見出し画像

【離婚後共同親権】世論はどのように操作されるのか(14)一知半解の確信犯・橋下徹氏の離婚後親権賛成論

〔写真〕政界への未練タラタラの近著

論客気取りの三文芝居

何にでも"いっちょかみ"なおじさんが、離婚後共同親権界隈にもやってきました。

発端は、元卓球選手・福原愛氏の離婚報道。

これに対して、法律家っぽいコメントをしてみたくなったのでしょう。
次のようにツイートされました。

で、次のように挑発。

大根役者っぷりがよく似合う見栄の切り方ですね。

それでも、キムタクが名優に祭り上げられるのと同じく(毒舌)、周囲の太鼓持ちたちが(こいつらが無駄に権力がある)うまいこと"切れ味鋭い論客"に橋下氏を仕立て上げ、正当な反論者を「咬ませ犬」に仕立て上げてくれるんで、彼にはまことにメシウマなのでしょう。

つまり、メディア印象操作では最初から勝負が決まっている。

本日、維新系の候補者が兵庫県知事の椅子も陥れたようで、この腐った民主主義社会は、まだまだ浄化にはほど遠いようです。

一応、反駁しておきますか。

橋下詭弁術①:都合の良い前提だけを持ち出す

再掲しますが、

ここで、彼は2つの都合の良い前提を持ち出しています。
①共同親権が妥当する家庭が存在すること
②選択制が常に子どもの利益を最重要視すること

むろん、これらの前提が成立する立法事実があるかどうか、家族法なんててんで勉強していない橋下氏に分かるはずがないのですが、彼はこの前提の立証責任を絶対に負いません。
テレビでご覧になった方はお分かりの通り、彼は反論者が持ち出した事実に未知論証(~という可能性はゼロではない)という詭弁でツッコミを入れているだけです。

2番目のツイートでも、「共同親権に弊害のない家庭にまで単独親権を強要してはならない。」と繰り返していますが、「弊害のない」という前提がいかなる根拠に基づくか、根拠は絶対に示しません。
なぜなら、そんな根拠は知らないからです。
彼にとっては、知らないことがバレなければいいのです。

橋下詭弁術②:客観的基準は示さない

上記ツイートをご覧になればお分かりのように、自分の不当との主張が正しいという無条件の前提に立っています。
つまり、俺が不当だというから不当だと言っているだけです。

第1文で、「妥当」「強要」という言葉を置いているので、不当という主張がもっともらしく活きるのです。
いずれの言葉にも中身はありませんが。

橋下詭弁術③:極端な事例での対比

2番目のツイートで、なぜか選択的夫婦別姓を持ち出していますが、こうした極端な事例の持ち出し方も彼の特徴です。
「バカにも分かる分かりやすい説明」が得意なだけです。

テレビで見れば分かりますが、彼は自分の主張をほぼ1分半程度で言い切っています。長口舌で視聴者を無駄にいらだたせない。(最近、歳のせいかだいぶ長くなってきたようですが。苦笑)

一般に、テレビでこれ以上話が長いと、視聴者が心理的に我慢できなくなる(チャンネルを変えてしまう)といわれています。
彼はそれを知っているのでしょう。

論証の論理的な健全性は彼には不必要なのです。

橋下詭弁術④:立証責任の転嫁

法曹や学者関係の方はご注意ください。
「転換」ではありません。「転嫁」です。

通常、論理的な議論ならば、彼の一連の3つのツイートの事実関係を立証する責任は彼自身にあります。

が、彼は論理的な議論をする気がありません。

”自分が目にしている夫DV事案の光景だけで単独親権を頑なに主張している人たち”に対して、「福原さん家庭の共同親権モデルを論理的に否定してみて」と過重な立証責任を課しているだけです。

むろん当事者には無理なので、最初から勝ちが(彼の中では)決まっている。

そもそも、論理学的にも通常の裁判ならば、立証責任は彼にあります。
が、彼は勝手に自分が一方当事者&裁判官も気取っているので、彼に負けは絶対にない。

幼稚な態度です。たぶん、ネトウヨから習ったのでしょう。

橋下詭弁術⑤:反論者に膨大な負担を強いる

この①~④の詭弁術の帰結として、反論者は膨大な負担を常に強いられて彼と対峙しなければならなくなります。

欧米メディアならば、本来、このような負担を強いられることはありません。なぜなら、訓練された司会者による公平な責任分配が行われるからです。(アメリカ大統領選挙の討論会みたいに)

ところが、いわゆる在阪メディアをはじめ、彼の周囲は、論客・橋下徹という誘蛾灯に集まってきた方々なので、公平とか公正とかとても困るのです。

だから、いかなるテレビ番組でも彼は議論に掣肘を受けない。
彼もそれが分かり切っているので思うがままに増長する。

一応、橋下氏に反論を示しておきましょう

「お前の論理が正しいかどうか、司法試験もう一度受けて確かめてこい」
です。

彼の立論が客観的に妥当性があるか、今でも日本で最も客観的に判定される司法試験で通用するでしょうか?

たぶん、彼は一生合格できないはずです。

それ以上の議論は無駄なので、これ以上は言わないです。

中身自体の議論は不要です。なぜならすでに分析した通り中身はないからです。中身がゼロなのに反論は論理的に不可能ですから。

結論:橋下氏の増長は、この国の民主主義社会がいかに腐敗しているか、動かぬ証拠である

です。

論理と理性が通じない社会で、反対論をいかに法案に通していくか。

反対派も知的誠実さだけではなく、相手の10倍くらいの狡猾さが必要なのです。

(了)

【連載一覧】

【ニュースレターもどうぞよろしくですー】
毒舌と罵倒だけやおましまへんで!





【分野】経済・金融、憲法、労働、家族、歴史認識、法哲学など。著名な判例、標準的な学説等に基づき、信頼性の高い記事を執筆します。