で返すことで、ズバッと指摘しながらも、親しみを込めて伝えている。秀逸な返しだなと感心した。

人間1回目

「人間1回目」については、共感する部分が多い。

僕は10代の頃は劣等感が強く、人見知りだった。サッカー部に所属し友達はたくさんいたけれど、どこかで心を開けない自分を感じていた。

自由時間は音楽を聴いたり、小説を読んで自分の世界に浸ることが多かった。

たまに発言すると相手を傷つけたり、怒らせることにつながり、その経験がさらに人見知りを加速させてしまった。

「口は災いのもと」という諺は自分のためにあると痛感し、30代半ばまでは、寡黙に過ごした。

考えていることを人には言わず、自分の頭の中でずっと独り言をつぶやいていることが多かった。

思春期から若年期を引きこもり気味に過ごしたからかもしれないが、僕は今でも、「空気を読む」とか「本音と建前を使い分ける」のが苦手だと感じる。

軽い挨拶程度で相手が発した言葉を真に受けてしまったり、「本当のことを言って」と言われたので正直に話したら激怒されたり。

デリカシーがないのに、自分のことは「打たれ弱い」からタチが悪い。無神経な発言をして相手を傷つけることが多いのに、チクッと言われるとすぐに傷つく。

最近も軽率な発言で相手を怒らせることが多く、よく後悔をする。でも、発言を慎むよりも、自分本位の考え方で物事をジャッジしてしまう、自分の本質を改めようと、今は思っている。

何事も「こうに違いない」と思ったときは、「いや、そうではないかもしれない」と偏った見解を一度捨てて、フラットに戻してみる。そうする訓練をはじめている。

それでも、この「人間1回目」は、天然の要素が強いので、そうそう治せるものではない。

そんな自分を認めながら、人とちょうどいい距離感で付き合えるようにしたい。

自分と同じ不器用さを持った人に共感する

若林さんに共感する部分が多かったので、これ以降、彼の出演番組を視聴することが増えた。

不器用さを正直に話せる人には好感が持てる。若林さんのエッセイもおもしろいし、トークもおもしろい。

若林さんについては、別の回でご紹介していこうと思う。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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