そこにはぱっちりとした二重の彼女がいた。
ずっと二重に憧れていたの、と彼女は嬉しそうに言った。

とてもかわいい、似合ってる、と私は笑顔で言い残し、ドアを閉めた。

彼女も埋没してしまった、彼女の過去に、そして社会に。
もううつくしい一重の彼女はいない。
また私はひとりになった。

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