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将棋の楽しさは「逆転」にある。

2022年2月13日、将棋棋士の藤井聡太さんが史上最年少(19歳6カ月)で五冠を達成した。

さらに3月10日には、将棋界で一番歴史と名誉がある「名人」をかけて争う順位戦で、最高位クラスの「A級」への昇級を決めた。

現在は、保有しているタイトル防衛と名人位挑戦に向けて、トップ棋士との激戦の日々を送っている。

今回は、最近注目を集めている将棋について書きたいと思う。

漫画の世界を超えた

藤井聡太五冠の大躍進は「漫画の世界を超えた現実」と話題になっている。ニュースで取り上げられる機会も増え、将棋人気に拍車をかけている。

ゲームやスポーツが多様化し、衰退の一途をたどると思われた「将棋」がこんな状況になろうとは、誰も予想しなかったのではないだろうか。

現在の将棋ブームの背景には、AIの進化も大きな要因となっていると思う。それについては、また別の機会に書きたい。

私は中学生時代から、かれこれ30年以上の将棋ファンである。趣味として「観る」「指す」を楽しむ程度だが、今もなお進化し続ける将棋界に興味が尽きない。

将棋を始めたきっかけ

私が将棋を本格的にはじめたのは、中学生のとき。学校の休憩時間の遊びとして流行したのがきっかけだった。

当初は私が弱すぎて相手にならないので、友だちに笑われてしまった。そのときの悔しさは今も忘れられない。

それ以来、その悔しさを晴らすべく、将棋に夢中になった。本を読んだり、NHKの将棋講座やトーナメントを観たり、ファミコンのゲームをしたりした。

そのおかげか、クラスでも強い部類に入ることができた。ただ、サッカー部だった私にとって、将棋はカッコよくないイメージがあった。だから高校時代以降は、将棋ファンであることを友達には隠していた。

それでも、将棋の魅力に取り憑かれた私は、社会人なっても続けていた。パソコンが普及した20年くらい前からは「ネット対戦」ができるようになり、休日の楽しみになっていた。

将棋が好きな気持ちはずっと変わらなかったので、大学生時代、「将棋の仕事に就けないか」と考えた。しかし、プロスポーツとは違い、将棋で収入を得るための選択肢が見つからなかった。

だから、それ以降は「将棋は趣味」と割り切って付き合うようになった。

将棋は「逆転のゲーム」

よく母親からは「将棋なんて神経くさい」と言われた。何が楽しいのか、分からない人も多いのではないだろうか。

私の感じている将棋の楽しさは「逆転する快感」だ。

プロ棋士の先生もよく「将棋は逆転のゲーム」と言う。プロ棋士のトップレベルでも逆転は日常茶飯事だ。

それは、将棋特有のルールが関係している。

将棋はチェスとは違い、相手の駒を取ったら、自分の味方として使うことができる。取った駒をいきなり空いている隙間に自由に打てる。

手数が進むに連れ、持ち駒が増えるから、局面がより複雑になる。終盤になればなるほど、ミスが生まれやすくなるのだ。

ここが将棋の醍醐味で、終盤になるに連れスッキリしていくチェスとは違う楽しさがある。

将棋は息抜きの楽しみ

将棋が強くなるには「詰将棋(つめしょうぎ)」の問題を解くことが大事とよくいわれる。藤井五冠も、過去に「詰将棋解答選手権」で5連覇を果たしている。

詰将棋(つめしょうぎ)とは、将棋のルールを用いたパズル。詰め将棋と表記されることもある。

駒が配置された将棋の局面から王手の連続で相手の玉将を詰めるパズルで、元は指し将棋(通常の意味での将棋。詰将棋と区別する上でこう呼称する)の終盤力を磨くための練習問題という位置づけであったと思われるが、現在ではパズルとして、指し将棋から独立した一つの分野となっている。

ウィキペディアより引用

私は詰将棋に何度もトライしたが、全く楽しさが見出せず断念した。だから、「将棋は楽しむだけでいい」と考えを切り替えた。

現在は、「将棋ウォーズ」というスマホゲームで、仕事の息抜きにネット対戦に勤しんでいる。

「将棋が息抜きになるのか」と思う人もいるかもしれないが、少なくとも私にはいい気分転換になっている。超早指しの「10秒将棋」をするとフロー状態になって、頭がとてもスッキリするのだ。

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10秒将棋の最高棋力は二段(現在は初段)。早指し力は高いと評価されている。


将棋の楽しみ方は人それぞれ

予習やトレーニングが必要な、戦術や詰将棋の勉強はやめたので、最近は「あえて読みを外す」勝負に持ち込んでいる。

正確に指されると、こちらが不利になるような指し方をあえてして、相手の意表を突く。10秒で対応できないうちに、カウターパンチを喰らわせる。そんなイメージだ。

いわゆる「力将棋(ちからしょうぎ)」というもので、全く経験のない局面に持ち込んで、瞬間の発想と読みで勝利を目指す。

上手く対応されて完敗することもあるが、「もう無理だろう」というくらい敗色が濃厚な局面から逆転したときは、たまらなく嬉しい。

私はあまり勝負ごとはしないのだけど(ギャンブルはしない)、密かに眠る闘争心が沸き立つ時間もなかなかいい。

これは、私なりの将棋の楽しさであって、違う意見の人もいると思う。しっかり研究(予習)し、予定通りの局面に持ち込んで勝つことに喜びを見出す人や、独自の戦法を編み出すことに楽しさを感じる人もいるのかもしれない。

将棋の指し方は、人それぞれ。将棋の楽しみ方も人それぞれなのだ。

最近は無料でもできるし、レベルに合わせて対戦できるので、もし将棋に興味をもたれたら、一度やってみてほしいと思う。逆転したり、キレイに詰ませたときは本当に嬉しい。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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