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オーストラリア・シドニーの旅

はじめまして。ライターの ふくもとまさたか と申します。

2021年8月から宣伝会議主催の「編集ライター養成講座43期」に参加しています。過去20年以上も続く伝統の人気講座です。今期の受講生はなんと145人!皆さん、年齢も職業もさまざまですが、文章が好きな方ばかりでレベルが高くて勉強になっています。

その講座の文章力の授業で、課題として提出した「心に残る旅」をご紹介します。(先生に見ていただき、一部修正を加えています)

普段は、メーカー様などのプレスリリース作成を仕事にしている私は、業務では感情表現や情景を描く必要がなく、苦手としている分野です。

ビジネス文書以外も書けるように、スキルを磨くこともこの講座を受けた一つの理由。かなり初期の作品で、お恥ずかしい部分も多いですが、公開いたします。では以下。

「日本人が安心して過ごせる街」

日本にいて、雨模様のどんよりした天気が続くと、私はふと「また行きたいな」とシドニーの街を思い出す。あの心地よい海風と晴れやかで温暖な気候は、何度行っても飽きないだろう。

私がオーストラリアの大都市の一つ・シドニーに旅行にでかけたのは2018年の8月だった。航空券とホテルのみを予約した、友人と二人での自由気ままな旅。英語が全く話せない友人と、片言しか話せない私は最初不安でいっぱいだったが、行ってみて安心した。

困ったことがあると、現地の人は分かりやすい英語で丁寧に教えてくれるのだ。シドニーは留学生の受け入れに積極的で、そのためか日本人にも好意的で親切な人が多い印象を受けた。

南半球に位置するシドニーの8月は日本と季節が逆で冬だったが、日中の気温は25度以上もあり、予想以上に暖かかった。シドニーは年間を通じて温暖な気候で、雨も少なく連日抜けるような青空が広がる。湿度は低く、じめじめした空気もない。

シドニーの西、約100kmに位置するブルーマウンテンズ(Blue Mountains)。日本にはないスケールの大きさに圧倒された。

私がシドニーを好きな理由は、暖かく過ごしやすい気候と現地の人の親切さ以外にもある。ヨーロッパやアメリカに比べて日本と距離が近く、時差が2時間しかないことや、世界の安全な都市ランキング4位(2021年発表・東京は5位)に選ばれており治安が良いことも大きい。総じて「日本人が安心して快適に過ごせる街」であることが、私にとって最大の魅力である。


一番感動的だったのは、シドニー市街地と近郊の町をつなぐ、全長1kmを超える巨大な橋「ハーバーブリッジ」から見下ろすシドニー湾の景色だった。湾岸に扇形のオペラハウスがあり、豪華客船やフェリーが行き交う、晴天に映える鮮やかなコバルトブルーの海は、日本では見ることができない壮観な風景だった。

シドニー3
ハーバーブリッジから見下ろしたシドニー港


最も印象的な出来事は、シドニー市街地から10km弱の場所にある「ボンダイビーチ」に行ったときのこと。フェリーからバスに乗り継いで向かうはずだったが、予定時刻になっても頼りのバスが全く現れない。

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シドニー港発のフェリーからの景色。
シドニーは入り組んだ港湾都市で、フェリーで移動した方が早いことも多い。

実は後で知ったのだが、その日は毎年恒例のマラソン大会が開催されていて、日中のバスが運休になっていたのだ。私たちは仕方なく1時間以上歩いてビーチへ向かい、残り数kmの所でくたびれ果てて、通りがかったタクシーを拾った。

私はバスが来なかったことを陽気で気さくな運転手に話し、最後に「What a day!(何て日だ!)」とぼやいてしまった。すると運転手は「It’s a nice day!(いい日ですよ!)」と答え、私は思わず笑ってしまった。

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ボンダイビーチでは、その日はマラソン大会が行われていた・・。

私の英語力では運転手の真意は分からなかったが、その会話の明るさに救われた私は、見知らぬ街を歩いた疲れも一気に吹っ飛んだ。「いい経験をした」と思えば、確かにいい一日なのだ。

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ボンダイビーチ

シドニーの旅を思い返すと、これが一番忘れられない出来事となった。

タクシーやレストランは明朗会計で親切な接客を受けられるし、夜の繁華街に行っても、危険を感じることもない。治安が良くて安心して過ごせる街だからこそ、予想外の事態を楽しむことができたのだと思う。

「今度どこへ旅行に出かけたい?」と聞かれたら、私は間違いなく「またシドニーに行きたい」と答えるだろう。

以上です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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