嫌われる恐怖について

アメリカに来て人目を気にしなくなったと思っていたのだが、そんなことはなかった。

来て最初は友達がいなかったし他人事としてアメリカを観察していたから、自分の世界で戦い突拍子もないことができていたけれど、
いろいろなチームやコミュニティに入り評価される機会が増えていくにつれて、
私は嫌われたくないという恐怖をモチベーションに行動をしている(あるいは行動できなくなる)ことに気づいた。

原因

元々の気質もあるし、
集団の調和のためにあんまり目立ったことをするとカワイくないと白い目で見られる日本の文化で育ったから(でも最近変わってきているように感じる)というのもあると思うし、
幼少期に人間の良くない方の本性が見えてしまった経験があったり、めちゃめちゃ不安な場面で信頼していた人が助けてくれなかったことがあったりすると、

いつかまたその本性が目の前に現れてしまうんじゃないか、また自分の心を刺すんじゃないかということが不安で不安で、つい無理をしたりその場を取り繕ったり自分のやりたかったことを諦めたりしてしまうのである。

その結果、新しい人と関わる時に嫌われるんじゃないかと疑うことがデフォになり、他人と仲良くなればなったでいつか裏切られるんじゃないかとか心の片隅で武装するクセがついてしまうのだ。

ゴール

理想は自分が好きなようにやりつつ、どんな人でも余裕を持ってみれるようになることである。誰かに一時的に嫌われても、たぶん数年後には私のこと好きになってるなーと思えるくらいのイメージ。ダサいと思ったら素直に言うし、それが相手を傷つけない筋の通り具合で言えるとよい。
あとは自分の真面目な部分と同じくらいあるおふざけ成分がもっと外に出せるようになるとよい。昨日母に8歳児と全く同じことしてると言われた。

人々はその時の感情で結構適当に他人を評価するし、とくにアメリカにいると違う人から全然違う評価を貰い続けるので、場面ごとに仮面を完璧に使い分けるのも一つの手だけどそこまでの器用さもないし、
よい自分の定義は自分で決めるのが無難だと思う。

いいこと

嫌われたくない人間は犠牲にするものも多いが、お得な部分も一応ある。

・あんまり敵を作らない
私のことをこっそり嫌っている人や怖がっている人はちょこちょこいると思うが、嫌われないように気をつけて生きてきたのであからさまな敵はそんなにいなかったと思う。

「最初怖かったけど全然人間だった〜」的なカスタマーレビューを友人からいただくので、たぶんあなたが思っているより怖くないです。
良かったら仲良くしてね〜

・我慢力が強め
和食を愛しているのに捨てて、別にそうしないという選択肢もあるのに家族や友人から離れた状態でよくわからん好きでもない言語で3年くらい過ごせているのでまあ我慢力がある方だと思う。達成したい目標がある時は役に立つ。
最近は空気の抜き方も覚え始めた。


・柔らかめに的確なことを喋れる(ようになりたい)
似たような境遇の大人を色々検索してみたが、ちゃんとトラウマを消化した大人たちは20代後半以降になると、嫌な感情の偏りがなく物腰も柔らかいが芯のある人になっている印象があった。


・喜んでもらえると嬉しい
嫌われるのが怖いの反対をとれば、喜んでもらうのが嬉しいになる。
嘘で喜ばれても見抜いているので微妙だが、本当に喜んでもらえているとかなり嬉しい。


・危機管理能力が高め
行く場所によってはかなり役立つ。
日本ではあまり役立たない。

生きやすくなるコツ

・生きる
生き続けて、意外とそんなに怖がらなくても大丈夫じゃんという経験を地道に積み続けることがまずは大切だと思う。
怖さからなにもできなくなって自暴自棄になりたくなることもあるだろうが、そういう時は自分が場をコントロールできると傲慢になっている時なので、所詮我々は動物であるということを思い出すためにたまに自然に触れつつ、粘り強く生きていきたい。

・整理する
だいたい嫌われるのが怖い時は将来起こることを勝手に悪い方向に想像して自滅してるだけなので、実際に起こっていることとまだ起こっていないことを分けて考える。
今起こっていることだけに集中して、まだ何も悪いことは起こっていないよね、だし未来はコントロールできないよね、じゃあ今は最低限できることだけやっていこうね、といった感じ。

どうしても未来を考えてしまう場合は、確率論を取り入れる。今まで不安になった時に結果的に本当に悪いことが起こったことは少なかったよね、だったら今回もその可能性は低いよね、と。

・たまに言う
だいたい言えないが、たまに思うことを言ってみるとよい。
聞いてくれる友人に恵まれていたらそれはよいことだし、こうやって文章で伝えるのも個人的に効果的だなと思うし、あとは言うことがパッと思いつかないからアカデミックディベートみたいに予め言いたいことを準備しておくのもよい。

慣れてきたら、気分がノった時にたまに敢えて適当なことをほざいてみるのもよい。人々意外と聞いてないな、変なこと言っても別に嫌われないな、という成功体験(?)を積める。

・信頼する人の横にいる
相手の気持ちが見えにくい集団においては、チームで一人自分を認めてくれているなと信頼できる人がいると心強い。
一人本音を話せる人がいるだけでかなりパフォーマンスが変わる。

怖くても結局前に進むしかないので、なるがままに、その時の自分ができることをやっていく。そのうちだんだん自分のやりたいことに近づいていけたら良い。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?