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How are you?が難問すぎる

相手:「How are you?」

私:「(え、私今調子どうなのかな…いつもと比べたら割と元気な方なのかな…てかさっきまで何してたっけ…あ、そういえば今朝パソコン動かなくなって授業ちゃんと受けれなくてテンションガン下げだったな、、あーでもその直後にクラスメイトに新しく買ったイヤホンかわいいって褒められて嬉しかったからやっぱ元気なのかもな……てかそもそも調子はどう?って聞かれた時の調子って何と比較するの?毎日この時間に心身の健康度合いを測定して平均とって、そこからどれくらい離れているかによってI’m goodとかnot badとか回答を変えていけば良いのか?いやでもそのやり方って統計的に正しいのか?統計真面目にやってないから知らん。え、てか結局なんて答えよう…なんかめんどくさくなってきたからもういいや、)
I’m good」



取りこぼしが多すぎて

パソコンのショートカットキーは1日50回以上使うが、会話のショートカットキーはちょっと苦手だ。
打つと良い音と感触が指に伝わる固いパソコンのキーと違って、このキーは一見やわらかくて綿のようにふわふわしているのだけれど、よく見たら繊維と繊維の間に隙間がたくさんある。押すと中に入っていた液体がじゅわっと出て来て蒸発する。

脳内の私はよく、なんとしてでもこの液体たちが蒸発するのを止めたがる。

特に他の誰かについて会話をする時、時間がないからとショートカットキーを使っては後悔する。

「あの教授の授業どう?」
と聞かれて、即座に
「課題が多いからお勧めしないよ」
と答えてみるが、なんだか歯痒く申し訳ない気分になって、
「でも教授はめっちゃ優しいしいい人だよ」
と慌てて付け足す。
その後課題のわからないところを聞きにその教授のオフィスアワーに行って、やっぱりめっちゃいい人だなぁ、お勧めしないなんて言わなければよかった、と悔やむ。

優しい会話

だから一対一で時間をかけて話すのが好きだ。
一度蒸発しても、それが空中に拡散してしまう前に蒸留してまた液体に戻せることが多い。

ショートカットキーを使わない方が、結局お互いのことをよく知る近道になるような気がする。(ショートカットキーをどのくらいの頻度で使うか、というのもその人を構成する要素の一つではあるけれど)

キーを使わずともスムーズな会話ができる人に対して、優しいな、と思う。(このスムーズさには心地良い沈黙も含まれる。)

私も会話のショートカットキーを使う前に、一度立ち止まって別の方法を考えてみようかな。

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